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投稿者 スレッド
webadm
投稿日時: 2009-6-3 10:06
Webmaster
登録日: 2004-11-7
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投稿: 3093
リーマン論文集
アルバイト代が入ったのでまた古本探しを再開。それが目的ではないのに目的化しつつある自分が怖い。

ふと目に入ったのが「リーマン論文集」



リーマンというと、コーシー・リーマンの定理とかで数学の解析学の本では必ず出てくる。それ以外にもリーマン予測という今だ証明されていない数学の難問を投げかけた人でもある。

先に入手していた解析学の本を読み進めるにつれて、デジタル信号処理の新しい局面を攻略するには、解析学の基本に立ち返る必要があるという思いから、関数の特徴抽出に関して先駆的な偉業をしたリーマンの名前が記憶にあった。

統計学にしろデジタル信号処理にせよ、小数のサンプルで大きな母集団を推定できるというのが当たり前になっているが、すくなくとも人物そのものに関して特徴を知るのに、小数の業績や言動だけでその人物全体の特徴を推定することは困難である。

特に数学の先駆者の人物像については想像を超えた史実があったりするので、数学の教科書に書いてある定理だけなぞったのではその人を理解することにはほど遠い。

この本には最初にリーマンの死後に未亡人から論文を託された友人のデデキンド(この人も解析学の最初の数論で登場する)が記したリーマンの伝記が収録されている。それを読むと数学に関して並はずれた能力を持ちながら、最盛期に恵まれた境遇にあったわけではないことがうかがい知れる。希望の職を得るために得意ではない論文を書き、行った講演が今に伝えられている。

リーマンは現在の数学者にみられるように数学一筋というわけではなく、当時19世紀の著名な数学者が皆そうであったように、自然科学と数学が二重螺旋のように互いに助長しながら進化していく中で、物理の実験にも積極的に参加して数学物理の先駆者でもあった。当時リーマンとまるで入れ替わる様に亡くなったガウスも後に20世紀のアインシュタインが取り組むことになる電磁気、重力の統一理論についてすでに秘密裏に研究していたことは驚きである。リーマンもそうした噂にインスパイアされて独自のリーマン幾何学を構築し、後のアインシュタインに影響を与えることになる。

解析学の教科書に登場する先駆的数学者の名前が登場し、彼らがまさに「つながっている」ということを実感する。

数学の教科書に載っている有名な公式の出典である19世紀の数学の論文を入手するのは今日容易ではない。今日の論文の様式とも異なっているので論文執筆の参考にならないからかもしれない。しかし、今日の味気ない論文よりもはるかに人間味に溢れている。
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題名 投稿者 日時
 » リーマン論文集 webadm 2009-6-3 10:06

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