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webadm | 投稿日時: 2008-9-12 0:46 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3107 |
【95】力率一定の可変誘導性負荷の出力軌跡 ようやく交流回路の演習問題の最後。ベクトル軌跡の総仕上げ的な問題である。やっとここまできたよママン(ノД`)
一定電圧Eで一定内部リアクタンスX0を持つ電源に力率が一定な可変誘導性リアクタンス負荷を接続した回路に流れる電流のベクトル軌跡を描き、最大出力電力の点を求め、計算によって検証せよというもの。 回路に流れる電流は I=E/Z=E*Y =E/(Z+jX0) 従って回路のアドミッタンスは Y=1/(Z+jX0) 回路に供給される電力は P=E^2*Y で表されるので、最大の電力が供給される条件はアドミッタンスの実効コンダクタンスが最大値を取る点を見いだせば良いことになる。 一方負荷インピーダンスZの力率は一定であることから、その軌跡は原点を通り傾きがφの直線を描くことが明らかである。従ってアドミッタンスYはインピーダンスZの軌跡を虚軸方向にX0だけ並行した直線を描くベクトルの逆数であるので原点を通る円を描くことは明らかである。 アドミッタンスYの軌跡は|Z|=0の時X0の逆数-1/X0を始点とし|Z|=∞で0に至る中心を(-sinφ/2*X0*cosφ,-1/2*X0)とする半径1/2*X0*cosφの円を描く。 従って最大の電力消費となるのはアドミッタンスが最大の実効コンダクタンスを取る点、((1-sinφ)/2*X0*cosφ,-1/2*X0)である。 その時の消費電力は Pmax=E^2*(1/2*X0*cosφ-sinφ/2*X0*cosφ) =E^2*(1-sinφ)/2*X0*cosφ ということになる。 一方これは P=E^2*Y =E~2/Z =E^2/(Z+jX0) =E^2/(|Z|*(cosφ+j*sinφ)+jX0) =E^2/(|Z|*cosφ+j*(|Z|*sinφ+X0)) =E^2*(|Z|*cosφ-j*(|Z|*sinφ+X0))/(|Z|^2*cosφ^2+(|Z|*sinφ+X0)^2) =E^2*(|Z|*cosφ-j*(|Z|*sinφ+X0))/(|Z|^2*cosφ^2+|Z|^2*sinφ^2+2*|Z|*X0*sinφ+X0^2) =E^2*(|Z|*cosφ-j*(|Z|*sinφ+X0))/(|Z|^2+2*|Z|*X0*sinφ+X0^2) 従って実効電力はその実数部 Pe=E^2*|Z|*cosφ/(|Z|^2+2*|Z|*X0*sinφ+X0^2) これを|Z|で微分すると (%i119) diff((cos(p)*E^2*Z)/(Z^2+2*sin(p)*X0*Z+X0^2), Z); (%o119) (cos(p)*E^2)/(Z^2+2*sin(p)*X0*Z+X0^2)-(cos(p)*E^2*Z*(2*Z+2*sin(p)*X0))/(Z^2+2*sin(p)*X0*Z+X0^2)^2 (%i120) factor(%); (%o120) -(cos(p)*E^2*(Z-X0)*(Z+X0))/(Z^2+2*sin(p)*X0*Z+X0^2)^2 Pe'=-(cosφ*E^2*|Z|*(|Z|-X0)*(|Z|+X0))/(|Z|^2+2*sinφ*X0*|Z|+X0^2)^2 従ってPeが最大値を取る条件は分子が0となる (|Z|-X0)*(|Z|+X0)=0 従って |Z|=X0 これをPeの式に代入すると (%i121) subst(X0, Z, (cos(p)*E^2*Z)/(Z^2+2*sin(p)*X0*Z+X0^2)); (%o121) (cos(p)*E^2*X0)/(2*sin(p)*X0^2+2*X0^2) (%i122) factor(%); (%o122) (cos(p)*E^2)/(2*(sin(p)+1)*X0) 従って Pmax=(cosφ*E^2)/(2*(sinφ+1)*X0) =cosφ*(1-sinφ)*E^2/(2*(1-sinφ)*(1+sinφ)*X0) =cosφ*(1-sinφ)*E^2/(2*(1+sinφ^2)*X0) =cosφ*(1-sinφ)*E^2/(2*cosφ^2*X0) =(1-sinφ)*E^2/2*X0*cosφ 従ってベクトル軌跡から導いた値と一致する。 これにて交流回路の演習終わり。 |
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