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webadm | 投稿日時: 2007-3-26 12:03 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3107 |
問題23:電流計と電圧計 問題23では電流計の最大許容電流をIとした場合に、そのm倍の測定レンジを持つ電流計を作るにはどうしたらよいかという問いと、同じ電流計を使用して測定できる電圧測定レンジをn倍にするにはどうすればよいかという問いの2つ。
まず電流計については分流抵抗に全体を流れる最大許容電流のうち電流計の最大許容電流を差し引いた値が流れるように抵抗値を決定すればいいことになる。 電圧測定には全体を流れる最大電流がn倍された印可電圧の場合でも最大Iになるように直列に抵抗を挿入すればよい。 分流抵抗Rmの電圧降下とそれと並列な電流計の電圧降下は等しいので以下がなりたつ Rm・(m・I - I) = r・I ∴Rm = r/(m - 1) 次に電圧計のほうは、電流計の内部抵抗とそれに直列に接続された分圧抵抗Rnの電圧降下の和は印可電圧に等しいことから以下が成り立つ n・E = Rn・I + r・I また E = r・I であるので n・r・I = Rn・I + r・I ∴Rn = n・r - r = r・(n - 1) どちらも著者の解答と同じ結果が得られた。 |
webadm | 投稿日時: 2007-3-27 11:19 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3107 |
問題24:T型アッテネーター 先の問題はアッテネーターへの布石だった。
今度は本格的なT型アッテネーターが問題。 問題24は問題22の電流計が負荷抵抗Rに置き換わっただけのもの。負荷抵抗に流れる電流を全体の1/nしかつ合成抵抗がRになるようにR1,R2を求め負荷に発生する電圧Erと入力電圧Eの関係を求めるもの。 既知のパラメータはE,Rのみである。未知のパラメータはI,R1,R2 さっそく連立方程式をたてる E = I・R1 + (I/n)・(R1 + R) = I・R1 + (I - I/n)・R2 (I-I/n)・R2 = (I/n)・(R1 + R) Er = (I/n)・R = E - I・R1 - (I/n)・R1 R = R1 + 1/(1/R2 + 1/(R1 + R)) = R1 + R2・(R1 + R)/(R2 + R1 + R) I = E/R 3番目の式と5番目の式から Er = (E/R/n)・R = E/n 2番目の式から共通項Iを除去すると (1 - 1/n)・R2 = (1/n)・(R1 + R) ∴R2 = (R1 + R)/(n - 1) これを4番目の式に適用すると R = R1 + ((R1 + R)・(R1 + R)/(n -1))/((R1 + R)/(n - 1) + R1 + R) = R1 + ((R1 + R)・(R1 + R)/(n - 1)/((R1 + R) + (n -1)・R1 + (n - 1)・R)/(n - 1) = R1 + (R1 + R)・(R1 + R)/((R1 + R) + (n - 1)・(R1 + R)) = R1 + (R1 + R)/(1 + (n - 1)) = R1 + (R1 + R)/n ∴R1 = R・(1 - 1/n)/(1 + 1/n) = R・((n - 1)/n)/((n + 1)/n) = R・(n - 1)/(n + 1) これを最初のR2の式に適用すると R2 = (R・(n - 1)/(n + 1) + R)/(n - 1) = R・(1/(n + 1) + 1/(n - 1)) = R・((n - 1) + (n + 1))/(n + 1)・(n - 1) = R・2・n/(n・n - 1) 著者の解答と同じ結果が得られた。 |
webadm | 投稿日時: 2007-3-30 19:49 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3107 |
問題25:パイ型アッテネーター T型はわりと簡単に解けたのでパイ型も似たようなものだろうと思って取り組んだのだが、甘かった。
ここで未知数はR1とR2のみ。回路の合成抵抗が負荷抵抗のRLと等しくなり、かつ負荷抵抗に流れる電流が全体の1/nになるようなR1,R2を求めるというもの。 簡単じゃないかと誰しも思うが、やってみるとT型とはまるで違う。 2つの未知数を含む2つ以上の方程式をたてないといけない。 ひとつは合成抵抗がRLになるという式が使える。 もうひとつは負荷抵抗を流れる電流が全体の1/nが成り立つ式を考えればよい。 しかし2つの式は思いついてもそこからR1,R2を導き出すための式の操作が難しい、というか面倒。 3度やって最終的に同じ式にならないという。途中の式の整理の仕方を間違っていたり展開し忘れとか書き写し漏れとか、ひとつでもミスがあると当然正しい結果は得られない。 今まで割と緻密な性格だと信じていたが、こうもおおざっぱだったのか>自分 どっか間違っていると思って著者の解答をちらちら見比べて間違いを探す日々。 しょうもないポカミスばかり。 どっか昔似たような覚えがある。そうだ、昔小さなプログラムを書き始めて期待した結果が全然得られなくてデバッグしていた頃だ。パイを3.14じゃなくてちょっと違って書いてただけだったりとか、信じられないミスを見逃していた。自分を過信しすぎるよね誰でも最初は。 合成抵抗がRLと等しくなる条件の式はなんとか形になったけど、著者はその式からR1の関係式を導出しているけど、その形にどうやったらなるんだというところで躓いている。 著者は途中の過程を省略して導出結果だけを書いている。途中経過を知りたいのだが、たぶん意図してそうしているのだろう。 パイ型アッテネーターは基本中の基本なのであちこちで最終的なR1とR2の式が出ている。正規化した計算表を使えば任意の特性インピーダンス用に任意の減衰率をもったアッテネーターのR1,R2の定数を求めることができる。 その素となる式を導き出す試練。一度追体験する必要がある。そうでないとただの実学だけの知識で終わる、猿真似で終わる。 今度からは少し式を扱うのに慎重になろう。紙がもったいない。 |
webadm | 投稿日時: 2007-4-2 5:29 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3107 |
Re: dBとか たまたま検索していたら、昔々HPが計測器のユーザーに配布していた機関誌のスキャンイメージを発見。
計測器に詳しいHPの技術者がいろいろな計測技術や使い方の基礎をひもとくと同時に、いろいろな簡単に使えるノウハウを教えてくれていたらしい。 中でもおもしろかったのはdBと比率の換算方法。対数表を使わなくてもできるという方法。 例えば8dBは比率としていくらかというのは、予め比率が覚えやすい10dBと3dBを使って以下のように換算することができる。 8dB = 10dB + 10dB - 3dB - 3dB - 3dB - 3dB つまり20dB - 12dB = 8dBなので +10dBは10倍、-3dBは1/2と覚えやすいのでかけ算に直すと 10 x 10 x 1/2 x 1/2 x 1/2 x 1/2 = 100/16 = 6.25 10dBと3dBだけ知っていればその組み合わせでいくらでも応用がききそう。 |
webadm | 投稿日時: 2007-4-10 12:53 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3107 |
Boonton Radio CorpのThe Notebook HP Journalsについては先日紹介したが、実はHP Journalsに後に吸収されたBoonton Radio Corporationという会社もHP Journalsに感化されてユーザー向けにThe Notebookを発行していたというのを知った。
元々Qメーターやシグナルジェネレータ等基本的な測定器、もしくは測定器のための測定器製品を開発し販売していた老舗のBoonton Radio Corporationは研究開発から生産、品質管理まで現在の測定器メーカーのお手本となる形を既にもっていた。 なのでHPが買収したのはうなづける。 The Nootebookはここにアーカイブされている。 Links to Boonton Equipment Manuals, Catalogs, and "The Notebook" 真空管の時代の冊子だが今読んでもまったく古くない。奇しくも社会情勢や景気がどう変わろうと技術者に必要とされる資質は普遍であると言い切っているのには感服である。 |
webadm | 投稿日時: 2007-4-12 11:16 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3107 |
Re: 問題25:パイ型アッテネーター 一旦頓挫してからだいぶ時間がたって頭も冷えたのでやり直してみた。
まず著者の解答で示されている合成抵抗からR2,RLの関係式でR1を導き出すのはあっさりできた。途中単純な転写ミスをしてしまった。そそっかしすぎる。 RL = 1/((1/R2) + 1/(R1 + 1/((1/R2)+(1/RL)))) = 1/((1/R2) + 1/(R1 + 1/(R2・RL/(R2 + RL)))) = 1/((1/R2) + (R2 + RL)/(R1・(R2 + RL) + R2・RL)) = R2・(R1・(R2 + RL) + R2・RL)/(R1・(R2 + RL) + R2・RL + R2・(R2 + RL)) = R2・(R1・(R2 + RL) + R2・RL)/((R1 + R2)・(R2 + RL) + R2・RL) 従って分母を両辺にかけると RL・((R1 + R2)・(R2 + RL) + R2・RL) = R2・(R1・(R2 + RL) + R2・RL) これを展開すると RL・(R1 + R2)・(R2 + RL) + RL・R2・RL = R2・R1・(R2 + RL) + R2・R2・RL 更に展開すると RL・R1・R2 + RL・R1・RL + RL・R2・R2 + RL・R2・RL + RL・R2・RL = R2・R1・R2 + R2・R1・RL + R2・R2・RL 左辺と右辺とで同一項を相殺すると RL・R1・RL + RL・R2・RL + RL・R2・RL = R2・R1・R2 R1を含む項のみを右辺へ移動 2・RL・R2・RL = R2・R1・R2 - RL・R1・RL = R1・(R2・R2 - RL・RL) ∴R1 = 2・R2・RL・RL/(R2・R2 - RL・RL) あとは電流配分からR1とR2,RLの関係式を求めればよい。 これは後日 |
webadm | 投稿日時: 2007-4-12 21:44 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3107 |
Re: 問題25:パイ型アッテネーター 続きを解いてみたら出来た。分流法で全体を流れる電流と負荷抵抗に流れる電流の比がn:1ということを利用する。分流法で考えやすくするために回路を以下の様にとらえる。
ここで枝電流i1は分流の定理によって i1 = I・R2/(R1 + R2・RL/(R2 + RL) + R2) また枝電流i2は分流の定理と全体を流れる電流Iの1/nであることから i2 = I/n = i1・R2/(R2 + RL) = (I・R2/(R1 + R2・RL/(R2 + RL) + R2))・R2/(R2 + RL) = (I・R2・(R2 + RL)/(R1・(R2 + RL) + R2・RL + R2・(R2 + RL)))・R2/(R2 + RL) = I・R2・R2/((R1 + R2)・(R2 + RL) + R2・RL) 両辺をIで割って分母をそれぞれかけると (R1 + R2)・(R2 + RL) + R2・RL = n・R2・R2 左辺を展開すると R1・R2 + R1・RL + R2・R2 + R2・RL + R2・RL = n・R2・R2 R1項以外を右辺へ移動すると R1・(R2 + RL) = n・R2・R2 - R2・R2 - 2・R2・RL ∴R1 = ((n - 1)・R2・R2 - 2・R2・RL)/(R2 + RL) 以前に合成抵抗の式から求めたR1とR2,RLの関係式から R1 = 2・R2・RL・RL/(R2・R2 - RL・RL) = ((n - 1)・R2・R2 - 2・R2・RL)/(R2 + RL) が成り立つ 分母をそれぞれかけると 2・R2・RL・RL・(R2 + RL) = ((n - 1)・R2・R2 - 2・R2・RL)・(R2・R2 - RL・RL) 更に両辺を展開すると 2・R2・RL・RL・R2 + 2・R2・RL・RL・RL = (n - 1)・R2・R2・R2・R2 - 2・R2・RL・R2・R2 - (n - 1)・R2・R2・RL・RL + 2・R2・RL・RL・RL 共通項を相殺すると R2・RL・RL・R2 = (n - 1)・R2・R2・R2・R2 - 2・R2・RL・R2・R2 - n・R2・R2・RL・RL 両辺をR2・R2で割ると RL・RL = (n - 1)・R2・R2 - 2・R2・RL - n・RL・RL 右辺を展開すると RL・RL = n・R2・R2 - R2・R2 - 2・R2・RL - n・RL・RL n項以外を左辺に移動すると R2・R2 + 2・R2・RL + RL・RL = n・(R2・R2 - RL・RL) 両辺を因数分解すると (R2 + RL)・(R2 + RL) = n・(R2 + RL)・(R2 - RL) (R2 + RL)で両辺を割ると (R2 + RL) = n・(R2 - RL) R2項を分離すると RL + n・RL = n・R2 - R2 両辺を整理すると RL・(n + 1) = R2・(n - 1) ∴R2 = RL・(n + 1)/(n - 1) これで最初のR1とR2, RLの関係式を書き換えると R1 = 2・R2・RL・RL/(R2・R2 - RL・RL) = 2・((RL・(n + 1)/(n - 1))・RL・RL)/((RL・(n + 1)/(n - 1))・(RL・(n + 1)/(n - 1)) - RL・RL) = 2・(((n + 1)/(n - 1))・RL・RL・RL)/RL・RL・((n + 1)・(n + 1)/(n - 1)・(n - 1) - 1) = 2・(((n + 1)/(n - 1))・RL)・(n - 1)・(n - 1)/((n + 1)・(n + 1) - (n - 1)・(n - 1)) = 2・(n + 1)・(n - 1)・RL/(n・n + 2・n + 1 - n・n + 2・n - 1) = 2・(n・n - 1)・RL/4・n = (n・n - 1)・RL/2・n できた。 実は因数分解のところでずっと躓いていて、こっそり数学公式集を見てやっと解決の糸口がつかめたというのが真相。 しかしたった抵抗4つの回路なのに4次式まで展開されてもうだめかと思った。 |
webadm | 投稿日時: 2007-5-4 13:34 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3107 |
問題26:検流計の内部抵抗を求める だいぶ間が開いてしまったがのんびりやろう。
学生の時に機械設計を教わった時にたたき込まれたことは設計の実務ではいかに短期間で間違いのない設計を行うかということだった。またなるべく図面等の資源使用量は最小限にとどめることも教えられた。まったく最初はなんのことかわからなかったが社会人になってそれが重要であることを知った。 研究や理論の学習には個人差がありどれだけ時間がかかっても知識や理解が得られればそれで結果オーライなのだが、こと実務の設計業務となると話は違ってくる。設計技術者は普通の従業員よりも多少なりとも会社としては時間単価が高い(高い給与を支払っている)のでのんべんだらりと仕事をされると結果設計コストに跳ね返ってくる。高くついた設計コストはどこかで回収しなければならないが最終的には売り上げ金の中から得られる利益で帳消しする。なので設計作業が非効率だと利益が目減りするという観点でとらえられる。また図面に必要以上の大きさの用紙を使うとそれだけ費用がかさむ(最終的には設計審査や製造工程でそのコピーが大量に作成される)ことを忘れてはならない。なので実習では大抵一番小さな用紙のA4ですべて図面が入るように徹底的な省略図法を教え込まれた。例えば円は4分の1(90度)だけ描けば十分であるとか。それによって図面作成にかかる時間も4分の1になる。 それらは皆機械設計法を教える教授が現役時代に培った知恵であった。これから社会に出て技術者となるときには必ず役立つという信念からだろう。 なので実務では設計にかかる所要時間を有限かつ最短にするためありとあらゆる手段をとることになる。そうしないと設計がいつ終わるか皆目わからないことになる。もしそれが出来ないなら設計を引き受けるべきではないということを意味する。また難しい時間のかかる計算等も短時間に簡単に同じ結果が得られるような方法を用意することも知恵である。計算図や計算表、計算プログラムなど。繰り返し発生する作業にその都度設計者が労力を費やすのは費用対効果からすると少なければ少ない程よい。 反面そうした効率を重視すると製品設計の現場では研究開発的な要素へのチャレンジというのは出来なくなることは確かである。研究開発を伴うような設計は一旦研究所に委託して或程度再現性のある原理や実現方法が確立した時点で製品設計に持ち込むということになる。こうした面で日本の技術開発は製品設計を効率化するために自ら研究開発と距離を置いてしまったことは否めない。 一方米国では軍事や産業の両面で研究開発が奨励されその結果を第三者にライセンスすることで収益を得るという独自の研究開発ビジネススタイルが生まれていた。典型的だったのは米GE社はかつて電力用の変圧器の設計をコンピュータープログラム化し世界の電機メーカーに売り込みをかけた。それまでは各電機メーカーは独自の設計手法とノウハウで変圧器を設計してきたが、電力の需要は天井知らずでどんどんと電力資源の開発や給電設備の新設や拡張が相次ぎ設計の現場はてんてこ舞いになっていった。競争が激しいので設計者を増やして設計コストを増やすわけにはいかない、そこに飛び込んだのがコンピュータプログラムによる設計計算であった。当時は汎用コンピューターしか無い時代でコンピューターの利用も衛星回線を使ってレンタルしていた。その利用料は高くても短時間で設計出力が得られるので十分元がとれた。 GEはその後そうしたビジネススタイルに味をしめてどんどんとそうした商品を企業買収等によって手に入れ規模を拡大していった。一時は世界の企業が羨む程の急成長だった。 高性能のコンピューターが個人レベルで普及した今日でも設計のやっかいな計算をコンピューターで行うという技術は米国とかが一歩進んでいるのは早い時期からそうしたビジネスに着眼していたこともあるかもしれない。どんなコンピュータープログラムも人の手と頭で作られるので最後は人なのだけれども、優秀な技術者をどのような仕事に注力させるかについては米国と日本とで決定的に違っていたような気もしないわけではない。 実務ではアウトプットをなるべく早い段階で出すというプレッシャーがかかる。まだすべてがはっきりしないのに図面やプログラムを書き始めることでごまかしてもわかっていなければ最後まで完成しない。むしろ後でやり直さなければならない作業に早くから時間を費やすこと自体が既に無駄であるという疑念をもちながらもそうせざるを得なかったりする。 実は紙に書くとか何かを入力するという作業はあまり繰り返したくないのが普通である。むしろ紙には一切かかないで頭の中の黒板に書いたり消したり修正するのは一瞬で手数をかけずにできるのでそれで糸口がつかめたところでリアルのアウトプットを出したほうが効率がよかったりする。 この演習でも最初は答えを急ぐあまり沢山のメモ用紙を無駄にしてきた。特に数式を変形していくときに書き漏れとか書き間違いというのが多くそれで何度もやり直しが発生した。 最近になって複雑な式を整理する頻度が多くなるとどんどん複雑怪奇になる式がどこで単純な形に収束してくれるのか心配になってくる。特に書き写し間違いとかがあるとそれだけで台無しである。 そこで一旦は紙に書き出すのを止めて、頭の中の黒板に式のイメージを描いてそれを操作してどんな風に姿を変えていくかを頭の中で追っていくようにしてみたところ、紙の上では何度も途中で挫折していた式がある時点で共通項が現れるのに気づいて一気に式が簡単になることを発見。すぐさまそこまで紙の上で確認したところ予想通りシンプルな結果が得られた。 こうしたことは最終的に簡潔な結論が得られるとわかっているか予想される場合には非常に効果が大きい。 単純な結果が得られるかどうか予想もつかない場合は、研究開発の余地がある問題ということになる。 演習問題はどれも結論があって、それに至る道筋を自分でたどるということなので設計の問題と似ている。 まずは問題の意味を正確に理解し頭に入れるということが先決である。そうしない限り何も始まらない。 問題26は検流計の未知の内部抵抗を求めるというもの。 この場合、未知なのは内部抵抗だけではなく検流計の仕様そのものが未知であるという点。すなわちどれだけの電流でどれだけ針が振れるかも謎である。 そうした未知の仕様の検流計の内部抵抗を求める方法としては検流計に同じ電流が流れる異なる以下の2つの回路を用意し、それぞれの検流計に流れる電流量が等しいということで方程式をたてて未知の内部抵抗値を求めるという方法をとる。これが問題の趣旨である。 最初の回路はR1と検流計(Rg)が直列につながっている時に一定の電流(Ig)が検流計に流れている状態。この関係を式で表すと。 Ig = E/(R1 + Rg) 後の回路は先の回路のR1をR2に変え検流計(Rg)と並列に抵抗(R)を加え、同様に検流計には同じ電流(Ig)が流れている状態。この関係を式で表すと。分流の法則から、 Ig = (R/(R + Rg)・(E/(R2 + 1/(1/R + 1/Rg))) = (R/(R + Rg)・(E/(R2 + R・Rg/(R + Rg))) = (R/(R + Rg)・(E・(R + Rg)/(R2・(R + Rg) + R・Rg)) = R・E/(R2・(R + Rg) + R・Rg) 最初の回路の式と2番目の回路の式から E/(R1 + Rg) = R・E/(R2・(R + Rg) + R・Rg) 両辺をEで割って互いの分母をかけると R2・(R + Rg) + R・Rg = R・(R1 + Rg) 両辺を展開すると R2・R + R2・Rg + R・Rg = R・R1 + R・Rg 整理すると R2・Rg = R・R1 - R2・R ∴Rg = R・(R1 - R2)/R2 となり著者の解と同じ結果が得られた。 |
webadm | 投稿日時: 2007-5-4 15:28 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3107 |
問題27:抵抗計 問題27はアナログテスターでなじみ深い抵抗計が題材。
今時のテスターは皆デジタル式で抵抗値が数値で出てくるがどうやって測定しているかについて知ろうとしても原理を知るには難しすぎる作りになってしまっている。 アナログテスターの場合には扱った人は誰も知っているように抵抗測定にはまずテスター棒をショートして針が100%振れている状態を0Ωとして調整するためのつまみが付いている。それから実際の測定する抵抗をテスター棒の間に入れて抵抗値が大きい程針の振れが少なくなるような目盛りが振ってあるのを読むという仕組みである。 問題27はそれと似た感じではあるが、以下の回路のように既知の抵抗を挿入した時に分流抵抗をR1とした時の検流計の読みをx1とし、未知の抵抗を挿入した際に分流抵抗をR2とした時の検流計の読みをx2とした場合の未知の抵抗値を求めるというもの。 アナログテスターの場合には一度既知の抵抗値(0Ω)でメーターパネルの目盛り上の既知の抵抗値(0Ω)まで針が振れるように分流抵抗を調整してそのままの状態で未知の抵抗を挿入して振れた針の位置の目盛りから抵抗値を読み取るということになるのでR1とR2は同じになるのだが、問題では異なる設定条件となっている。それでもR1とR2は既知の値であるという前提なので求めることができる。 未知数はRxと2つの回路の検流計に流れる電流I1及びI2である。そのため少なくとも3つの方程式を立てるひつようがある。2つはI1とI2の与えられた回路定数との関係式。もうひとつは検流計の指針の振れx1,x2と検流計に流れる電流I1,I2が比例関係にあるという原理を利用する。 I1,I2はそれぞれ分流の法則により、 I1 = (R1/(R1 + Rg))・(E/(R0 + 1/(1/R1 + 1/Rg)) = (R1/(R1 + Rg))・(E/(R0 + R1・Rg/(R1 + Rg))) = (R1/(R1 + Rg))・(E・(R1 + Rg)/(R0・(R1 + Rg) + R1・Rg)) = R1・E/(R0・(R1 + Rg) + R1・Rg) I2 = (R2/(R2 + Rg))・(E/(Rx + 1/(1/R2 + 1/Rg)) = (R2/(R2 + Rg))・(E/(Rx + R2・Rg/(R2 + Rg))) = (R2/(R2 + Rg))・(E・(R2 + Rg)/(Rx・(R2 + Rg) + R2・Rg)) = R2・E/(Rx・(R2 + Rg) + R2・Rg) 検流計の振れx1,x2の比は検流計の電流I1,I2の比と等しいことから x1/x2 = I1/I2 I1,I2を先の2つの式で置き換えると x1/x2 = (R1・E/(R0・(R1 + Rg) + R1・Rg))/(R2・E/(Rx・(R2 + Rg) + R2・Rg)) 分母をそれぞれかけると x1・(R2・E/(Rx・(R2 + Rg) + R2・Rg) = x2・(R1・E/(R0・(R1 + Rg) + R1・Rg)) 両辺を展開すると x1・R2・E/(Rx・R2 + Rx・Rg + R2・Rg) = x2・R1・E/(R0・R1 + R0・Rg + R1・Rg) 両辺の分母を互いにかけると x1・R2・E・(R0・R1 + R0・Rg + R1・Rg) = x2・R1・E・(Rx・R2 + Rx・Rg + R2・Rg) Rxを含む項を展開分離すると x1・R2・E・(R0・R1 + R0・Rg + R1・Rg) - x2・R1・E・R2・Rg = x2・R1・E・(Rx・R2 + Rx・Rg) = x2・R1・E・Rx・(R2 + Rg) ∴Rx = (x1・R2・E・(R0・R1 + R0・Rg + R1・Rg) - x2・R1・E・R2・Rg)/x2・R1・E・(R2 + Rg) = (x1/x2)・(R2/R1)・(R0・R1 + R0・Rg + R1・Rg)/(R2 + Rg) - R2・Rg/(R2 + Rg) = (R2/(R2 + Rg))・((x1/x2)・(R0 + (R0/R1)・Rg + Rg) - Rg) となり著者の解と同じ結果が得られる |
Anonymous | 投稿日時: 2007-5-26 2:32 |
Re: 問題26:検流計の内部抵抗を求める
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