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webadm | 投稿日時: 2008-10-2 23:31 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3088 |
ノートンの定理(Norton theorem) ノートンの定理は等価電流源の定理と呼ばれテブナンの定理が等価電圧源の定理と呼ばれるのと対称的な関係にある。
昨日たまたまThevenin's theoremで検索したらYouTubeでそれの教材ビデオが引っかかった。実験風景がメインのかなりしょぼい内容だった。 ところがその時出てきた関連動画の中にMITでの講義がOPENCOURSE WAREとして無償で公開されているのがあるのを今頃知った。 Lec 3 | MIT 6.002 Circuits and Electronics, Spring 2007 さすがMITの講義、ポイントを掴んでいる。説明も今日的な代数的な解釈を基本にしている。今まで苦労して参考書やネット上の文献を見て断片的に得ていた知識同士が初めてつながった瞬間を体験して感動した。 この講義で当たり前に出てくる行列(matrix)とか線形代数の初歩を勉強するのに良い講義も発見。 Lec 3 | MIT 6.002 Circuits and Electronics, Spring 2007 線形グラフやベクトルを使った連立方程式の解法の意味を理解するというのは驚きだった。このシリーズの講義を見てから線形代数の独学も夢ではなくなったと確信した。 YouTubeでMIT OPENCOURSEで検索すれば出てくるけど、 Free Online Course Materials MIT OpenCourseWare こちらが本家。 さて話をノートンの定理に戻そう。 先のテブナンの定理で紹介した文献の内容のヘルムホルツ、テブナン、マイヤー、ノートンの各人物像に関する記述は、手元にある参考書のひとつがコラムとして日本語訳された形で引用されていたのを読んでいた。どっかで読んだ記憶がと思って、調べたら参考文献に同じ文献が載っていた。 その中でノートン自身がノートンの定理に関わった明確な記録はほとんどないらしい。むしろドイツ人のマイヤーという人が20世紀初頭に発表した論文をきっかけにそれらの定理が広まったというのが本当らしい。しかしその後ドイツと米国は敵国になり、ノートンは軍事関係の研究で多くの功績を残したらしい。それまで出典を明らかにせずに教科書で教えていたが、敵国のドイツ人の名を上げるわけにもいかず、苦肉の策としてノートンと同じ年に同じ考えを論文でちらっと示しただけだが大戦時の陰の功労者でもある米国人のノートンを引っ張り出したというのが真相ではないかと誰もが想像するところだろう。 さて話を理論に戻そう(;´Д`) テブナンの定理もノートンの定理も実は線形回路網が外部から見ると単純な電源回路に等価できるという点で同じである。前者は電圧源、後者が電流源で表すだけの違いである。 先のMITの講義ではもはやテブナンの定理もノートンの定理も定理ではなく手法(method)と呼んでいる。定理は数学的な証明が必要だが、それを厳密にせずに使ってきた歴史的経緯からみて、今日では手法と呼ぶのが相応しいということだろうか。 |
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