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webadm | 投稿日時: 2006-10-13 1:36 |
Webmaster ![]() ![]() 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3110 |
8051の記憶 8051というとかなり古いIntelの組み込み用マイクロプロセッサーで現在のPCの元祖であるIBM PCのキーボードコントローラに採用されて爆発的な需要を手にして現在もなお姿形を変えて使われている。
ヤフオクでその8051用Keil Cコンパイラーが売られているのを見つけて思い出した。カメレオンUSBとかに使われているFTDI社のUSBマイコンやCypressのUSBマイコンとかにも8051コアCPUが乗っていてそのファームウェア開発ツールとしてKeilのがついている。こないだ確かKeilはARM傘下に入ったような記憶が。 そしてずっとずっと古い記憶も思い出した。20年以上前、新しい部署で新規事業として組み込み関連の仕事を受注しようとやっきになっていた時にある仕事が舞い込んだ。某社が光ディスクの試験装置をほしがっているらしい。インターフェースはSCSIである。 それ以前まではディスクのインターフェースというと各社各様で標準というのがあまり無かった。ということもあってSCSIという標準が策定されはじめ新規に登場するディスクデバイスは採用していった。しかしそれをコントロールするホストインターフェースをまず手にいれないと動作させることすらできない。しかもSCSIとは言えハードディスクとは異なるコマンド体系なので出来合のHDD用のホストコントローラをつないでも使えるわけもない。 そこで部署を立ち上げた中心格の上司が思い詰めたあげくでっちあげたある途轍もないアイデアを実行に移すことにした。当時その部署のフラグシップ製品であるPDP-11互換ミニコンピューターにPDP-11用のEmulex社のSCSIホストコントローラーを制御している8051のファームウェアをハックして汎用コマンドが使えるようにしたものを差し込んで使うというものだった。今考えるとかなり無謀だが技術的には可能であるのは確かだった。 幸いなことに私の担当はファームウェアのハックではなくそのホストコントローラーを使った試験装置としてのアプリケーションだった。かの上司とハードウェア担当の先輩が必死にファームウェアを解析してどんなコマンドでも発行できるようにROMにパッチをあてた。もう出来たもどうぜんである。 納める際に実際に光ディスクを開発している実験室に何日か通ったけど、そこでは女性の技術者が担当していて新鮮な感じがした。若い女性の人が「はやく作ってください」と私のアプリケーションができあがるのをせかしていた。どうやらデバッグ用にすぐにでも使いたいことが判明。急いでまだ出来ていないコードを打ち込んでいった。あまりのタイピングの早さに目を丸めていたのが記憶に残っている。その甲斐あって実際にデバッグに使いだすと光ディスクのファームウェアのバグが健在化して、担当者だけでは解決が難しくなって別の部屋に居る先輩技術者に相談にいった。次の瞬間その先輩技術者と一緒に実験室に入って来た。 驚いた事に先輩技術者も女性だった。それも少しばかり年配の。まるで魔法使いのおばさんみたいな感じでしばし呆然。 その後めでたくその装置は完成し某社の光ディスクも世に出せる運びになって記念の祝賀会が開かれたとか。 EmulexはDECのPDP-11では定番のSCSIホストコントローラーメーカーでしたがその後登場したSun Microsystemのワークステーションでは標準採用されてました。さすがに現代ではSCSIの時代ではなくてファイバーチャネルやSATAとかストレージネットワークのホストコントローラーが主力製品のようですが。 |
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