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webadm | 投稿日時: 2008-4-2 0:53 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3093 |
他のオペアンプの怪しい 抵抗測定用のカレントソース回路図に記載されている要所の電圧をチェックしたら大きく違っている。
オペアンプの出力が電源側に張り付いている。どうりでカレントソースのセルフテストの表示値が違っているわけだ。 非反転入力には-12Vの基準電圧から分圧した電圧が入っているはずが、ここが既に出力と同じ電圧になっている。おかしい。 このオペアンプもダメか。 どうも故障しているオペアンプがかなり多い。 過大な電圧で動作させた時のような壊れ方だ。 電源選択スイッチを100Vのままで220V電源に挿してしまったとかそういう感じかもしれない。 RAMもその時に壊れてしまったのだろう。 他にも壊れていそうなオペアンプとかありそうだ。 |
webadm | 投稿日時: 2008-4-2 3:28 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3093 |
CD4555 探してみるとこれは一般的なCMOS Dual 1of4 Decoder MC14555の高耐圧版らしい。Intersilから出ていたがほとんど今では手に入らない。
しかし電源電圧は+5Vで使用しているし、特別高耐圧仕様のものを必要としているわけではないので今でも入手可能なMC14555で代用可能と判断。 MC14555も注文しないと。 とりあえずこれは確定。 |
webadm | 投稿日時: 2008-4-2 5:51 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3093 |
Re: GATE BIAS AMP#2の挙動不審 同じ様なGATE BIAS AMP#1というのが入力スイッチ回路にあって、その挙動を見てみるとようやく回路の目的が理解できた。
信号のスイッチにJFETを使用しているがJFETのON/OFFはゲート・ソース間電圧によって決まる。しかしながらソースには信号電圧が印可されているのでゲートの電圧はソースからの相対電圧で与えないといけない。 従ってGATE BIAS AMPは制御するFETのソース電位に追従してゲートバイアス電圧を上下させてON/OFF状態が一定に保たれるようにしているというわけである。 ということはソース電圧が0Vの時にゲートバイアスが+1.7Vになる現状のGATE BIAS AMP#2はどう考えてもおかしい。dual jfetの入力側がオープンになって常にソース電圧が+17Vになっているためにバイアスが-16V低い+1.7Vになるというのなら説明がつく。 |
webadm | 投稿日時: 2008-4-2 20:12 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3093 |
2N5564を入手 若松通商から2N5564が届いた。高かったけど希少だから仕方がない。
早速ゲート電圧が0の場合のドレイン・ソース間抵抗値をテスターで測定してみたところ数十Ωだった。 やはり数十kΩもあるのは壊れているとしか言いようがない。 早速交換だ。 疑惑のトランジスタを基板からニッパで足を切って取り外して問題の片側のドレイン・ソース間抵抗値を測ってみたら測定不能(OL)だった。完璧にオープン状態。やっぱり。 |
webadm | 投稿日時: 2008-4-2 21:15 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3093 |
コンパレータが故障 前段のdual jfetを交換したらGATE BIAS AMP#2はx1の出力が出るようになった。通常の入力範囲であれば出力との差異は5mV未満なので合格である。
DCV測定で単三電池2個直列につないだ電池ボックスを測定すると本来2.6Vのはずが0.85Vとか8.6Vとか表示される。実際に入力アンプには2.6Vが入力されているがその出力が8.5Vになっている。 この原因はフィードバック抵抗ネットワークのタップを選択するJFETスイッチが本来はいずれか一つのみONとなるべきところが同時期に複数ONになっているためである。 すなわちx1,x2,x10,x100のうち複数のフィードバックが同時ONになっているので当然のことながら負帰還が意図したよりも余分にかかってしまうので増幅率が意図したものよりも下がるためである。 入力バッファには2.6Vが入っているがA/Dコンバーターへの出力が8.6Vと増幅率が中途半端。 JFETのゲート電圧を制御するコンパレーターの出力ピンの電圧を測定すると同時期に複数個が+の電圧になってしまっている。コンパレーターの出力はオープンドレインなのでON時には接続された負電源電圧である-18Vが出力されなければならない。コンパレータへの入力はひとつだけスイッチがONになるように正しく与えられているのでコンパレータの故障に間違いない。 やはりコンパレーターを交換せねばならない。同じコンパレーターが複数使用されているので、あちこち同様に壊れている可能性がある。 今度はLM339を複数個注文せねば。 |
webadm | 投稿日時: 2008-4-3 20:45 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3093 |
Re: CD4555 注文する前に検索したら、さすがにIntersilはもうないけどTIが現行品でまだ製造していることを確認。
同じ仕様のものがMC14555としてモトローラーが出していたのが現在はCONTROLAというところに移管されてそれが手に入るので注文。 このタイプのCMOS 2to4 Decoderはさすがに他に無いので今も需用があるらしい。CMOSの4000/14000シリーズで生き残っている数少ないなかのひとつ。 |
webadm | 投稿日時: 2008-4-3 21:40 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3093 |
HP3456A restore summary 予想よりも長丁場になっているHP3456Aレストア状況を整理
症状: ・self testが常に ・個別self testで ・ACV及びACV+DCV測定で商用100V測定時に他のデジタルマルチメータよりも2%程大きめの値が表示される(アナログフィルタOFF時の仕様)。 ・ACV及びACV+DCV測定時に低周波になるにつれAC CONVERTERのDC出力にリップル(交流)が現れる。アナログFilterスイッチをONにするとリップルは消失する(仕様)。 故障原因: ・フロントパネルキースイッチの板バネがほぼすべて脱落していた ・A10 INGUARD POWER SUPPLY C5 15V 4000uFがほぼ完全にドライアップして1.4uFに低下 ・A4 OUTGUARD MAIN CONTROLLER U10,U11 SRAM MK4118が故障 ・A20 REFERENCEの-12Vb出力用オペアンプU504出力が電源側にラッチアップもしくはオフセット大 ・A20 INPUT AMPLIFIER内GATE BIAS AMP#2のQ305 Dual JFETの片側のドレイン・ソースが常にオープン ・A20 INPUT AMPLIFIER内RANGE AND FUNCTION CONTROL LOGICのU701 Dual 1-4 DecoderのQB2(ピン10)出力が常時Lowのまま ・A20 INPUT AMPLIFIERのU304 Quad Comparaterの全出力が入力条件にかかわらず常にオープン ・A20 OHM'S CURRENT SOURCEのU202 Quad Comparaterの出力が常にオープン ・A20 REFERENCEの+12V出力要オペアンプU505の出力電圧オフセットが20mVと大きい ・A20 REFERENCEのオペアンプU501の出力電圧が不足、異常加熱 ・A20 OHM'S CURRENT SOURCEのオペアンプU204の出力が負電源側にラッチアップ ・A20 AC CONVERTER Q7が内部でG,D,Sがショート ・A20 OHM'S CURRENT SOURCEのコンパレータU202cの出力が常にハイインピーダンス ・A20 OHM'S CURRENT SOURCEのFET Q201のゲート・ソース間がショート ・A20 OHM'S CURRENT SOURCEのU203のボルテージフォロワー出力のオフセットが異常に大きくソース電圧よりゲートバイアス電圧が常に2V以上低くONすべきFETがONしない ・A20 OHM'S CURRENT SOURCEのQ202,Q203,Q204,Q205,Q206のVgs=0V時のON抵抗が高い ・A20 INPUT SWITCHINGのRATIO,4Wire関連の一部のFETでON抵抗が高いものが見受けられる 修理経過: ・脱落していたフロントパネルキースイッチの板バネをスイッチに戻し弾力を回復 ・A10 INGUARD POWER SUPPLY C5 を交換し+5V出力が正常範囲内に ・A4 OUTGUARD MAIN CONTROLLER ROM U5,U7,U8を除去し27C256で換装も電源投入後の症状に変化なし ・A4 OUTGUARD MAIN CONTROLLER RAM U10,U11を交換し電源投入後の症状が解消し電源投入後の表示は正常に ・A20 REFERENCEの-12Vb出力に一時的に大容量の電解コンデンサをGNDとの間に接続するとラッチアップが解消し出力電圧が正常範囲となり-12Vaや+12V出力、A10 INGUARD POWER SUPPLY -18V出力に見られたリップルも消失 ・A20 INPUT AMPLIFIERのQ305を交換しGATE BIAS AMP#2の入力と出力の差異が正常範囲内に ・A20 INPUT AMPLIFIER内RANGE AND FUNCTION CONTROL LOGICのU701 Dual 1-4 Decoderを交換しHA2出力が正常に ・A20 INPUT AMPLIFIERのU304 Quad Comparaterを交換しJFETゲート電圧制御が正常に ・A20 REFERENCEのU504(LM307N)をLM301ANと補償コンデンサ外付けで換装し入力オフセットが1mV未満になり入力アンプのオフセットも正常範囲内に収まるようになったが同時期にU501がオフセット過大となり異常発熱 ・A20 REFERENCEのU505(LM307N)をLM301ANと補償コンデンサ外付けで換装するも出力オフセットは変わらず、入力バイアス電圧要調整 ・A20 REFERENCEのU501(OP07CJ)を交換しリファレンス電圧が正常に ・A30 AC CONVERTERのFET(J304)をすべて交換し10Vレンジ以外でのACV測定が正常に ・A20 OHM'S CURRENT SOURCEのU204(LM308AH)を交換し-5.5V,-9.25Vのリファレンス電圧が正常に ・A20 OHM'S CURRENT SOURCEのU202(LM339N)を交換しU202cの出力が正常に ・A20 OHM'S CURRENT SOURCEのQ201,Q202,Q203,Q204,Q205,Q206を交換 ・A20 OHM'S CURRENT SOURCEのU203を交換 DCV,2WireΩ,ACV,ACV+DCV,セルフテスト,RATIO,4WrireΩについて動作を確認。ACV,ACV+DCVは要調整だがDCV,抵抗測定については状態が良く他のデジタルマルチメータとほぼ同じ値を示すため調整の必要無しと判断。 考察: ・初期に実施したROM換装は効果が無かったばかりでなくその後SRAMの故障が判明したことから、故障の有無を確認せずに技術的な興味優先でROM換装を決定したのは明らかに軽率だった ・幸いにしてROM換装方法そのものは技術的に妥当なもので悪影響は無かったが代償としてROM以外のSAが出来なくなった ・予想したよりも故障している半導体素子の数が広範囲で多いことから、経年変化による部品寿命というよりも過去に何らかの事故によって内部に過大な電源電圧が加わり複数のデバイスが同時期に損傷を受けたのではないかと推測される ・+12VリファレンスバッファアンプU505はあえて交換する必要はなかった、必要なのは入力オフセット電圧調整だった ・当初はデジタル部の故障のみと予想していたが実際にはアナログ部の故障が隠れていた。デジタル部はSRAMのみで、アナログ部はまだすべての故障が把握できていない程多数の素子がダメージを受けていた。 ・結果的にアナログ部の故障診断を手探りで行うことでアナログ回路の知識を獲得する良い機会が得られた。 ・予想以上に沢山の異なる種類のオペアンプやコンパレータが要所に採用されていた。オペアンプとコンパレータは原理的には同じだという理解では不十分で、時代と技術の発展の歴史背景によって様々な種類が存在しそれぞれ異なる性格や長所短所をもった多様な素子であることを知ることができた。 ・アナログ回路の故障診断のスキルを独自に習得できた ・FETがオープンモードだけでなくショートモードで故障するケースも考慮して故障解析する必要がある ・HP3456Aはその前身であるHP3455Aの指数表示を7seg ledにした感じのもの。基本はどちらもDCV測定で、抵抗測定は専用のカレントソースから定電流を被測定対象に流し発生する電圧降下を測定し抵抗値を演算する。ACVはAC CONVETERによってRMS値に対応する直流電圧に変換し表示する。ACVの調整は熟練と時間を要する作業である。 ・AC CONVETERの故障診断は回路が交流信号を扱うため簡単ではない。オシロスコープでの波形レベルでの電圧測定が不可欠。 ・サービスマニュアルも完璧ではない。動作原理を良く理解してから記載内容が妥当かどうか判断する必要がある。 ・故障部位がある間は絶対に調整をいじらないこと。大抵は故障部品の交換のみで調整はいじらなくても良いケースが多い。交換部品のばらつきによっては再調整が必要となるが大きな違いがあるわけではない。 |
webadm | 投稿日時: 2008-4-4 23:03 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3093 |
謎なJFET回路 HP3456Aの回路図や基板を眺めているとJFETのソースとドレインをショートして使っているケースが目につく
なんだろうと調べてみたら、ダイオード代わりにしていることが判明。 JFETはMOS FETと違ってゲートがソースとドレインにPN接合している。つまりダイオードなのである。 普通ならスイッチングダイオードを使えばいいのにと思うが、JFETを代わりに使うとスイッチングダイオードと比べてOFF状態での漏れ電流が桁違いに少ないという利点がある。 上の回路はHP3456Aの測定入力端子のRatio Ref/4wire HI/LOのところである。外部から直に電圧が加わるところなので過大な電圧を誤印可した場合の保護回路となっている。同じような保護回路が電圧測定端子の1:1入力回路や被測定電圧が通る随所に存在する。 漏れ電流が多いと測定端子の内部抵抗値が下がってしまい被測定回路に影響を与えてしまう。通常デジタルマルチメーターのDCV測定モードでの内部抵抗は10MΩを超える。本格的なDMMでは低電圧レンジでは10GΩを超えるので通常のDMMではオーバーレンジで測定不能である。それだけ保護回路の漏れ電流が少ない。 |
webadm | 投稿日時: 2008-4-5 0:17 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3093 |
INGUARD LOGICの故障診断手順が無い サービスマニュアルの通りに故障を調べていくと、最初にLOGIC回路を調べて問題が無いならアナログ回路をということになる。
LOGIC回路の診断にはHP5004Aシグネチャアナライザが必要なので今回は自作する予定だが回路図を作成するところで止まっている。 仕方がないのでアナログ回路の方を調べていったわけだが、そこでINGUARD LOGICのU701 Dual 1-4 Decoderやコンパレーターに故障が見つかった。 本来はシグネチャアナライザで見つける方法があるはずと、サービスマニュアルをくまなくチェックしたが、U701やそれに接続するコンパレーターに関してはサービスマニュアルはノーマークだということが判明した。 すなわち故障することを想定していないということである。 なのでサービスマニュアルに書いてある通りにやると壊れていない可能性のJFETやオペアンプを根こそぎ交換させられることになる。 たぶんこの個体は、そうやって交換したものの直らなかったので修理不能となってお払い箱になった可能性が高い。 今回故障していたU701やDIPタイプのQuadコンパレーターに関しては交換せよという記述が一切見あたらない。盲点である。 HP3456Aの修理はかなり知識と経験が無いと難しかったに違いない。どっか部品一個交換するだけでも10万円とか請求されるのは不思議ではない気がする。部品代よりも工賃が大変なことになる。 |
webadm | 投稿日時: 2008-4-5 21:36 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3093 |
U701,U304を交換 今朝注文していたMC14555BとLM3339が届いたので早速故障が判明しているU701とU304の交換作業を開始。
U701はHPのパーツ番号とメーカーのRCAのマーキングしかないが、メーカー型式はCD4555、TIから現行品が今も供給されているが今回は互換品のモトローラー製MC14555で代替。 U304はHPのパーツ番号とメーカーのTIのマーキングのみだが、メーカー型式はLM339。今回はナショセミ製のLM339Nで代替。 だいぶIC除去作業に慣れてきた、こつはICの足を精密ニッパで切断するときになるだけ基板面に近いところでICのリード線を切断すること。こうしないとリードの幅広い部分が残ってしまい半田吸い取り器で足までいっぺんに吸い取ろうとすると邪魔になってしまう。 以前は基板に残ったICの足を半田ごてとかで半田を溶かしてピンセットでつまんでとかいう時間のかかる効率の悪い方法でやっていたが、半田シュッ太郎で残ったICの足も一緒にスルーホールの半田を吸い出すことによって極めて短時間に除去が出来るようになった。半田シュッ太郎で基板を加熱する時間が一カ所2〜3秒で済むのでパターンを壊したりする心配が少なくなる。 それと予め半田ごてや半田吸い取り器をあてる前にプリント基板用フラックスを塗っておくと半田が溶けた頃合いに煙りが出てくるのでそれを合図に半田を吸い取るとかタイミングがつかめる。加熱しすぎによる半田の酸化やパターンの損傷を未然に防ぐこともできる。使っているフラックスは無洗浄タイプなので錆び防止にもなる。 除去したところに今度は丸ピンICソケットを装着。また壊れた時に面倒なので。 最後にピンそろっ太でMC14555BとLM339の足を揃えて差し込んで換装完了。 早速基板を元に戻しておもむろに電源を入れてみた。 結果は良好。 ・ACV,抵抗測定モードでOL表示が消えた ・DCV測定モードで表示される電圧値がまともになった ・.1 DCV測定時でも入力アンプは発振しなくなった ・負電圧測定時の挙動不審がなくなった ・Auto rangeやマニュアルレンジで正しいスケールで値が表示されるようになった U304を交換したことによって入力アンプの増幅率が意図した通りに制御されるようになったのが大きい。 U701の交換でDCV以外の測定モードで使用されるx2の増幅率選択が正しく行われるようになり今までOLになっていたのが解消。 以前としてセルフテストは#4がFailするのは入力アンプのオフセット電圧が規定範囲を外れているため。これは校正手順があるので修理が全部終わってから再調整すればよい。 今までオーバーロード表示ばかりでまともに動作していなかったACVや抵抗測定モードが使えるようになったのが嬉しい。 そちらのチェックをやってみよう。 |
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