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webadm
投稿日時: 2009-7-4 22:25
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3093
古書「演算子法と其応用」
ラプラス変換によって置き換えられる形で戦後歴史から消し去られたヘビサイドの演算子法というのがどんなものであったのか知りたかった。

偶然にもオークションで戦前に出版された「演算子法と其応用」という本が手に入った。

日本独特の厚紙のブックケースの裏には¥2.00という定価が印刷されていた。どんだけ物価が低い時代だったのだろう。



古い本だが保存状態が良くまだしっかりしている。全体的に内容を見ても驚く程丁寧に編纂されたものであることがうかがい知れる。





いろいろ内容を紹介したいが尽きないので目次だけに止めさせて頂こう。



ヘビサイドの演算子法はラプラス変換に置き換えられてしまったが、ヘビサイドの展開定理は、今も教えられている。複雑な高次の分母を持つ分数式を一次の分母式を持つ分数式の総和に展開するアイデアである。これはラプラス変換でも有用な定理である。



ヘビサイドのSHIFTINGの定理というのは初めて知る。



その応用範囲は集中定数回路の過渡現象解析のみに止まらず、伝送路の過渡現象解析に至り、当時の電気技術者がむさぼるように習得し実用化していった様子がうかがえる。



本書が丁寧に周到な研究の元に執筆されたものであることは、巻末の膨大な参考文献リストを見るだけで明白である。20世紀前半に数え切れない程の演算子法に関する論文や専門書が書かれていたことがわかる。



本当に定価2円だった。この物価の低さが国力だった時代を物語る。

現代はもしかしたら北米よりも遙かに物価が高いし人件費も高いかもしれない。素材産業はまだ世界のトップレベルでシェアもダントツだが、製造の分野では発展途上国に太刀打ちできない状況は明らか。面倒な組み立てやハンダ付けが製造作業のメインだった時代には低賃金と低物価によって利益が出ていたが、反面面倒な作業も自動化せずに手作業と忍耐でやり遂げるという国民性が仇となって製造コストが下がらないというジレンマに陥っているように見える。

北米はとっくの昔に低価格製品の製造分野からは足を洗ってしまったし、高価格製品の分野でも経済危機の影響で売れなくなって撤退の機運が高まっている。

日本もそのうちそうなるかもしれない。そんなに日本には人が居ない法が自動化が素材産業を支えて食っていけるという時代になるのかもしれない。

トヨタが赤字を出して税金をまったく払わないという事態が起こるとは誰も予想していなかったろうし備えもなかったろう。直撃を受けたのはトヨタだけではなくその地域社会全体にも激震である。
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題名 投稿者 日時
 » 古書「演算子法と其応用」 webadm 2009-7-4 22:25

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