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webadm | 投稿日時: 2008-1-3 6:21 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3089 |
問題45:RL直列回路に直流と交流を同時に加えた際の電流 次ぎの問題は一見簡単すぎるように見えるがひねってある
定数が与えられているRL直列回路に直流と交流の電源が同時に接続されている場合に流れる電流の実効値を求めよという問題。 直流電流が重なっているので回路に流れる電流は正弦波交流ではなくなる。従ってベクトル記号法が使えない。 実効値の概念の基本に立ち返って見ると瞬時値の自乗平均であることから瞬時値電流を i=I1+|I2|√2*sin(ωt) とした場合その二乗平均は |I|=sqrt(1/T)*∫i^2dt) sqrt((1/T)*∫(I1+|I2|√2*sin(ωt))^2dt) =sqrt((1/T)*∫(I1^2+2*I1*|I2|*√2*sin(ωt)+|I2|^2*2*sin(ωt)^2)dt) =sqrt((1/T)*(∫(I1^2)dt+2*I1*|I2|*√2*∫sin(ωt)dt+|I2|^2*∫(1-cos(2ωt))dt)) =sqrt(I1^2+|I2|^2) 従って直流電流と交流電流の実効値をそれぞれ独立に計算しそれぞれを自乗して加えて平方根をとればそれが実効値となる。 直流ではインダクタンスは無いと同じなので I1=100/R 交流では I2=200/(R+jωL) =200*(R-jωL)/(R^2+(ωL)^2) =200*R/(R^2+(ωL)^2)-j200ωL/(R^2+(ωL)^2) 交流電流のみの実効値は |I2|=sqrt((200*R/(R^2+(ωL)^2))^2+(200ωL/(R^2+(ωL)^2))^2) =sqrt((200*R)^2+(200ωL)^2)/(R^2+(ωL)^2) =200*sqrt(R^2+(ωL)^2)/(R^2+(ωL)^2) =200/sqrt(R^2+(ωL)^2) 従って全体を流れる電流の実効値は |I|=sqrt(I1^2+|I2|^2) =sqrt((100/R)^2+(200/sqrt(R^2+(ωL)^2))^2) =sqrt((100/20)^2+(200/sqrt(20^2+(2π60*30*10^-3)^2))^2) =sqrt(5^2+200^2/(20^2+(3.6π)^2)) =10 [A] ということになる。 著者の解とでは有効数字の取り方が違うので端数が異なっている。 |
webadm | 投稿日時: 2008-1-3 7:10 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3089 |
問題46:共振状態のLC直列回路の不思議 次ぎの問題は不思議な問題。共振状態にあるLC直列回路のCに並列に負荷をつないだ場合に負荷に流れる電流は負荷の値に無関係に決まることを証明よせというもの。
回路全体に流れる電流をI0、負荷に流れる電流をIとすると E=I0*jωL+I*(R+jX) (I0-I)/jωC=I*(R+jX) この2式からI0,I1を解くと (%i23) e1:E=I0*%i*o*L+I*(R+%i*X); (%o23) E=I*(%i*X+R)+%i*o*I0*L (%i24) e2: (I0-I)/(%i*o*C)=I*(R+%i*X); (%o24) -(%i*(I0-I))/(o*C)=I*(%i*X+R) (%i25) solve([e1,e2],[I0,I]); (%o25) [[I0=-(%i*o*C*E*X+o*C*E*R-%i*E)/((o^2*C*L-1)*X+(%i-%i*o^2*C*L)*R-o*L),I=(%i*E)/((o^2*C*L-1)*X+(%i-%i*o^2*C*L)*R-o*L)]] (%i26) rectform(%); (%o26) [[I0=-(%i*((o*C*E*X-E)*((o^2*C*L-1)*X-o*L)-o*C*E*(1-o^2*C*L)*R^2))/(((o^2*C*L-1)*X-o*L)^2+(1-o^2*C*L)^2*R^2)- (o*C*E*R*((o^2*C*L-1)*X-o*L)+(1-o^2*C*L)*R*(o*C*E*X-E))/(((o^2*C*L-1)*X-o*L)^2+(1-o^2*C*L)^2*R^2),I=(%i*E*((o^2*C*L-1)*X-o*L))/(((o^2*C*L-1)*X-o*L)^2+(1-o^2*C*L)^2*R^2)+ (E*(1-o^2*C*L)*R)/(((o^2*C*L-1)*X-o*L)^2+(1-o^2*C*L)^2*R^2)]] 整理すると I=E*(1-ω^2*C*L)*R/(((ω^2*C*L-1)*X-ωL)^2+(1-ω^2*C*L)^2*R^2)+jE*((ω^2*C*L-1)*X-ωL)/(((ω^2*C*L-1)*X-ωL)^2+(1-ω^2*C*L)^2*R^2) ここで ωL=1/ωC であることから ω^2C*L-1=0 であるので I=-jE*ωL/(ωL)^2 =-jE/ωL =E/jωL となり負荷によらず決まることが証明された。 LC直列共振回路はよくアマチュア無線のリニアアンプの終段のタンク回路に使われていたりする。なるほどどんな負荷をつないでも電流は一定になるのは都合が良い。LとCを交換しても同様である。 ということは容量性負荷でも誘導性負荷でも関係なく負荷に流れる電流は一定ということになる。不思議だ。負荷にコンデンサをつなごうとコイルをつなごうと流れる電流は変わらないということだ。コンデンサをつないだら共振点が変わるような気がするが、式の上では「そんなの関係ねぇ」だということに。 もともとLC直列回路は共振状態になるとインピーダンスが計算上は0になるので∞の電流が流れるということになり、現実にはあり得ないのだが。インダクタやキャパシタの内部抵抗が直列に入るので現実はRLC直列回路となり電流は一応制限がかかる。それでタンク回路とかでは異様に太い導線でコイルが巻かれている。内部抵抗を可能な限り減らして電流が沢山流れるようにするためである。 なのでこの問題は理論上だけということに。内部抵抗が直列に入った場合とかどうなるかを研究するとおもしろいかもしれない。 |
webadm | 投稿日時: 2008-1-4 0:22 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3089 |
問題47:内部抵抗のあるLC共振回路 次ぎの問題はLに内部抵抗がある場合のLC共振回路の共振点に関する問題
RとLの定数が固定でCが可変の場合、回路のインピーダンスの絶対値が最大となるCの条件とその時のインピーダンスの絶対値を求めよというもの。 最初にインピーダンスの絶対値の式を導く必要がある。 それにはインピーダンスの式をたてないといけない Z=1/(jωC+1/(R+jωL)) (%i55) Z=1/(%i*o*C+1/(R+%i*o*L)); (%o55) Z=1/(1/(R+%i*o*L)+%i*o*C) (%i56) factor(%); (%o56) Z=(R+%i*o*L)/(%i*o*C*R-o^2*C*L+1) (%i57) rectform(%); (%o57) Z=(%i*(o*L*(1-o^2*C*L)-o*C*R^2))/(o^2*C^2*R^2+(1-o^2*C*L)^2)+((1-o^2*C*L)*R+o^2*C*L*R)/(o^2*C^2*R^2+(1-o^2*C*L)^2) 整理すると Z=((1-ω^2*C*L)*R+ω^2*C*L*R)/(ω^2*C^2*R^2+(1-ω^2*C*L)^2)+j(ωL*(1-ω^2*C*L)-ωC*R^2)/(ω^2*C^2*R^2+(1-ω^2*C*L)^2) インピーダンスの絶対値は |Z|=sqrt((((1-ω^2*C*L)*R+ω^2*C*L*R)/(ω^2*C^2*R^2+(1-ω^2*C*L)^2)^2+((ωL*(1-ω^2*C*L)-ωC*R^2)/(ω^2*C^2*R^2+(1-ω^2*C*L)^2))^2) (%i58) sqrt((((1-o^2*C*L)*R+o^2*C*L*R)/(o^2*C^2*R^2+(1-o^2*C*L)^2))^2+(((o*L*(1-o^2*C*L) -o*C*R^2))/(o^2*C^2*R^2+(1-o^2*C*L)^2))^2); (%o58) sqrt((o*L*(1-o^2*C*L)-o*C*R^2)^2/(o^2*C^2*R^2+(1-o^2*C*L)^2)^2+((1-o^2*C*L)*R+o^2*C*L*R)^2/(o^2*C^2*R^2+(1-o^2*C*L)^2)^2) (%i59) factor(%); (%o59) sqrt(R^2+o^2*L^2)/sqrt(o^2*C^2*R^2+o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1) 整理すると |Z|=sqrt(R^2+ω^2*L^2)/sqrt(ω^2*C^2*R^2+ω^4*C^2*L^2-2*ω^2*C*L+1) 見ると分子にはCの項は無い。分母のみがCが作用することがわかる。従って分母の式のCに関する導関数を求めると (%i43) diff(o^2*C^2*R^2+o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1,C); (%o43) 2*o^2*C*R^2+2*o^4*C*L^2-2*o^2*L 従って導関数が0になる点を求めると (%i44) solve(%=0,C); (%o44) [C=L/(R^2+o^2*L^2)] C=L/(R^2+ω^2*L^2) がインピーダンスの絶対値の頂点となる。 この時のインピーダンスの絶対値は (%i53) subst(L/(R^2+o^2*L^2), C, sqrt(R^2+o^2*L^2)/sqrt(o^2*C^2*R^2+o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L +1)); (%o53) sqrt(R^2+o^2*L^2)/sqrt(-(2*o^2*L^2)/(R^2+o^2*L^2)+(o^2*L^2*R^2)/(R^2+o^2*L^2)^2+(o^4*L^4)/(R^2+o^2*L^2)^2+1) (%i54) factor(%); (%o54) (R^2+o^2*L^2)/abs(R) 従って |Zm|=(R^2+ω^2*L^2)/R ということになる。 肝心なのは正しい合成インピーダンスの式をたてさえすれば式の操作を間違えない限り正しい答えにたどりつけるということ。 もう何度最初に合成インピーダンスの式を立てるときにつまらないミスを犯して計算をやり直したことか。式の操作の仕方によってはインピーダンスの複素表現の式が見かけ上異なるものが得られるが、最終的にインピーダンスの絶対値を求める際には同じ結果となるのも興味深い。 理想的なLC並列回路は共振時にインピーダンスは∞になるが、現実にはLに内部抵抗があるため∞にはならない。内部抵抗が低ければ低いほど共振時のインピーダンスは高くなることがわかる。 著者の解はインピーダンスの導関数から求める方法とアドミッタンスの式から洞察する方法のどちらも示しているのでその他の別解法を示すのは難しい。 Maximaだともっと簡単に複素表記の絶対値を求めることができる。 (%i63) 1/(1/(R+%i*o*L)+%i*o*C); (%o63) 1/(1/(R+%i*o*L)+%i*o*C) (%i64) abs(%); (%o64) 1/sqrt((o*C-(o*L)/(R^2+o^2*L^2))^2+R^2/(R^2+o^2*L^2)^2) (%i65) factor(%); (%o65) sqrt(R^2+o^2*L^2)/sqrt(o^2*C^2*R^2+o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1) こんどからこの方法を使うことにしよう。 L=1mH R=1Ω C=10〜40uF ω=2π1000 の条件でインピーダンスの絶対値をプロットしたグラフを描いてみた。 plot2d([sqrt(4*%pi^2+1)/sqrt(16000000*%pi^4*C^2+4000000*%pi^2*C^2-8000*%pi^2*C+1)], [C,10*10^-6,40*10^-6])$ 低周波ではインピーダンスのピークは低い。高周波になればなるほどピークは高くなっていく。しかし一方で共振とを得るために必要なCの容量は小さくなってしまうのでLを下げる必要がある、Lを下げると最大インピーダンスが下がるというジレンマに陥る。共振回路の性能を高めるにはインダクタンスの容量とその内部抵抗のトレードオフのチューニングが必要である。これは後に学ぶQという概念である。Qメーターとかはそうしたインダクタンスの性能を測る装置としてかつて沢山使われた。 |
webadm | 投稿日時: 2008-1-4 1:25 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3089 |
問題48:LC直列回路の共振点 今度はLC直列回路の共振点に関する問題。
Cに内部抵抗R0がありLには負荷抵抗Rが接続されている典型的なタンク回路である。この回路に流れる電流が最大になるCの条件を求めよというもの。 純粋なLC直列回路は共振時にインピーダンスが0となり∞の電流が流れることになるが、実際にはCには内部抵抗があり電流は制限される。したがって現実の回路では共振点でインピーダンスが最小になる点が存在する。 回路の合成インピーダンスは Z=R0+1/jωC+1/(1/R+1/jωL) (%i81) Z=R0+1/(%i*o*C)+1/(1/R+1/(%i*o*L)); (%o81) Z=R0+1/(1/R-%i/(o*L))-%i/(o*C) (%i82) factor(%); (%o82) Z=(%i*o*C*R*R0-o^2*C*L*R0-o^2*C*L*R+R+%i*o*L)/(o*C*(%i*R-o*L)) (%i83) rectform(%); (%o83) Z=(R*(o*C*R*R0+o*L)-o*L*(-o^2*C*L*R0-o^2*C*L*R+R))/(o*C*(R^2+o^2*L^2))+(%i*(-o*L*(o*C*R*R0+o*L)-R*(-o^2*C*L*R0-o^2*C*L*R+R)))/(o*C*(R^2+o^2*L^2)) 整理すると Z=(R*(ω*C*R*R0+ωL)+ωL*(ω^2*C*L*R0+ω^2*C*L*R-R))/(ωC*(R^2+(ωL)^2))-j((ωL*(ωC*R*R0+ωL)-R*(ω^2*C*L*R0+ω^2*C*L*R-R))/(ωC*(R^2+(ωL)^2) 従ってインピーダンスの絶対値は (%i84) abs(%); (%o84) abs(Z)= sqrt(((o*C*R^2*R0)/(o*C*R^2+o^3*C*L^2)+(o^3*C*L^2*R0)/(o*C*R^2+o^3*C*L^2)+(o^3*C*L^2*R)/(o*C*R^2+o^3*C*L^2))^2+((o^2*C*L*R^2)/(o*C*R^2+o^3*C*L^2)-R^2/(o*C*R^2+o^3*C*L^2)-(o^2*L^2)/(o*C*R^2+o^3*C*L^2))^2) (%i85) factor(%); (%o85) abs(Z)=sqrt((o^2*C^2*R^2+o^4*C^2*L^2)*R0^2+2*o^4*C^2*L^2*R*R0+(o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1)*R^2+o^2*L^2)/(abs(o)*abs(C)*sqrt(R^2+o^2*L^2)) 整理すると |Z|=sqrt((ω^2*C^2*R^2+ω^4*C^2*L^2)*R0^2+2*ω^4*C^2*L^2*R*R0+(ω^4*C^2*L^2-2*ω^2*C*L+1)*R^2+(ωL)^2)/(ωC*sqrt(R^2+(ωL)^2)) なんとも複雑である。例によってCに関する導関数を求めると (%i86) diff(%,C); (%o86) 0=((2*o^2*C*R^2+2*o^4*C*L^2)*R0^2+4*o^4*C*L^2*R*R0+(2*o^4*C*L^2-2*o^2*L)*R^2)/(2*abs(o)*abs(C)*sqrt(R^2+o^2*L^2)*sqrt((o^2*C^2*R^2+o^4*C^2*L^2)*R0^2+2*o^4*C^2*L^2*R*R0+(o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1)*R^2+o^2*L^2))- sqrt((o^2*C^2*R^2+o^4*C^2*L^2)*R0^2+2*o^4*C^2*L^2*R*R0+(o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1)*R^2+o^2*L^2)/(abs(o)*C*abs(C)*sqrt(R^2+o^2*L^2)) (%i87) factor(%); (%o87) 0=(o^2*C*L*R^2-R^2-o^2*L^2)/(abs(o)*C*abs(C)*sqrt(R^2+o^2*L^2)*sqrt((o^2*C^2*R^2+o^4*C^2*L^2)*R0^2+2*o^4*C^2*L^2*R*R0+(o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1)*R^2+o^2*L^2)) インピーダンスの絶対値が最小のピークの点で導関数は0になるので、導関数の式の分子が0になる時のCを求めれば良い。 (%i88) solve(o^2*C*L*R^2-R^2-o^2*L^2=0,C); (%o88) [C=(R^2+o^2*L^2)/(o^2*L*R^2)] (%i91) trigreduce(%); (%o91) [C=L/R^2+1/(o^2*L)] 従って電流が最大になる条件は C=(R^2+(ωL)^2)/(ω^2*L*R^2) =L/R^2+1/(ω^2*L) ということになる。 ちなみにこの時のインピーダンスの絶対値は (%i92) subst((R^2+(o*L)^2)/(o^2*L*R^2), C, abs(Z)=sqrt((o^2*C^2*R^2+o^4*C^2*L^2)*R0^2+2*o^4*C^2*L^2*R*R0 +(o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1)*R^2+o^2*L^2)/(abs(o)*abs(C)*sqrt(R^2+o^2*L^2))); (%o92) abs(Z)=(o^2*abs(L)*R^2*sqrt(((R^2+o^2*L^2)^2/(o^2*L^2*R^2)+(R^2+o^2*L^2)^2/R^4)*R0^2+(2*(R^2+o^2*L^2)^2*R0)/R^3+R^2*((R^2+o^2*L^2)^2/R^4-(2*(R^2+o^2*L^2))/R^2+1)+o^2*L^2))/(abs(o)*(R^2+o^2*L^2)^(3/2)) (%i93) factor(%); (%o93) abs(Z)=sqrt((R^4+2*o^2*L^2*R^2+o^4*L^4)*R0^2+(2*o^2*L^2*R^3+2*o^4*L^4*R)*R0+o^4*L^4*R^2)/(R^2+o^2*L^2) はっきりいってかなり難しい(;´Д`) 前問と同様に R0=1Ω C=10〜40uF L=1mH R=75Ω ω=2π1000 でインピーダンスの絶対値のグラフをプロットしてみると plot2d([sqrt(5625*(16000000*%pi^4*C^2-8000*%pi^2*C+1)+2416000000*%pi^4*C^2+22500000000*%pi^2*C^2 +4*%pi^2)/(2000*%pi*sqrt(4*%pi^2+5625)*abs(C))], [C,10*10^-6,40*10^-6])$ 並列共振回路とはうって違ってシャープさに欠ける。 |
webadm | 投稿日時: 2008-1-4 3:13 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3089 |
問題49:LC直列回路の共振点(その2) 次ぎは以前にもあったLC直列回路の共振点に関する問題。
LC直列回路は共振状態にあるとLやCに接続された負荷の値にかかわらず負荷に流れる電流が一定となることが以前の問題で証明した。今度はそれとは逆に負荷に流れる電流が一定となる条件を導くもの。 答えはバレバレなのだが題意にそって解析的に解いてみる。 最初に負荷に流れる電流の式を立てる必要がある。 それには全体を流れる電流をI0として負荷に流れる電流をIとした場合に以下が成り立つことを利用する E=I0*jωL+I*R (I0-I)/jωC=I*R これをI0,Iに関する連立方程式として解くと (%i2) e1:E=I0*%i*o*L+I*R; (%o2) E=I*R+%i*o*I0*L (%i3) e2:(I0-I)/(%i*o*C)=I*R; (%o3) -(%i*(I0-I))/(o*C)=I*R (%i4) solve([e1,e2],[I0,I]); (%o4) [[I0=(o*C*E*R-%i*E)/((%i*o^2*C*L-%i)*R+o*L),I=-(%i*E)/((%i*o^2*C*L-%i)*R+o*L)]] (%i5) rectform(%); (%o5) [[I0=(%i*(-o*C*E*(o^2*C*L-1)*R^2-o*E*L))/((o^2*C*L-1)^2*R^2+o^2*L^2)+(o^2*C*E*L*R-E*(o^2*C*L-1)*R)/((o^2*C*L-1)^2*R^2+o^2*L^2),I=- (E*(o^2*C*L-1)*R)/((o^2*C*L-1)^2*R^2+o^2*L^2)-(%i*o*E*L)/((o^2*C*L-1)^2*R^2+o^2*L^2)]] 整理すると I=E*(1-ω^2*C*L)*R/((ω^2*C*L-1)^2*R^2+(ωL)^2)-jE*ωL/((ω^2*C*L-1)^2*R^2+(ωL)^2) 実効値は (%i6) abs(I=-(E*(o^2*C*L-1)*R)/((o^2*C*L-1)^2*R^2+o^2*L^2)-(%i*o*E*L)/((o^2*C*L-1)^2*R^2 +o^2*L^2)); (%o6) abs(I)=sqrt(((E*R)/(o^4*C^2*L^2*R^2-2*o^2*C*L*R^2+R^2+o^2*L^2)-(o^2*C*E*L*R)/(o^4*C^2*L^2*R^2-2*o^2*C*L*R^2+R^2+o^2*L^2))^2+ (o^2*E^2*L^2)/(o^4*C^2*L^2*R^2-2*o^2*C*L*R^2+R^2+o^2*L^2)^2) (%i7) factor(%); (%o7) abs(I)=abs(E)/sqrt((o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1)*R^2+o^2*L^2) 整理すると |I|=E/sqrt((ω^4*C^2*L^2-2*ω^2*C*L+1)*R^2+(ωL)^2) ということになる。|I|が負荷抵抗Rの値に寄らず一定になるには分母の以下の項 (ω^4*C^2*L^2-2*ω^2*C*L+1)*R^2 が0になれば良いことになる。それには ω^4*C^2*L^2-2*ω^2*C*L+1=0 となればよい。 上の式は更に因数分解でき (ω^2*C*L-1)^2=0 となるのでこれが成立する条件は ω^2*C*L-1=0 ということになる すなわち ω=1/sqrt(C*L) ということになる。 これを電流の式に代入すると (%i8) subst(1/sqrt(C*L), o, I=-(E*(o^2*C*L-1)*R)/((o^2*C*L-1)^2*R^2+o^2*L^2)-(%i*o*E*L)/((o^2*C*L -1)^2*R^2+o^2*L^2)); (%o8) I=-(%i*C*E)/sqrt(C*L) I=-jC*E/sqrt(C*L) =-jE*sqrt(C/L) ということになる。 ちなみに実効値では (%i17) subst(1/sqrt(C*L), o, abs(I)=abs(E)/sqrt((o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1)*R^2+o^2*L^2)); (%o17) abs(I)=abs(E)/sqrt(L/C) |I|=E*sqrt(C/L) ということになる。 |
webadm | 投稿日時: 2008-1-4 3:56 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3089 |
問題50:RL直列回路をRC直列回路で無誘導化 次ぎの問題は少しひねった問題で誘導性負荷回路であるRL直列回路のRに並列に可変Cを接続し、LC直列回路を構成して無誘導(力率100%)にする条件を求めよというもの
無誘導化ということはすなわち力率を100%にするというもの。なので流れる電流の虚数部が0になる条件ということになる。 回路に流れる電流は I=E/Z =|E|/(R0+jωL+1/(1/R+jωC)) (%i22) I=E/(R0+%i*o*L+1/(1/R+%i*o*C)); (%o22) I=E/(R0+1/(1/R+%i*o*C)+%i*o*L) (%i23) factor(%); (%o23) I=(E*(%i*o*C*R+1))/(%i*o*C*R*R0+R0-o^2*C*L*R+R+%i*o*L) (%i24) rectform(%); (%o24) I=(E*(-o*C*R*(-o*C*R*R0-o*L)+R0-o^2*C*L*R+R))/((o*C*R*R0+o*L)^2+(R0-o^2*C*L*R+R)^2)+(%i*E*(o*C*R*(R0-o^2*C*L*R+R)-o*C*R*R0-o*L))/((o*C*R*R0+o*L)^2+(R0-o^2*C*L*R+R)^2) 整理すると I=E*(ωC*R*(ωC*R*R0+ωL)+R0-ω^2*C*L*R+R)/((ωC*R*R0+ωL)^2+(R0-ω^2*C*L*R+R)^2)+jE*(ωC*R*(R0-ω^2*C*L*R+R)-ωC*R*R0-ωL)/((ωC*R*R0+ωL)^2+(R0-ω^2*C*L*R+R)^2) ということになり虚数部が0となるには ωC*R*(R0-ω^2*C*L*R+R)-ωC*R*R0-ωL=0 である必要がある。この式からCを解くと (%i25) solve(o*C*R*(R0-o^2*C*L*R+R)-o*C*R*R0-o*L=0,C); (%o25) [C=-(sqrt(R^2-4*o^2*L^2)-R)/(2*o^2*L*R),C=(sqrt(R^2-4*o^2*L^2)+R)/(2*o^2*L*R)] 整理すると C=(R±sqrt(R^2-4*(ωL)^2))/(2*ω^2*L*R) ということになる。 力率が100%になる点は共振点とは異なる。 |
webadm | 投稿日時: 2008-1-4 4:52 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3089 |
問題51:RLC直列回路の共振点 次ぎの問題は前問の続きでCの電圧降下を最大にする条件を求めよというもの
今度は共振点という予感がぷんぷんするが、地道に解いてみよう。 Cに流れる電流をIとするとCの電圧降下は Ec=I/jωC 全体を流れる電流をI0とすると E=I0*(R0+jωL)+Ec (I0-I)*R=Ec という関係が成り立つのでこれらの3元連立方程式からI0,I,Ecを解くと (%i1) e1: Ec=I/(%i*o*C); (%o1) Ec=-(%i*I)/(o*C) (%i2) e2:E=I0*(R0+%i*o*L)+Ec; (%o2) E=I0*(R0+%i*o*L)+Ec (%i3) e3:(I0-I)*R=Ec; (%o3) (I0-I)*R=Ec (%i4) solve([e1,e2,e3],[I0,I,Ec]); (%o4) [[I0=(o*C*E*R-%i*E)/(C*(o*R*R0+%i*o^2*L*R)+%i*(-R0-R)+o*L),I=(o*C*E*R)/(C*(o*R*R0+%i*o^2*L*R)+%i*(-R0-R)+o*L) ,Ec=-(%i*E*R)/(C*(o*R*R0+%i*o^2*L*R)+%i*(-R0-R)+o*L)]] 実効値に直すと (%i5) abs(%); (%o5) [[abs(I0)=sqrt(((o^2*C^2*E*R^2*R0)/((o*C*R*R0+o*L)^2+(-R0+o^2*C*L*R-R)^2)+ (E*R0)/((o*C*R*R0+o*L)^2+(-R0+o^2*C*L*R-R)^2)+(E*R)/((o*C*R*R0+o*L)^2+(-R0+o^2*C*L*R-R)^2))^(2)+(- (o^3*C^2*E*L*R^2)/((o*C*R*R0+o*L)^2+(-R0+o^2*C*L*R-R)^2)+(o*C*E*R^2)/((o*C*R*R0+o*L)^2+(-R0+o^2*C*L*R-R)^2)- (o*E*L)/((o*C*R*R0+o*L)^2+(-R0+o^2*C*L*R-R)^2))^(2)),abs(I)= sqrt((o^2*C^2*E^2*R^2*(o*C*R*R0+o*L)^2)/((o*C*R*R0+o*L)^2+(-R0+o^2*C*L*R-R)^2)^2+(o^2*C^2*E^2*R^2*(R0-o^2*C*L*R+R)^2)/((o*C*R*R0+o*L)^2+(-R0+o^2*C*L*R-R)^2)^2),abs(Ec)= sqrt((E^2*R^2*(o*C*R*R0+o*L)^2)/((o*C*R*R0+o*L)^2+(-R0+o^2*C*L*R-R)^2)^2+(E^2*R^2*(-R0+o^2*C*L*R-R)^2)/((o*C*R*R0+o*L)^2+(-R0+o^2*C*L*R-R)^2)^2)]] (%i6) factor(%); (%o6) [[abs(I0)=(abs(E)*sqrt(o^2*C^2*R^2+1))/sqrt((o^2*C^2*R^2+1)*R0^2+2*R*R0+(o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1)*R^2+o^2*L^2),abs(I)= (abs(o)*abs(C)*abs(E)*abs(R))/sqrt((o^2*C^2*R^2+1)*R0^2+2*R*R0+(o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1)*R^2+o^2*L^2),abs(Ec)= (abs(E)*abs(R))/sqrt((o^2*C^2*R^2+1)*R0^2+2*R*R0+(o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1)*R^2+o^2*L^2)]] 整理すると |Ec|=|E|*R/sqrt(ω^2*C^2*R^2+1)*R0^2+2*R*R0+(ω^4*C^2*L^2-2*ω^2*C*L+1)*R^2+ω^2*L^2) 分母が最初になる点が|Ec|が最大となる点なのでCに関する導関数を求めると (%i8) diff((o^2*C^2*R^2+1)*R0^2+2*R*R0+(o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1)*R^2+o^2*L^2,C); (%o8) 2*o^2*C*R^2*R0^2+(2*o^4*C*L^2-2*o^2*L)*R^2 従って 2*ω^2*C*R^2*R0^2+(2*ω^4*C*L^2-2*ω^2*L)*R^2=0 となるCを求めればよい (%i9) solve(2*o^2*C*R^2*R0^2+(2*o^4*C*L^2-2*o^2*L)*R^2=0,C); (%o9) [C=L/(R0^2+o^2*L^2)] C=L/(R0^2+ω^2*L^2) ということになる。 この値を|Ec|の式に代入すると (%i10) subst(L/(R0^2+o^2*L^2), C, abs(Ec)=(abs(E)*abs(R))/sqrt((o^2*C^2*R^2+1)*R0^2+2*R*R0 +(o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1)*R^2+o^2*L^2)); (%o10) abs(Ec)=(abs(E)*abs(R))/sqrt(R^2*(-(2*o^2*L^2)/(R0^2+o^2*L^2)+(o^4*L^4)/(R0^2+o^2*L^2)^2+1)+R0^2*((o^2*L^2*R^2)/(R0^2+o^2*L^2)^2+1)+2*R*R0+o^2*L^2) (%i11) factor(%); (%o11) abs(Ec)=(abs(E)*abs(R)*sqrt(R0^2+o^2*L^2))/sqrt(R0^4+2*R*R0^3+(R^2+2*o^2*L^2)*R0^2+2*o^2*L^2*R*R0+o^4*L^4) (%i15) radcan(%); (%o15) abs(Ec)=(abs(E)*abs(R)*sqrt(R0^2+o^2*L^2))/(R0^2+R*R0+o^2*L^2) 整理すると |Ecm|=E*R*sqrt(R0^2+ω^2*L^2)/(R0^2+R*R0+ω^2*L^2) ということになる。 これも注意深くみると負荷抵抗に比例してコンデンサの電圧降下が決まるということを意味すると、負荷がオープンになるとどうなるのか、∞ということだろうか? 実際には分母にもRが含まれているのでそうとは言えない。Rを除いた回路で|Ecm|を求めると abs(Ec)=(abs(E)*sqrt(R0^2+o^2*L^2))/abs(R0) ということになり内部抵抗に反比例することになる。やはりここでもタンク回路の性能は素子の内部抵抗によって左右されることになる。当然優れた性能のタンク回路ではコンデンサの両端の電圧は想像を絶する値になり耐圧が十分高くないと絶縁破壊を起こしてしまう。それ故に大出力リニアアンプとかのタンク回路に使われるコンデンサは数十KVとかの耐圧のものや真空コンデンサがバリコンとして使われる。 |
webadm | 投稿日時: 2008-1-4 6:05 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3089 |
問題52:RLC混成回路に流れる電流 次ぎの問題はRLC混成回路に流れる電流を最大にするCの条件を求めるもの
キャパシタに流れる電流は I=|E|/(1/jωC+1/(1/R+1/jωC)) (%i30) I=E/(1/(%i*o*C)+1/(1/R+1/(%i*o*L))); (%o30) I=E/(1/(1/R-%i/(o*L))-%i/(o*C)) (%i31) factor(%); (%o31) I=-(o*C*E*(%i*R-o*L))/(o^2*C*L*R-R-%i*o*L) (%i32) rectform(%); (%o32) I=-(%i*o*C*E*(R*(o^2*C*L*R-R)-o^2*L^2))/((o^2*C*L*R-R)^2+o^2*L^2)-(o*C*E*(-o*L*(o^2*C*L*R-R)-o*L*R))/((o^2*C*L*R-R)^2+o^2*L^2) 実効値は (%i33) abs(%); (%o33) abs(I)=sqrt((-(o^3*C^2*E*L*R^2)/(o^4*C^2*L^2*R^2-2*o^2*C*L*R^2+R^2+o^2*L^2)+(o*C*E*R^2)/(o^4*C^2*L^2*R^2-2*o^2*C*L*R^2+R^2+o^2*L^2)+ (o^3*C*E*L^2)/(o^4*C^2*L^2*R^2-2*o^2*C*L*R^2+R^2+o^2*L^2))^(2)+(o^8*C^4*E^2*L^4*R^2)/(o^4*C^2*L^2*R^2-2*o^2*C*L*R^2+R^2+o^2*L^2)^2) (%i34) factor(%); (%o34) abs(I)=(abs(o)*abs(C)*abs(E)*sqrt(R^2+o^2*L^2))/sqrt((o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1)*R^2+o^2*L^2) |I|=E*ωC*sqrt(R^2+(ωL)^2)/sqrt((ω^4*C^2*L^2-2*ω^2*C*L+1)*R^2+(ωL)^2) これをCに関して微分して導関数を求めると (%o55) 0=(abs(o)*C*abs(E)*sqrt(R^2+o^2*L^2))/(abs(C)*sqrt((o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1)*R^2+o^2*L^2))-(abs(o)*abs(C)*abs(E)*(2*o^4*C*L^2-2*o^2*L)*R^2*sqrt(R^2+o^2*L^2))/(2*((o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1)*R^2+o^2*L^2)^(3/2)) (%i56) factor(%); (%o56) 0=-(abs(o)*C*abs(E)*sqrt(R^2+o^2*L^2)*(o^2*C*L*R^2-R^2-o^2*L^2))/(abs(C)*((o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1)*R^2+o^2*L^2)^(3/2)) |I|'=-E*ωC*sqrt(R^2+(ωL)^2)*(ω^2*C*L*R^2-R^2-(ωL)^2))/(C*((ω^4*C^2*L^2-2*ω^2*C*L+1)*R^2+(ωL)^2)^(3/2) 導関数が0となるとき|I|は最大値を取るので分子の ω^2*C*L*R^2-R^2-(ωL)^2=0 となるCを求めればよい。 (%i57) solve(o^2*C*L*R^2-R^2-o^2*L^2=0,C); (%o57) [C=(R^2+o^2*L^2)/(o^2*L*R^2)] 従って C=(R^2+(ωL)^2)/(ω^2*L*R^2) の時|I|は最大となる。 これを|I|の式に代入すると (%i58) subst((R^2+o^2*L^2)/(o^2*L*R^2), C, abs(I)=(abs(o)*abs(C)*abs(E)*sqrt(R^2+o^2*L^2))/sqrt((o^4*C^2*L^2 -2*o^2*C*L+1)*R^2+o^2*L^2)); (%o58) abs(I)=(abs(o)*abs(E)*(R^2+o^2*L^2)^(3/2))/(o^2*abs(L)*R^2*sqrt(R^2*((R^2+o^2*L^2)^2/R^4-(2*(R^2+o^2*L^2))/R^2+1)+o^2*L^2)) (%i59) factor(%); (%o59) abs(I)=(abs(E)*(R^2+o^2*L^2)*abs(R))/(o^2*L^2*R^2) 整理すると |Im|=E*(R^2+(ωL)^2)*R/(ω^2*L^2*R^2) =E*(R^2+(ωL)^2)/(ω^2*L^2*R) ということになる。Maximaだとabs(R)とRが同じと扱われないという問題があることが判明。 著者の解ではCがインピーダンスの虚数部にのみ関係していることに着目し虚数部が0となる時がインピーダンスが最小になることだということから条件を導き出している。こちらの方がてっとり速い。Maximaでは直交座標表現に変換する際に無条件に単一の分数に直してしまうのでわけが解らなくなってしまう。手で式を整理すれば著者と同じ結果は直ぐ導き出せるのだが。 |
webadm | 投稿日時: 2008-1-4 6:31 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3089 |
問題53:RLC共振回路 次ぎの問題はLC並列回路だがCと直列にRが入っているもの。合成インピーダンスが最大になるLを求めその時の電流を求めよというもの
並列回路なのでインピーダンスで考えるよりもアドミッタンスで考えた方がよさそうと予想する。 Y=1/jωL+1/(R+1/jωC) (%i61) Y=1/(%i*o*L)+1/(R+1/(%i*o*C)); (%o61) Y=1/(R-%i/(o*C))-%i/(o*L) (%i62) rectform(%); (%o62) Y=%i*(1/(o*C*(R^2+1/(o^2*C^2)))-1/(o*L))+R/(R^2+1/(o^2*C^2)) Y=R/(R^2+1/(ω^2*C^2))+j(1/(ω*C*(R^2+1/(ω^2*C^2)))-1/(ω*L)) インピーダンスが最大と成る時はその逆数であるアドミッタンスが最小になるときである。アドミッタンスの式を見るとLは虚数部のみに関与しているので、虚数部が0となる時にアドミッタンスは最小となる。 従って 1/(ω*C*(R^2+1/(ω^2*C^2)))-1/(ω*L)=0 となるLを求めればよい。 (%i63) solve(1/(o*C*(R^2+1/(o^2*C^2)))-1/(o*L)=0,L); (%o63) [L=(o^2*C^2*R^2+1)/(o^2*C)] L=(ω^2*C^2*R^2+1)/(ω^2*C) ということになる。 一方電流は I=E*Y で表されるので。 (%i64) I=E*(%i*(1/(o*C*(R^2+1/(o^2*C^2)))-1/(o*L))+R/(R^2+1/(o^2*C^2))); (%o64) I=E*(%i*(1/(o*C*(R^2+1/(o^2*C^2)))-1/(o*L))+R/(R^2+1/(o^2*C^2))) I=E*R/(R^2+1/(ω^2*C^2))+jE*(1/(ω*C*(R^2+1/(ω^2*C^2)))-1/(ω*L)) 実効値は (%i65) abs(%); (%o65) abs(I)=sqrt((E/(o*C*R^2+1/(o*C))-E/(o*L))^2+(E^2*R^2)/(R^2+1/(o^2*C^2))^2) (%i66) factor(%); (%o66) abs(I)=(abs(E)*sqrt(o^2*C^2*R^2+o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1))/(abs(o)*abs(L)*sqrt(o^2*C^2*R^2+1)) |I|=E*sqrt(ω^2*C^2*R^2+ω^4*C^2*L^2-2*ω^2*C*L+1)/(ω*L*sqrt(ω^2*C^2*R^1+1) 先の条件を代入すると (%i72) subst((o^2*C^2*R^2+1)/(o^2*C), L, abs(I)=(abs(E)*sqrt(o^2*C^2*R^2+o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L +1))/(abs(o)*abs(L)*sqrt(o^2*C^2*R^2+1))); (%o72) abs(I)=(o^2*abs(C)*abs(E)*sqrt((o^2*C^2*R^2+1)^2-2*(o^2*C^2*R^2+1)+o^2*C^2*R^2+1))/(abs(o)*(o^2*C^2*R^2+1)^(3/2)) (%i73) factor(%); (%o73) abs(I)=(o^2*C^2*abs(E)*abs(R))/(o^2*C^2*R^2+1) |Im|=E*ω^2*C^2*R/(ω^2*C^2*R^2+1) ということになる。 著者の解はインピーダンスから求めているため導関数を導いて微分係数が0になるLの条件を求めている。付記としてアドミッタンスから導く方法もあると書いてある。 |
webadm | 投稿日時: 2008-1-4 23:53 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3089 |
問題54:RLC混成回路の同相点 次ぎもRLC混成回路の共振に関する問題で少しひねったもの。
回路に加わる電圧と流れる電流が同相となる角周波数ωを求めよという問題。 電流と電圧が同相となるのは回路の実効リアクタンスが0となる点である。 回路の合成インピーダンスは Z=1/(jωC+1/(R+jωL)) =1/(jωC+(R-jωL)/(R^2+(ωL)^2)) =(R^2+(ωL)^2)/(jωC*(R^2+(ωL)^2)+(R-jωL)) =(R^2+(ωL)^2)/(R+j(ωC*(R^2+(ωL)^2)-ωL)) =(R^2+(ωL)^2)*(R-j(ωC*(R^2+(ωL)^2)-ωL))/(R^2+(ωC*(R^2+(ωL)^2)-ωL)^2) =(R*(R^2+(ωL)^2)-jω*(R^2+(ωL)^2)*(C*(R^2+(ωL)^2)-L))/(R^2+(ωC*(R^2+(ωL)^2)-ωL)^2) 従って実効リアクタンスが0になる条件は R≠0,ω≠0,L≠0の時虚数部が0となるためには C*(R^2+(ωL)^2)-L=0 でなければならないということになる。 この式をωについて解くと ω^2=(L/C-R^2)/L^2 =(1/(L*C)-R^2/L^2 従って ω=sqrt(1/(L*C)-R^2/L^2) ということになる。 ちなみに共振点はインピーダンスの絶対値が最大となる点なので、インピーダンスの絶対値の式をωで微分して微分係数が0となるωを解くと ω0=sqrt(sqrt(2*C*L*R^2+L^2)/C-R^2)/L を得ることができる。これは同相点の式とは明らかに異なることがわかる。 |
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