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webadm | 投稿日時: 2006-9-27 2:49 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3107 |
ACアダプタにまつわる思い出 しょうもない個人的な思い出を書くスレッドその2
中学に入学したお祝いに叔父から英会話学習用途という名目でカセットテープレコーダーを買ってもらった。もちろん英会話などの素材は皆無なのでもっぱら音楽曲録音再生用として使ったのだが... 問題は当時のカセットテープレコーダーは電池駆動のみでACアダプターは付属してないのが当たり前だった。今では電池式のは大抵屋内で使用するものであればACアダプターが標準添付が当たり前だが、当時はそんな技術はまだ普及していなかった。 なので長く使うと電池を購入するのがネックになってしまう。小遣いがほとんどないので電池が無くなるともう宝の持ち腐れである。 当時購読していたラジオの製作という雑誌には沢山の通販業者の広告が載っていて、そこに当然ながらACアダプターもあった。安いものでは500円とかから。これなら買えると母親に頼んで買ってもらうことにした...つもりだった。しかしいくら待てども暮らせどもACアダプタが届く気配がない。 私:「いつになったらこないだのACアダプタ届くんだろうね」 母:「いつだろうね」 母は私の願いを適当に聞き流して注文していなかったのだと後になって悟った。それはどうでもいいことだった。 結局できあいのACアダプターは手にいれられないと観念したので、自分でなんとか作れないかと思うようになった。 当時、だいぶ以前から家の外に放置されていた4球式ラジオを母の許可を受けてもらい受けることになった。どうやら故障したままそのままらしい。電源を入れても真空管のヒーターは点灯するもののうんともすんとも言わない。 修理する知識も無いのでとにかく部品取りということで分解することに決定。それにははんだごてが必要。しかし家にそんなものがあるはずもない。まずはんだごてを手にいれることからはじめないといけなかった。しかしペンチとかはあったので、それでかたっぱしからリード線を切断して抵抗やコンデンサを取り外してしまった。あとは真空管を抜いて、ソケットとかネジ止め部品を全部外した。 これで部品が再利用可能な状態になった。はんだごてはまだない。 とりあえず遊べるものというと大きな電源トランスであった。プレート電源用の高圧とヒーター電源用の低圧が二次側巻き線としてあるやつだなのはわかっていた。 コンセントから一次側巻き線に商用100Vをつないでヒーター電源の低圧を使っていろいろ遊んだりした。交流なので模型用のモーターとかをつなぐと回転軸が右往左往して振動を始め終いには煙を出して壊れてしまった。当たり前である。 なんかの実験でその大事なトランスを焼損してしまった。もう真空管のヒーター電源が無い。どうやって真空管を使う実験をしようか。 そこで思いついたのが、真空管のヒーターと直列にコンデンサをつないで商用100Vで点灯させるという方法。画期的なアイデアに感動した。 すぐに整流管を使って商用100Vを整流して直流電源を作るアイデアが浮かんだ。テープレコーダーのACアダプタがこれで出来るのではないかという期待でいっぱいになった。 さっそく整流した出力をラジオから取り外したケミコンをつないでテープレコーダーの電源としてつないでみると、見事に動いた。でも電圧が高すぎるので少しテープが早周りしている。 すぐに母に報告した「ACアダプターが出来たよ、これで電池を買わなくてもすむよ」 しかしテープレコーダーの消費電流が大きくて数百ミリアンペアにもなるので整流管にとっては最大許容電流や最大プレート損失を遙かに超えた動作をさせていることになる。整流管の内部抵抗が大きいことがあって電圧が適度に降下してくれているおかげでテープレコーダーが焼損せずに済んでいた。 テープレコーダーが動作中に整流管を見るとプレートが赤熱していた。そのうち段々とテープレコーダーが動かなくなった。見るとヒーターが焼き切れていた。つかのまの喜びに終わった。 整流管を失ったことで残った真空管を使った実験は頓挫した。 その後家の古い真空管式TVをもらえることになってそこから取り外したシリコン整流ダイオードを手にいれてから真空管を使った本格的な実験が再開した。その話はまた別の機会に。 はんだごても実は自分で作ろうとした。前に書いた記憶があるけれども、半田付けには半田とはんだごてが必要である。実は家に半田があると信じていた。小さなリールに巻かれた柔らかい金属線で父親が停電になるととそこから少しちぎって家のフューズボックスに取り付けていた。それは半田ではなくフューズである。 組成は違うが低温で溶融する性質は同じなので半田としても使えると信じていた。しかし、フューズはとけても他の金属とはひっつかないことが実験で判明。 はんだごては電熱線や他の手段で金属を熱すればいけるのではないかと思い、電熱線など無いので、乾電池の中に入っている炭素棒に商用100Vを印可して発熱させその熱を利用することにした。しかし問題があった、炭素棒は加熱すると酸化して灰になってしまうのだ。 結局諦めて後に本物の半田とはんだごてを購入したのは言うまでもない。 今ではどこでも半田とはんだごては購入できる。当時田舎では唯一あったホビーの模型ショップで電子工作からプラモデルにラジコンとありとあらゆるホビーパーツや工具が売られていた。テスターもそこにあった。 テスターも電子工作には欠かせないが、自分で作ろうと思っていた。原理はあらかじめ学んでしたので問題は可動コイル型の電流計をどうやって手にいれるかである。 そこで思いついたのが同じような電磁力を利用した模型用モーターである。あれも180度までは電流計と同じ原理で軸が回転する。そこでヒゲゼンマイに相当するものをエナメル線でこしらえて電流を流したところ、電流に比例して回転軸に付けた針が振れることが確認できた。また母に報告した「テスターが出来た、これでテスター買わなくてもすむよ」、もう寝る時間だった布団の上で実験していたので怒られてすぐ寝た。 しかし問題があった、電流値が大きいとモーターは回転をいきなり初めてしまうのだった。ヒゲゼンマイもその度に軸に巻き付いてしまった。使えないことが判明した。 テスターもそれから三和の一番安いモデルだったが、黒光りする立派なものを購入した。あまりに立派なので触るたびに手に汗がにじんでしまってテスターが汗でぬれてしまった。その都度布で綺麗に拭きながら社会に出てからも携えて大事に使った。 その三和のテスターは一度過電流を流してしまい内部の抵抗が焼損してしまったが、メーカーから交換部品を取り寄せることができたので自分で修理できた。 社会に出てから数年ぐらいして会社の先輩が貸してくれというので貸したところ壊されてしまった。その時に大事な測定器は気軽に他人に貸すものではないと思った。先輩は代わりにその後すぐ倒産したSOARというところのへんてこな液晶でバーグラフでアナログ表示するテスターを買ってくれた。こんな使えない商品を作っているからつぶれたのかもしれない。今も時々SOARの中古製品をヤフオクとか中古屋で見かけるが、どれもへんてこである。よっぽど売れなかったに違いない。 当時努めていた会社の保守エンジニアリング専門子会社の技術屋さんは決まって誰もがFLUKEのテスターを使っていたのを思い出し、多少高くてもとFLUEのを購入して今に至っている。自動電源オフ機能があるので切り忘れても電池が無駄に消耗することがなく、購入してから一度も未だに電池を交換したことが無い。それだけに昔から保守サービスでは定番なのかもしれない。 |
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» ACアダプタにまつわる思い出 | webadm | 2006-9-27 2:49 |
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