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webadm | 投稿日時: 2012-9-2 3:37 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3093 |
続:微分方程式 次も微分方程式の問題
つぎの微分方程式を解け というもの。 前問は一階線型常微分方程式だったが今度は二階線型常微分方程式である。 手順は前問と変わらない (1)について ということになる。著者の解とは見た目異なるが、指数関数表現やLaplace変換してみれば同じであることを確かめることができる。部分分数展開を使わなくても良いのである。 (2)は初期条件が0ではないことに注意して ということになる。 最後の(3)は非同次方程式でかつ右辺が三角関数である点に注意すれば ということになる。 著者の解とは見た目異なるが、sinφとcosφの定義が逆になっているだけで度値である。 Laplace変換はヒューリスティックなテクニックを必要とする初等的な微分方程式の解法によらず、常に誰でも一定の手順でプログラム的に解が得られる点でHeavisideの演算子法と良く似ている。部分分数に展開する方法だとHeavisideの演算子法と変わらないので、そうでない方法をとってみた。これも実はHeavisideの演算子法をDuhamel積分に帰着させるやり方と同じである。 P.S 時間領域での有界な関数(物理現象)が存在すると、時間とは無関係に不変的に存在する別の空間にそれとまったく同形な複素関数が存在するということは興味深い事実である。我々が目にしている物理現象は、どっかまったく違う空間によって予め定められているということかもしれない。良く考えると、単に同形だから、片方が存在しなければもう片方も存在しないだけなんだけどね。 |
webadm | 投稿日時: 2012-9-2 17:24 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3093 |
周期関数 演習問題の3分の1が終わった。
次は周期関数のLapalce変換の問題 周期関数のLappalce変換に関する公式を証明し、これを用いて図のような方形パルス列をLaplace変換せよ。 というもの。 周期関数のLaplace変換は理論をおさらいしたときに証明してしまった気がするが思い出してみる。 Laplace変換は線形変換なので、時間領域と同様に重ね合わせができる。任意の周期関数は、一周期分だけの関数をf0(t)とすると、それ移行の繰り返しは周期をTとするとf0(t-nT)となる。従ってそれを時間領域で重ね合わせれば周期関数f(t)は と表すことができる。 従って周期関数のLaplace変換は推移定理を用いて ということになる。 従って、題意の関数の初回周期だけの関数f0(t)のLaplace変換を求めると ということになる。 P.S 周期関数のLaplace変換の証明でつきものの、指数関数の無限級数が単純な有理関数で表せるのは、一般の二項定理と呼ばれているものである。sの実数部が0より大きいことが級数の和Sが収束するための必要十分条件である。二項定理の証明に必要な上で使った単純な数式トリックは常識なのかほとんど説明しているものを見たことがない。 |
webadm | 投稿日時: 2012-9-2 19:17 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3093 |
続:周期関数 次も周期関数の問題
図(a),(b)のような半波整流波とのこぎり波をLaplace変換せよ というもの。 任意の周期関数のLaplace変換の性質を用いれば前問と同じように step1:繰り返し関数の単一周期のみのLaplace変換F0(s)を求める step2:繰り返し関数のLaplace変換の性質からF0(s)/(1-e^{-Ts}) というプログラムで求めることができる。 (a)について ということになる。 一方(b)については ということになる。 P.S 任意の繰り返し関数のLaplace変換を求めるのは、右辺に任司の繰り返し関数が現れるような非同次微分方程式を解く際に有用である。 |
webadm | 投稿日時: 2012-9-2 20:47 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3093 |
パルス波 次は単発のパルス波のLaplace変換
以下のような三角パルス電圧をLaplace変換せよ というもの。 前問の(b)で出てきたのこぎり波の一周期分のLaplace変換を求めるのと同じだが著者は前門とは別解で求めている。 となると著者とは別解で解かないといけないのが難問だ。 著者の様に難しく考えずに単純に考えればt>T以降を相殺するばいいので ということになる。 ちなみに著者の解は1項目と二項目の間の"+"が欠損していて誤った式になってしまっている。明らかに誤植である。 |
webadm | 投稿日時: 2012-9-2 22:03 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3093 |
RL直列回路 次はLaplace変換を応用してのRL直列回路の解析問題
RL直列回路にt=0で直流電圧Eを加えるとき流れる電流を示せ。 というもの。 手順としてはHeavisideの演算子法と流れは一緒 step1: 未知関数i(t)に関する回路方程式をたてる step2: 未知関数i(t)のLaplace変換をI(s)として回路方程式の両辺をLaplace変換する step3: 未知関数のLaplace変換I(s)について解く step4: 未知関数のLaplace変換I(s)の式をLaplace逆変換する 以下の関係式が成り立つ これをLaplace変換すると ということになる。最後まで初期値i(0)=0を残したままだが、問題によっては初期電流が与えられているケースがあるので、それはどの段階で代入しても構わないことになる。 Heavisideの演算子法だと初期条件i(0)=0の場合にはよいが、初期条件i(0)≠0の場合には、右辺に初期鎖交磁束Li(0)を与える積分方程式をたてないといけなかった。 |
webadm | 投稿日時: 2012-9-2 22:17 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3093 |
RC直列回路 次はRC直列回路の問題
RC直列回路にt=0で直流電圧Eを加えるとき流れる電流iを示せ。ただしキャパシタンスCには初期電荷Qがあるものとする。 というもの。 前問と同じ手順で解くことができる。前問では初期条件が0だったが、今度は0ではない初期条件が与えられている点に注意。 以下の関係が成り立つ 未知関数i(t)のLaplace変換をとりあえずI(s)とすれば、時間積分のLaplace変換の性質を使って ということになる。 積分関数のLaplace変換と導関数のLaplace変換とでは初期値項の極性が異なる点に注意。 この問題の場合には、いくつも別解が考えられる。 例えば、Cに蓄積されている電荷q(t)を未知関数として方程式をたてても良い。その場合には、電流iは電荷の導関数となる。 q(t)のLaplace変換をQ(s)とすれば と同じ結果が得られる。 慣れてくると回路を見ただけで回路方程式がs空間でたてられるようになる。 上の電荷を未知関数としてLaplace変換した結果には興味深い項が表れることに注意。 電荷のLaplace変換の第一項は電圧Eが加わることによって蓄えられた電荷量を表し、第二項は、Cが最初から蓄えていた電荷量を表している。それらは重ね合わせとして扱えることを示している。 これらの性質を理解すれば時間領域で回路方程式をたてるのではなく、最初からs空間で回路方程式をたててしまうことが出来るようになる。そうしればLaplace変換のstepを省くことが出来る。あとはs空間で未知関数を解いて、それをLaplace逆変換すればよいことになる。 テキストによっては最初からそうした方法が提示されているものがあり、時間領域の回路方程式と良く似ているため勘違いをし易い。まさしくそれは19世紀に先駆けてHeavisideが演算子法で見ていた世界なのではあるが。 もうひとつの別解は、RもしくはCの両端の電圧を未知関数として方程式をたてる方法。この場合、電流はRの両端であれば、Rで除算、Cの両端であればCで除算すればえられることになる。これは読者の課題としよう( ´∀`) |
webadm | 投稿日時: 2012-9-3 5:02 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3093 |
LC直列回路 次は直列回路の解析
図のLC直列回路において、t=0でスイッチを閉じ直流電圧Eを加えるときどのような電流が流れるか。ただし、キャパシタンスCの初期電荷は0とする。 というもの。 もう慣れたので直接s領域で回路方程式をたててみよう。 ということになる。 s領域の式は以前一端子対回路でリアクタンス関数を学んだ時に複素周波数sを使ったのを思い出せば簡単である。ベクトル記号法の場合にjωとしていた部分をsに置き換えるだけで済むので簡単だ。 このやり方だとHeavisideの演算子法と遜色無い。 |
webadm | 投稿日時: 2012-9-4 5:29 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3093 |
RLC直列回路 お次はRLC直列回路
図のようなRLC直列回路のスイッチをt=0で閉じたとき、流れる電流を求めよ。ただし、この回路は静止状態にあるものとする。 というもの。 もう演習問題の後半である。慣れたのでこれも直接複素周波数空間から考えてみよう。 ということになる。これに題意の回路の素子定数を代入すると ということになる。 最終的な解が簡単になるように予め素子定数が選ばれている。 著者は最初から素子定数を式に入れて解いているが、それは気にいらない。一般的に定式化した上で特定のケースを考えるのが良い。 もちろん問題を簡単にするために、素子数が沢山あって、全てに係数名をつけると式がとんでもなく複雑になり数式処理ソフトですら扱い切れない場合には、初期の段階で値を代入してしまって最終的にどんな感じの関数になるのか答えの一歩手前を覗き見する手段ならありえる。 P.S 上の解法では予め回路が振動的となるような素子定数を想定して式を変形してある。なので臨界減衰のケースではそのままでは使えない(L/C-(R/2L)^2=0の場合)。変形していない元の式を使うか、以下の様に極限操作を行う必要がある。 |
webadm | 投稿日時: 2012-9-4 5:54 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3093 |
断続部のある回路 次は難しいそうな断続部のある回路
過渡現象の演習問題ではまったよね 静止状態にある図のような回路において、t=0でスイッチS1を閉じ、t=TでスイッチS2を閉じると同時にS1を開くとき、キャパシタンスCに流れる電流iはどうなるか。 というもの。 これは以下の様にRC直列回路にパルス状の電圧が加わったのと同じである。 もしくはE*U(t)というステップ電源と-E*U(t-T)という反転ステップ電源の重ね合わせと同じである。 最初に時間領域で回路方程式をたてると ということになる。これを複素周波数領域の回路方程式に変換するためには両辺をLaplace変換すればよい、どちらもLaplace変換の変換対表や性質から複素周波数領域の電流I(s)は ということになる。 あとはこれを時間領域に戻すだけであるが変換対と推移定理を使えば簡単 ということになる。 基本は時定数RCで決まる指数関数的に電流の絶対値は減少していく。t=Tを境に電流が逆向きに変わるのがわかる。 ひとつの式で表すと狐につままれた気分がするが、以下の様に表せば親切である 2つの式は定義域が重なっていないことに注意。t=Tは不連続点である。 |
webadm | 投稿日時: 2012-9-5 6:16 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3093 |
RL並列回路、初期値および最終値の定理 次はRL並列回路の問題
図のような回路のスイッチをt=0で閉じたとき、R1,R2に流れる電流i1,i2を求めよ。またt=0,t=∞のときの電流を求め、初期値、最終値の定理の正しいことを確かめよ。 というもの。 未知の関数がi1,i2とあるように見えるが、実際には片方が決まればもう片方がきまる。それらを決定するのがE.R1,R2,Lの定数であることが直感的に予想がつく。 ではどうやってそれを確かめるかが問題だ。 i1がR1に流れることによって電圧降下R*i1が生じることはOhmの法則からわかる。同時にR2にi2が流れるとR2*i2の電圧降下が生じる。これらの和は電圧源Eと常に等しくなるはずだからi1とi2は互いにもう片方で表せてしまうからだ。 この事実を使って回路方程式をたてると 従って第一式をLaplace変換を使ってi1を解くと ということになる。従ってi2は ということになる。 まってあまった解き方だけど別解だからよしとしよう。 さて題意の初期値と最終値は ということになる。 初期値と最終値定理から求めると ということになる。 つまり初期値、最終値定理は正しいことが確かめられた。 過渡現象の演習問題の時のように行列とベクトルを使って関数ベクトル方程式をたてて解いたほうが簡潔かもしれない。少なくとも著者の解よりは見通しが良いはずだ。それは読者の課題としよう( ´∀`) P.S δ関数はなるべくつかうまいと宣言しておきながら、どうしても使わざるを得ない局面では使うとも宣言した。入力が大きさEのステップ電圧入力であることから、i2の式にも電圧入力が含まれるのでそれと併せて単位ステップ関数U(t)が含まれることになる。それを微分するとδ(t)となるわけである。 |
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