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webadm | 投稿日時: 2013-12-1 17:04 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3089 |
点電荷による電界 既に前の節で出てきてしまったが空間中の1点に電荷が存在する場合の電界を考える。現実世界では無数に電荷が存在するので、それらを重ね合わせの理で表すためのお膳立て。
電界を表すには2つある ・電位ポテンシャル場で表す方法 ・電位ベクトルポテンシャル場で表す方法 後者は前者の一次微分形である。なので前者は0次微分形とも呼ばれる。 前者は座標を与えると電位スカラー値を返す関数として表すことができる。 後者は前者と違って座標を与えると電位の高い方から低い方へ向かう勾配の向きと大きさをもったベクトルを返す関数として表すことができる。 前者はスカラー場、後者はベクトル場である点でまったく異なる。 つまり一言で電界と言った場合に、そのどちらも意味するし、片方かもしれない。前者は後者を積分することによって導くことができる。逆に後者は前者を微分することによって導くことができる。注意しなければいけないのは、その他の2つのベクトル場(div,rot)それとは事情が異なる。それらはポテンシャル場の二次微分形であるが、積分だけでは電界を導くことはできない点に注意。 さて著者はいきなり結論だけ書いているが、どうやって導出したんだか式を見ても判らない。 点電荷Qがあるとき、そこからベクトルrだけ変位した点での電界の強さと電位を考えよう。 点電荷Qからは一様に全方向に電気力線が延びていると仮定する。その場合、ベクトルrだけ離れた点と接する点電荷Qを中心とする半径|r|の円球表面が等電位面となり電位ポテンシャルφrは ということになる。 従って電界Erは ということになる。 著者はベクトルrの大きさを端にrと記述しているので紛らわしい。厳密にはベクトルrの大きさなので、ここではベクトルrの要素を定義して、その大きさも併せて定義した。これによって電界が勾配ベクトルで空間の位置によって向きと大きさが異なるというのがはっきりする。 実際に電位ポテンシャルを微分すると極性が電位と同じになることがわかる。 同様に異なる点電荷Q1,Q2,...Qnがあって、それぞれの変位ベクトルがr1,r2,...rnである点Pでの電位と電界は重ね合わせの理で。 ということになる。 何事も丁寧にやれば見えないところも見えてくる。 P.S 著者は触れていないが、点電荷からの距離は0より大きいことが前提となる。点電荷の中心では電位や電界が不定となるためである。著者はその点"ベクトルr"として端に距離rではないことを強調している。大きさ0のベクトルなんて誰も考えないからだろうか。果たしてそうだろうか? 教科書によってはこの問題を避けるために、点電荷は議論せずに前節で論じたように中空の導体球から始めている。それによって常に電荷が一様に分布した導体球面からの電位と電界を求めることになるので不定になる点が存在せずかつ電位と電界は連続であるという利点がある。これによってオリジナルのFaradayの電気力線のアイデアに対して最大限の敬意を払うとともに辱める心配もない。 今日では電荷の源である単位電荷は電子の持つ電荷であり、電子そのものは原子核の表面に一様に分布しているというと仮定されている。なので点電荷を考えるのは古典的な理論を議論する時だけに限定される。これはFaradayにとっても幸いなことである。 |
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題名 | 投稿者 | 日時 |
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