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webadm
投稿日時: 2024-1-30 18:55
Webmaster
登録日: 2004-11-7
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投稿: 3088
多重極展開
ふう、引っ越しで前の家に置いてきてしまった問題集の新版を買い直して独学再開(;´Д`)

前回というか10年前は、この多重極展開の問題で挫折していた感があるけど、ここまでの投稿内容を読み返して流れを思い出したので再度取り組むことに。

多重極展開の証明問題がこの問題集では第一章に登場するのがきついよね。砂川重信著の理論電磁気学も再度買い直して読んだけど、初歩段階ではクーロンの法則とかマックスウェルの静電場の方程式とかを扱うのに止めて、多重極展開とかは本格的に静電場理論を扱う後の章で解説するのに止めているよね。

一定の範囲内(球内)にランダムに分布した電荷(プラスもマイナスも含む)が球外の点にもたらす電位は、点電荷を含むすべての多重電荷からなる電位の総和として導出できるという手品なんだよね。

多重極展開は、理論的には面白いけど、実用性という意味では薄いかな。なのでさらっと導出のあらすじだけプロットするのに止めるのが一般的な感じ。自分でゼロから導出するのは、数学の他の知識(冪級数展開)も必要になる。

まずもって前提知識が無いと路頭に迷うのは当然で、予めあんちょこ知識を得て道筋を頭に入れてから、自分で道程をなぞるのが良案。

電磁気学にしても物理学にしても既存の理論というのは先人の優れた着眼点と数学知識の合わせ技みたいなもので導かれたのを学ぶ良い題材が豊富。

導出のストラテジーとしては、

(1) 半径aの球内に電荷分布が収まっている際に球外の距離rの点Pでの電位を球の中心からの距離x'の関数である電荷分布関数ρを用いてクーロンの法則を用いた球積分で定義する
(2)上記のクーロンの法則で用いた球内の距離x'の点と球外の点Pの距離の逆数を冪級数展開する
(3)上記の冪級数展開式を双極子モーメント(p)を導入して書き換える
(4)上記の結果が、前問のn重極子による電位の式の総和の形になることから前問と同様に培Legendre関数を用いて書き換えることで単電子、双極子、4重極子、...とあらゆる多重極子の総和がもたらす電位の式が得られることを確認する

ふう、筋書きは良いが、これから式をまとめないと。



順番に進めていこう。



図とはちょっと違うけど、前問の時に出てきたLegendre関数のRodriguesの公式を使用して多重極子からなる電位の総和としてのrだけ離れた点Pでの電位の式を考える。



これだと道半ばで100点満点中50点しかもらえないので、φnがn重他極子の成す電位であることを示すには電気双極子モーメントの概念を導入して書き直す必要がある。

先のφnの式でn=1のケースを見てみることに。




ということで、pが電気双極子モーメントであることがわかる。nは球中心から球外の点P方向の単位ベクトル。

次ぎにもっと簡単なφnの式でn=0のケースを見てみることに。



ということで、球体内の電荷を総和した単電荷(q)の成す電位となることが示された。

ここまでだと100点満点中75点ぐらいなので、あとはこれがすべてのnに関してn重極子の成す電位を示すか証明すれば良いことになる。

('A`)マンドクセ

とりあえずn=2が四重極子の電位を成すか調べてみるテスト。




ということで四重極子モーメント(テンソル)を導入することで4重極子が成す電位であることを示すことができた。

これ以上の高階極子テンソルについて示すのは読者の課題としよう(´∀` )

テキストの詳解電磁気学演習、砂川重信著の理論電磁気学のいずれも2階の多重極子項までを確認するだけで終わっているので、これで良しとしよう。

やっと第一章2節に進める、やったよ(ノД`)ママン
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題名 投稿者 日時
   真空中の電荷分布による静電界演習問題 webadm 2014-1-9 0:00
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     n重極子 webadm 2014-2-10 19:02
       Re: n重極子 webadm 2014-3-24 13:28
         Re: n重極子 webadm 2014-8-21 10:22
           Re: n重極子 webadm 2014-12-22 4:09
   » 多重極展開 webadm 2024-1-30 18:55

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