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投稿者 スレッド
webadm
投稿日時: 2017-7-2 21:55
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3087
Re: ピアノ教本
ふう、蒸すね(´Д`;)

さて「大人のための独習バイエル(下)」のステップ2に取り組んで早4ヶ月経過しました。

3ヶ月では仕上がらなかったので1ヶ月延長したけど、その甲斐あって通しで15曲メドレーで弾いた後に録音を聞いて減点となるポイントも1点か二点ぐらいになりました。

総評としては、

・全体的にアーティキュレーションに課題が残る(特にデュナミークが明確でないところがある)
・左手が伴奏を弾く際に右手より音量が目立ってしまっている
・テンポが速過ぎる曲が見られる(特にdolce指定のある曲)
・dolce 指定の曲の音量エンベローブが滑らかになっていない
・拍と音価は正確にとれていてよろしい

まあ独学だし誰か先生に聞いてもらっているわけではなく、自分の耳が先生なんだけどね。

左手はふにゃふにゃなんだけどグランドピアノの音源は低音部の音量レベルが半端じゃないのでどうしても大きくなるよね(言い訳)。
音量を下げようとするとかすってしまって音が出ないときがあったり。

丁寧に弾いているように聞こえるには、パッセージやフレーズ単位での音量のエンベローブに凸凹があってはだめなんだよね。かといって棒弾きはもっとだめだし、一朝一夕には解決しないので今後の課題だよね。

なのでいよいよステップ3に移ることに。

すでにバイエルを初めて半年以上たったけど、どうやら1年では終わりそうもないね。誰かさんは3か月で終わったとかいう伝説は聞かなかったことにしようね。全部で100曲以上あるから3か月というと一日あたり平均で1曲以上クリアした計算になるよね。

それでもここにきてようやく、一度だけ録音を聞いていて誰か別の人が弾いているんじゃないかと錯覚するほど、丁寧に弾いているように聞こえたときがあったのが収穫。もう一回再現したいと思ってもまだできないんだけどね。

鍵盤を押してから底を感じて力を抜く(次の鍵盤を押すためにスタンバイ状態にする)というのが感覚的につかめてきたのが大きいかな。

鍵盤を押したまま指を休めるんじゃなくスタンバイする感覚と言った大人にはわかりやすいかも。

相変わらずボリュームを最大にしてヘッドホンで聞いて練習していますが、以前ほど突発的にコントロールを失って大きな音を出したり、逆にかすって音が出ないという事故が発生する頻度は少なくなりました。

さて、ここからはこれまで読んだ本のご紹介。

最初に紹介するのは、以前紹介した「ピアノ演奏法の基礎」の著者が師事した戦前から戦後の時代の代表的なピアニストであるギーゼキングとその師匠のライマーの共著「現代ピアノ演奏法」 井口秋子訳。



絶版のため中古本で入手。

名ピアニストであるギーゼキングには数々の伝説が伝わっていますが、その一端は本書でも明らかになります。

本書は著者名がライマー=ギーゼキングとあるように、ちょうどクラマー=ビューローとかのように、原作者と改訂者のような関係。

読んでみるともともとは師匠のライマー氏がそれ以前に発表した内容を一冊にまとめ、その内容を裏打ちするため最も優れた弟子であり当世を代表する名ピアニストのギーゼキングに序文を書いてもらったという感じ。

すでにギーゼキングは世界的な名ピアニストとして高い評価を得ているので、師匠と弟子の知名度が逆転したような感じですが、ギーゼキングが師匠から何を伝授されたかというのを知ることができます。

たぶん最も衝撃的な内容は、最初にすぐ出てきます。

それまでは読譜というと、弾き始める前の前準備みたいな感覚で、暗譜するのは止まらずに間違えずに最後まで通しで引けるように仕上がってからとばかり思っていましたが、違う人たちが居るようです。

なんとライマー先生もギーゼキングを含むその弟子たちも皆、最初に新しい曲を弾き始める前に読譜で暗譜してしまうというのです。

特にとびきり優れた生徒には優れた効果が得られると書いていますが、そうでない生徒でもそれなりの効果があるようです。

やり方は本書に具体的に書いてありますが、最初は短い曲(本書では初めて見る作曲家の練習曲やバッハのインベンション第1番)から始めるのが良いとあります。

多分に演奏の基礎は終わっている(一応譜面は読めるし、初見演奏ができるレベル)が対象ですが、基礎の途中でも試してみる価値はありそう。

個人的な経験では、最初に初めての曲を読譜後に運指確認で一度さらった後は、譜面をよく見ていなくても間違った音を弾いた時(正確には弾こうとした瞬間)にそれに気づくので、自分の中ではすでに覚えてしまっているか次の音を予測しているのは確か。しかし演奏する手にはそれが伝わっていない。自分の中にもうひとりの自分が居て、そちらは譜面を一度通して読んだだけで記憶してしまっているのかも。

その後読んだ別の本で、この読譜による暗譜を実践していたのはギーゼキングだけではなく、カナダの天才ピアニスト、グレン・グールドもそうだったというのを知りました。

ギーゼキングとグールドに共通するのは、現役の頃には毎日練習しなくても弾けなくなったりすることは無かったと明言している点。

普通の人は「一日弾かないと自分で気づき、二日弾かないと家族が気づき、三日弾かないと聴衆が気づく」という具合に、毎日練習しないとどんどん劣化していくのが常。

それはたぶんに普通の人は脳の運動神経領野で曲を覚える(体で覚える)からだろうと思うの。なので同じ運動をさぼるとどんどん要らないものとして脳内では神経ネットワークが再利用されて失われていく感じ。

それに対してギーゼキングやグールドは、体に記憶する前に脳の意識領野に記憶しそこから体に指令するというタイプ。なので最初から止まらないし間違えない。弾いていなくても、毎日その記憶を頭の中でイメージして反芻していればいつでも弾けるということになります。

ただすべてがそうであるとは言い切れなく、やはり天才的な彼らですら、猛烈に体で練習しないと仕上がらない曲がなかったわけではないのです。

大人になってから始めると体で覚えた記憶はすぐに失われてしまうので、頭の中にイメージとして記憶するという方法がよいのかもしれません。ちいさな子の場合には、それほどまだ情報処理能力が育っていないので無理ですが、小学生になれば、毎日たくさんの目や耳で入ってくる新しい情報を処理するようになるので、そうした力を最大限に利用しない手はないと思います。

本書で次に同じ方法で臨むべきなのが、代表的なソナタ形式の曲、具体例としてベートーベンのヘ短調ソナタ op.2-1が用いられて詳しく解説されています。

他に読んだ本でもベートーベンのソナタは無駄なところが一切ないあんこう鍋みたいなものだと称されています。それだけに一曲丁寧に読譜して暗譜すればどれだけ力がつくかわかるというもの。

本書を特徴づけているのは、先の読譜による暗譜だけではなく、その次に主題となっている「3. 自然な演奏」に書かれていることだと思います。

ギーゼキングは戦前と戦後の二つの時期で世界的に評判の高いピアニストですが、その特徴は譜面に忠実な自然な演奏を徹底していた点にあると思われます。

Youtubeとかでもギーゼキングの録音を聞くことができます。当時も今でも珍しくバロックから現代曲まで幅広いレパートリーを持つ稀なピアニストの一人ですが、演奏会では聴衆や主催者の期待する曲を弾かされることになり、本人が好きな作曲家は受けが良くないこともあって、次第に聴衆の期待に応えるプログラム構成に落ち着いたとギーゼキングの自伝に書いています。

実際ギーゼキングのように演奏することは普通はむつかしいのですが。ことバッハの曲に関しては、グレン・グールドが出現してから、譜面に忠実というより、独自の解釈を優先する演奏が期待されているように思われます。

でも基本はやはり譜面に忠実に自然な演奏だと信じますが。そう努力しても演奏者によってそれぞれ異なってしまうので、その中で個性を発見して音楽的に生かすのが良いと個人的には思います。

後半はテクニックに関して詳細な章に分けてそれぞれ議論しています。

やはりというかピアノ演奏の難しさは、さまざまなテクニックを適材適所に繰り出す構成力が求められる点にあるのかも。

初歩のレベルだと運指が不安定で時々びっくりするような大きな音がしたり、逆にかすって音がしなかったりとかいう低いレベルではこの種の議論は猫に小判なのですが。

伝説的な名ピアニストの中には、特別指の訓練のための練習はした覚えがない、曲に取り組む中で身に着けていったとおっしゃる方が少なくないのですが、凡人はやはり指の制御をちゃんとできるようにするのが筋で、本書でも指の訓練を避けてはいけないとも言っています。

最後に「ペダル」に関してたくさんのページ数を割いて、ありとあらゆるペダルを使用する機会に関する注意点やアドバイスが書かれています。

翻訳はやはり戦前と戦後の時代の日本のピアニストであり指導者だった井口基成の最初の奥さんだった井口秋子。離婚後に教授職に復帰して後進の指導にあたる。若いころに戦前にドイツに留学して研鑽しているときに出会った著書を戦後に「音楽の友」に翻訳して連載していたものを単行本化したもの。私が生まれる前の頃の話である。

次に紹介するのは、ギーゼキング続きで、今度はギーゼキング自身による自伝(戦前編まではギーゼキングの執筆、戦後編はギーゼキングの死後娘による補筆)、「ピアノとともに」杉浦博訳



本書の原題である第一章「わたしはこうしてピアニストになった」では、ギーゼキングの普通とは異なった生い立ちに驚かされる。

なんと子供の頃に学校に通ったことがなかったという話である。

父親の影響で、普通の子のように学校に通って学ぶということはなく、必要なことは父親から教わったとある。

またバイオリンについてはレッスンを受けていたが、ピアノに関しては誰からも強制されることなく、まったく困難もなく自分で曲を覚えて弾いていたということ。レッスンを受けていたバイオリンはまったく上達しなかったらしい。

まったく誰からも強制されることなくピアノの演奏を覚えたというのは、以前読んだキーシンと共通している。

そして父親のライフワークである昆虫採集の趣味を息子のギーゼキングも受け継ぐことになる。

ピアノに関して最初で最後の師匠といえるのが先に紹介した本の著者であるカール・ライマー教授である。

カール・ライマー教授にしてみれば、有望な弟子に恵まれた稀有の機会とあって、ギーゼキングが勉強を続けていくために必要な奨学金を受けられるように彼に代わっていろいろと遁走したらしい。

すでに演奏に関しては修正すべき点は無く、ギーゼキング自身も学生の身でありながら弟子をとって教えたり、声楽家の稽古のためのピアノ伴奏の仕事をしたりしていたらしい。

その学生の頃に偶然にドビッシーの曲に出会い、その後代表的なレパートリーとなることになる。

話は第一次世界大戦と第二次世界大戦の頃へと進む。

そこで兵役の年齢に達していたギーゼキングも徴兵検査を受けることになるが、その後彼が結婚をする際にドイツ国籍が無いことが判明。

この頃が若きギーゼキングの全盛期で才能を遺憾なく発揮した時期でもあり、名前が知れ渡ったときでもある。

師のライマー教授が画策してベートーベンのソナタ全曲を暗譜で演奏するという快挙を成し遂げた。

父親はこの偉業に対して、作曲家への道を塞いでしまったと反対意見を述べたという。確かにギーゼキングは作曲もしていて、曲も残されている。しかしその後の人生は名ピアにストであり指導者であるギーゼキングで代表されることは確か。

兵役についてから国籍が無いことが判明して重要な任務からは外れることになったが、それが幸いして、カフェやビアガーデンでポピュラー曲のピアノ演奏をする機会に恵まれた。報酬を受け取ることもあり、母親の家計を助けた。

ギーゼキングの父親は開戦後に逮捕され、貴重な蝶のコレクションも失われてしまい、ギーゼキングがカフェやビアガーデンで得た収入で家族は生き延びるしかなくなってしまった。

その後は音楽家と家計を支えるという父親に代わる大黒柱としての日々が続く。その中で、ようやく評論家や巨匠に認められる機会が訪れることになる。

世間に知られるると演奏生活が始まり、たまの休暇では普通のピアニストとは違って、ピアノに触れずに、蝶の採集に出かけるというのもギーゼキングらしい。

その後第二次世界大戦が勃発するまでの間、ギーゼキングはイギリスや合衆国に演奏旅行に行っている。ギーゼキングから見た、当時のドイツ、合衆国の状況が見てとれる。

ギーゼキングはあくまで音楽家として中立的な立場で自国や他国を客観的に見ていたが、戦後になると、両国の立場はうって代わって、戦敗国と戦勝国というコントラストに翻弄されることになる。

ギーゼキングはずっと弟子をとって教えていたことが書かれているが、戦後になって二度目の不慮の交通事故にあって自身も重症を負い、奥さんを亡くすまでの間に教えていた弟子のひとりが、以前に紹介した中山靖子だった。

ここまでの内容はギーゼキングが最初の交通事故にあって療養している間に執筆されたもので、戦前の頃までで終わっている。その後は演奏活動を再開して執筆している時間が無くなってしまったとある。

その後の戦後にギーゼキングの身に起きた出来事については長女のユタ・ホイマッシーが、ギーゼキングが残した小文を付け足したもの。

戦後に再び合衆国に演奏旅行に出たときの衝撃的なエピソードが書かれている。

戦勝国である合衆国は戦前とは様変わりしてしまっていた。戦敗国であるドイツ人には入国すら認めない、商業的な演奏など許すまじという一部の支配者層の声がまかり通る国になってしまっていた。

合衆国の聴衆は戦前と変わることなく、ギーゼキングの演奏を心待ちにしていたのだが、そんなことにはまったく関心の無い一握りの声を大にするのが得意な人たちによって、すべては台無しにされた。

すったもんだで入国だけは予定より遅れていくつか演奏会をキャンセルしなければならなかったが、そのあとカーネギーホールにまでたどりついたものの、再び入国管理局にとんぼ返りさせられ、結局のところそこでしばらく足止めをくらうことになるとわかって合衆国での演奏旅行を断念して帰国することになったという次第。

ユタ・ホイマッシーは、その後ギーゼキングが合衆国以外の日本を含む世界中の国で演奏旅行をしたことを書いている。合衆国で再び演奏をしたのは、

第一部の最後は、ギーゼキングが亡くなるまでの間の日常の過ごし方や家族との団らんについて娘から見た父ギーゼキングの姿が描かれている。

第二部は、ギーゼキングが折につ入れて書き残した音楽演奏に関する小文やエッセーを収録したもの。

その中に先に紹介した驚愕の練習方法とか練習習慣について書かれている。

読譜とか暗譜の際の異様なほどの集中力は最高度に高いものだったろうと想像できる。

グレン・グールドに関しても寝室に楽譜をもっていって、しばらくして出てきたら暗譜でそれを弾いていたという逸話が残っているぐらい。たぶんギーゼキングもそうしていたのだろう。

エッセーの中には練習方法だけでなく、ペダルの使い方、バッハの解釈の仕方、ドビッシー、ラブェル、ベートーベン、モーツアルトに関するものがある。いずれも一読するとギーゼキングの主義とか主張が明確に理解できる。

本書の巻末には、膨大なギーゼキングに関するリソースの目録が掲載されている。代表的な歴代作曲家の名曲に取り組み際の解釈例として参考になるだろう。またギーゼキング作曲による作品も掲載されている。Youtubeにはそれらを後世の演奏家が演奏した動画を見ることができる。

次に紹介するのは、ギーゼキングと並んで著名な、ヨーゼフ・ホフマンによる「ピアノ演奏・Q&A」大場哉子訳。

[img]/xoops/ピアノ演奏・Q&A.jpg[/img]

ちょっと変わった邦題だけど、元は Piano Playing という題名。

邦題の由来は、訳者まえがきにある通り、ホフマンが22歳の時に合衆国に戻った際に、”レディーズ・ホール・ジャーナル”誌の誌上レッスンの一環として読者からの質問にホフマンが回答する形で連載されたものを単行本化したものであるため。

既に絶版ということなので、中古本での入手。表装カバーも失われているので、元はどんなカバーのデザインだったかも不明。

読み始めてみると、表題の軽さとはまったく予想が違った。

1ページ1ページに必ず、目を見開かされるようなことがさらりと書かれているのである。

ホフマン自身はかなり真剣に毎回の連載記事を準備していたに違いないのです。

読む側はまるで、畳の上に正座してホフマンと向かい会って話を伺っているような雰囲気がしてくる。

まるで禅問答から始まるようなそういう中身の深遠さを感じさせる文章である。

訳した人もすごいと思う。

というわけで先に紹介した本よりページ数は少ないので、すぐに読み終えるかと思っていたのが甘かった。

1ページを読み終えるのに予想外に時間がかかった。というか簡単に読み過ごしていいのかと訴える何かが感じられるのだ。

本書には当時の二十台の頃のホフマン自身による模範姿勢の写真がいくつも掲載されている。

既にこのころには、本書の中にも綴られているように、ホフマンが師事した最初で最後の師匠である、巨匠アントン・ルビンシュタインから共演後に卒業宣言を言い渡されて、もはや一人で歩むしかなくなった孤高の域にあった。

たぶんに大人になってからピアノを独学するなりレッスンを受けるなりするときには必ず読んでおいたほうがいい内容が満載です。

読んですぐに役立つというのは少ないかもしれませんが、普通に直感的に一人で練習を始めると陥りやすい罠とかについてそれを避けるアドバイスがあったりします。それを見て、私はΣ (゚Д゚;)とすることがたくさんありました。

書かれているテクニックや曲の解釈については、今日では常識的になったものが多いと思いますが、本書が出版されたことによる長い年月による派生効果であるかもしれません。

その原点を知っておくのは価値があると思います。

次に紹介するのは、比較的新刊の国内本。

「ピアノが上手になる人、ならない人」小林仁著



表題につられてついポチッたたちなのですが、みんな誰しもピアノを始めるときには上手くなりたいと願っているよね。でもそうならないと判るときがやってくる。

本書が想定する読者は基礎が終わって専門的に上を目指そうとしている学習者かな。

題材として出てくる曲が中級から上級の曲がほとんどなのでそうだと思います。

けれども中級の曲に取り組む段階になって挫折する前に、読んでおくといいかもと慰めて読み始めました。

内容的には、譜読み段階や、演奏時の曲に即したテクニックやタッチの選び方、協奏の仕方、初見奏、とかで躓くポイントとそれの解決の仕方とかのアドバイス。

最後はピアニスト目指す人向け、音楽家を続けるための心構えが書かれています。

素人で趣味でピアノを弾き続けるときにも共通にあてはまる内容なので読んでよかったと思います。

またその後も進捗を見ながら再び読み解くことになると思います。

最後に紹介するのは、ここまではかなり演奏法とか練習法とかに関する本ばかりだったので、少し軽めの本も読んでみたいなと願っていたところで、たまたまお勧めリストにあった、「私のしごとはピアノ弾き(ドイツからのメッセージ)」上法奏著



普通の音楽出版社ではなく、著者自身も音楽会での名が知れているわけでもないけど、新しい本なのでとりあえず入手して、読書予定リストに追加。

ついに開いて読む時が来て、すぐに買ってよかったという感じがしました。

著者はドイツ在住で音楽院で室内楽の伴奏講師を務める現役ピアニスト。

今ではドイツの音楽院というとドイツ人の先生は少なくて、教授や講師は外国人が多く占めていることが本書から伝わってきます。

ドイツで音楽家として職を得るには、学生の頃にドイツの演奏家資格国家試験に合格する必要がありますが、著者はそれをクリアしています。それにヨーロッパのコンサートでも伴奏だけでなく、ソロ演奏もこなす実力の持ち主。

しかし資格はあっても職がなければ収入も無いので、日本に帰国するしかありません、日本に帰っても、国内はピアニスト過剰供給状態にあるので、よほどのコネや幸運でもない限り、個人ピアノ教師を始めるぐらいしかない状態。

本書の内容は、音楽家を本格的に目指すようになった頃の記憶から、ドイツに留学して卒業し、音楽家としての職を得て活躍する現在に至るまでの間に著者が知遇した第一線でヨーロッパの音楽文化を支えている人たちとの出会いや、そこで活躍する若い演奏家の卵たちの思い出部会エピソードが綴られています。

登場人物は全員実在する人で、お話も実話、ノンフィクションだけど、描写が今時の小説風でまるでその場に居合わせたような臨場感に引き込まれます。

読み終えて実感するのは、著者自身は決して自身についての評価は書かないが、周囲の人たちとのエピソードを読むについれ、かなりの実力のあるピアニストだということ。そうでなければ、職を得る好機やコンサート出演の機会は巡ってこないよね。住居のお隣さんたちも著者のピアノの演奏が聞けるのを心待ちにしているみたいだし。

あとがきでは、本書が単行本として出版される機会を得たいきさつが書かれています。

今風で、ブログに綴っていたものが出版社の目にとまって、出版することになったというもの。

あとがきの日付が10年前だから、それからもう10年。今も活躍されているのでしょうか。

ぜひとも若い人におすすめの本です。もちろん年寄りにも気持ちが若返る本としてお勧め。

んじゃまた。




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題名 投稿者 日時
   ピアノ教本 webadm 2016-9-19 5:59
     Re: ピアノ教本 webadm 2016-10-23 22:12
       Re: ピアノ教本 webadm 2016-10-30 8:03
         Re: ピアノ教本 webadm 2016-11-4 6:55
           Re: ピアノ教本 webadm 2016-11-13 11:39
             Re: ピアノ教本 webadm 2016-12-5 2:35
               Re: ピアノ教本 webadm 2016-12-11 23:58
                 Re: ピアノ教本 webadm 2016-12-24 1:25
                   Re: ピアノ教本 webadm 2016-12-25 22:23
                     Re: ピアノ教本 webadm 2017-1-3 4:45
                       Re: ピアノ教本 webadm 2017-1-22 3:37
                         Re: ピアノ教本 webadm 2017-1-30 9:19
                           Re: ピアノ教本 webadm 2017-2-6 5:06
                             Re: ピアノ教本 webadm 2017-2-12 4:19
                               Re: ピアノ教本 webadm 2017-2-19 0:49
                                 Re: ピアノ教本 webadm 2017-3-21 3:37
                                   Re: ピアノ教本 webadm 2017-4-17 21:54
                                     Re: ピアノ教本 webadm 2017-5-8 0:06
                                       Re: ピアノ教本 webadm 2017-5-28 21:31
                                       » Re: ピアノ教本 webadm 2017-7-2 21:55
                                           Re: ピアノ教本 webadm 2017-8-13 11:11
                                             Re: ピアノ教本 webadm 2017-9-20 12:33
                                               Re: ピアノ教本 webadm 2017-12-2 22:07
                                                 Re: ピアノ教本 webadm 2018-1-12 11:12
                                                   Re: ピアノ教本 webadm 2018-1-29 5:48
                                                     Re: ピアノ教本 webadm 2018-5-5 2:28
                                                       Re: ピアノ教本 webadm 2018-9-9 20:31
                                                         Re: ピアノ教本 webadm 2018-9-30 22:06
                                                           Re: ピアノ教本 webadm 2018-10-7 14:58
                                                             Re: ピアノ教本 webadm 2018-12-23 22:37
                                                               Re: ピアノ教本 webadm 2019-2-20 10:29
                                                                 Re: ピアノ教本 webadm 2019-4-14 23:51
                                                                   Re: ピアノ教本 webadm 2019-4-21 7:29
                                                                     Re: ピアノ教本 webadm 2019-4-29 12:39
                                                                       Re: ピアノ教本 webadm 2019-5-4 5:01
                                                                         Re: ピアノ教本 webadm 2019-5-4 23:11
                                                                           Re: ピアノ教本 webadm 2019-5-16 12:44
                                                                             Re: ピアノ教本 webadm 2019-5-26 19:33
                                                                               Re: ピアノ教本 webadm 2019-7-5 10:32
                                                                                 バイエル卒業(´∀` ) webadm 2019-8-5 0:50
       Introducing Pianoprima EXERCISES webadm 2020-8-11 6:27

 
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