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webadm | 投稿日時: 2012-9-7 9:21 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3094 |
RLC直並列回路 次はRLC直並列回路
図のような回路のスイッチをt=0で閉じるとき、インダクタンスL、抵抗Rを流れる電流を求めよ。ただし、キャパシタンスCには初期電荷はないものとする。 というもの。 以下の関係が成り立つ 2つの式をそれぞれLaplace変換すると これを行列とベクトルを使って書き直すと ということになる。これをIについて解くと ということになる。Laplace逆変換の見通しが良くなるように、「意図的に1を乗じる」テクニックを使って式を書き換えている。 あとはこれをLaplace逆変換すればよく ということになる。これは不足減衰の場合である。 同様に過減衰の場合 ということになる。 最後に臨界減衰の場合 ということになる。 最後の臨界減衰については、極限操作以外の方法を試してみたがうまくいかなかった。それは読者の課題としよう( ´∀`) P.S 著者の解では最終的にどうLaplace逆変換結果を得たのかは省略している。おそらくは、分母の式はそのまま、分子の式だけを(s+a)とaに分けて2つの有理式として変換対と推移定理を使ったのだと思われる。 なので基本的にs領域での連立方程式を解いて、あとは個別にLaplace逆変換という流れでは著者の解と同じであり別解とは言えないかもしれないが、行列とベクトルを使ってすっきり見通しよくしたという点が異なる。時間領域での連立微分方程式はs領域ではただの連立一次方程式になるので、s領域で解いてそれをLaplace逆変換した方が遠回りに見えて近道というわけである。無論Heavisideの演算子法の方がもっと近道ではある。 Laplace変換を使って問題を解くと、プログラム的なので誰がやっても大まかな流れは同じということになるのは致し方がない。 P.S 著者はsin(xt)/xに関するx→0の極限値を導く式を示しているがそこには間違いがあることを注意しておく。 正しくはl'Hospitalの定理を用いて あるいは である。 |
webadm | 投稿日時: 2012-9-9 16:31 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3094 |
続:LC直列回路 次はちょっと変わったLC直列回路。LC並列回路かもしれない。
図の回路において、インダクタンスL1,L2には電流は流れていないものとする。いまt=0でスイッチを閉じたときL1,L2にはいくらの電流がながれるか。ただし、キャパシタンスCの初期電荷をQとする。 というもの。 以下の関係が成り立つ 両辺をそれぞれLaplace変換すると これを行列とベクトルで書き直すと これをIについて解くと ということになる。 これをそれぞれLaplace逆変換すると ということになる。 Cの初期電荷が-Qと充電時とは逆極性(電流の向きが逆方向)になる点に注意。 さらに別解として、下の図の様にCの初期電荷として直列にQ/Cを電圧として持つ電源を回路に挿入、C自体からは初期電荷を取り去った回路で立式する方法がある。それは読者の課題としよう( ´∀`) P.S Heavisideの演算子法では立式時点で不変量として初期電荷が右辺に現れる必要があったが、Laplace変換では積分関数のLaplace変換時に積分定数が現れるのでそれに初期条件を与えれば良いので楽である。 |
webadm | 投稿日時: 2012-9-9 18:47 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3094 |
続:断続部のある回路 次は断続部を伴った回路の問題
図の回路は定常状態にあるものとして、t=0でスイッチSを閉じるとどうのような電流が流れるか。 というもの。 スイッチを閉じた後以下の関係が成り立つ これをLaplace変換すると これを行列をベクトルで書き直すと これをIについて解くと ということになる。 あとはこれをLaplace逆変換すればよく ということになる。 これに素子定数を代入すると ということになる。 素子数が多くなると式の係数が複雑になるが、最初から素子定数を代入するとどこでどう間違ったか追跡するのが大変なので、数値は最後に代入する主義である。もちろん最終的な解がどんな形になるかを先に見極めるためには有効な手段である。電験などのように短い時間で回答を得るような試験問題の場合にも後者が当てはまる。 |
webadm | 投稿日時: 2012-9-9 21:07 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3094 |
続々:断続部のある回路 次も断続部のある回路の問題
図の回路におけるスイッチはA側に接続されたままで定常状態にある。いまt=0でスイッチをB側に接続するとき流れる電流を求めよ。 というもの。 E1とE2の電源の極性が異なるひっかけ問題である。電流iの向きに注意。 スイッチをBに切り換えた以降以下の関係が成り立つ これをLaplace変換してI(s)について解くと ということになる。 これをLaplace逆変換すれば ということになる。 これに回路の素子定数を代入すると ということになる。 P.S キャパシタンスの初期電荷はs領域ではキャパシタンスの初期電圧の項として現れる。インダクタンスの初期電流はそれとは異なり、s領域では鎖交磁束の交として現れる。最初からs領域から回路方程式をたてる場合にはこれが利用できる。 |
webadm | 投稿日時: 2012-9-9 23:33 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3094 |
RC並列回路 次はRC並列回路に関する問題
静止状態にある図の回路において、t=0でスイッチを閉じて直流電圧Eを加えたときキャパシタンスC1,C2の両端の電圧および流れる全電流iを求めよ。 というもの。 以下の関係が成り立つ これをLaplace変換すると これを行列とベクトルで書き直すと これをVについて解くと ということになる。 これをLaplace逆変換すると ということになる。 著者の解とはi(t)の一部が異なっている。 これはC1とC2が初期電荷無しで電源に直列に接続されているため、t=0でe1(0)=e2(0)=0で短絡状態となるため無限大の電流が流れようとするためである。それに初期条件としてe1(0)=e2(0)=0としたはずなのに蓋を開けてみればe1(0)+e2(0)=Eと矛盾した結果になっている。著者はこの矛盾に気づいていないか、知っていても華麗にスルーしていると思われる。この矛盾を解消するのは読者の課題としよう( ´∀`) |
webadm | 投稿日時: 2012-9-10 4:02 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3094 |
相互誘導回路 次は相互誘導回路に関する問題
図の回路はスイッチS1を閉じたままで定常状態にある。t=0でスイッチS1を開くと同時にスイッチS2を閉じると各回路の電流i1,i2はどうなるか。 というもの。 いつも通り等価回路で考える t=0以降で以下の関係が成り立つ これをLaplace変換すると これを行列とベクトルで書き直すと ということになる。 これをIについて解くと ということになる。 あとはこれをLaplace逆変換すればよく(最初に「意図的に0を加える」と「意図的に1を乗じる」テクニックを使う) ということになる。 著者の解とはだいぶ見た目が異なるが、指数関数表現のままとどめるか双曲線関数に整理するかの違いでしかない。後者の方がより見通しが良いことは確かである。 著者の結果にもうちょっと手を加えれば上と同じ結果が得られることは容易に確かめることができる。それは読者の課題としよう( ´∀`) P.S 抵抗とインダクタンスだけの回路なので基本的に一次遅れ系だから振動的な解が現れるはずはない。しかし見かけ上分母にsの二次式が現れるのでついついs^2+ω^2の形にしてしまう誘惑に駆られるが、L1*L2 > M^2という相互誘導回路の性質からL1*L2-M^2>0となることから、s^2-ω^2の形が正解であると気づく。そうしないと計算時に虚数単位が出て来て実数値でなくなり結局は最初からやり直すことになる。 |
webadm | 投稿日時: 2012-9-11 15:26 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3094 |
続:RL直列回路 再びRL直列回路で今度は交流電源入力の問題
RL直列回路に次ぎの電圧を加えるときに流れる電流を求めよ。 e=Em sin(ωt+θ) というもの。 以下の関係が成り立つ これをLaplace変換してI(s)について解くと 従ってこれをLaplace逆変換すると ということになる。 ちなみに著者の最初の解法による結果はsin(θ-φ)の極性が間違っているので注意。著者がその後提示している別解の方は正しい。 P.S Laplace変換の畳み込み積分の性質を利用すると見通しよく解ける。畳み込み積分は尻込みしそうだが、Laplace変換においてはtが補助変数になるので積分の外に出せ、部分積分だけ出来れば恐れることはない。 |
webadm | 投稿日時: 2012-9-12 5:39 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3094 |
まだまだ:断続部のある回路 次は断続部のある回路の交流版
定常状態にある図のような回路のスイッチをt=0で閉じた。各回路に流れる電流i1,i2を求めよ。 というもの。 t=0以降で以下の関係が成り立つ これをLaplace変換すると これを行列とベクトルで書き直すと これをIについて解くと ということになる。 これをLaplace逆変換すると ということになる。 あとはパラメータを代入するだけ それにしてもたった3素子の回路なのに何でこんなに複雑なんだ。ここまで来るのに何度も間違いを犯してしまった。幸いMaximaのinverse Laplace transform機能を使って得た結果(こっちも複雑だが)と比較できるから良いが。 ということになる。 数値計算が間違えまくりで大変だった。これは最初に立式段階で代入しておくのが正解だ。こんなに複雑になるとはまるで予想がはずれた。 ちなみに著者は有効数字というのを知らないのが、有効数字がばらばらである。有効数字が多いにこしたことはないが、一次遅れ系の応答なので誤差はそれほど影響しない。 著者の解法で目を引くのは、i_1(0)を求めるのにsin(arctan(ωL/R1))ではなく、sin(arcsin(ωL/sqrt(R1^2+ω^2L^2)))を用いて面倒な三角関数を無くしている点である。これは真似したかったな。 P.S i1とi2の比はR1/(R1+R2)なので著者の様にi1だけもしくは、i2だけ先に計算して、もう片方は比率を乗じるだけというのも賢明な方法である。 電験とか資格試験では短時間に数値解を得る問題が多いので、最終結果を早く見る方法が好まれる。解析は二の次なのだ。それだから電気回路理論はもうこれ以上易しくならないし、つぎはぎだらけ穴だらけの構造のままである。これを再構築するアイデアはあるが、今はその時間が惜しい。 (続く) |
webadm | 投稿日時: 2012-9-14 5:46 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3094 |
続:RLC直列回路 次は別のRLC直列回路の解析問題。めずらしくδ関数が登場する。
RLC直列回路にインパルス電圧Eδ(t)を加えたときに流れる電流をもとめよ。ただし、この回路は静止状態にあるものとする。 というもの。 δ(t)はt=0でのみ無限大をとり、それ以外では0という単位ステップ関数(U(t))の導関数のようなもの。 このインパルス入力に対する回路の応答はインパルス応答と呼ばれ回路固有の特性を表す重要な概念である。 以下の関係が成り立つ 単位ステップ関数の導関数を扱う場合には、最初の問題の時の様に、定義区間を[-0,∞]としてLaplace変換する必要がある。t=-0ではi(-0)=0でありU(-0)=0となるからである。 Laplace変換しI(s)について解くと ということになる。 なんのことはない、ステップ電圧入力の時と比べて1/sがかかっていないだけである。 これを「意図的に0を加える」と「意図的に1を乗じる」テクニックを交えてLaplace逆変換すると ということになる。これは過減衰のケースである。 不足減衰のケースは、上記の式の途中から ということになる。 臨界減衰のケースは、 ということになる。 最初部分分数展開を使ったら遠回りになってしまったので、最初からやり直したら著者も同じアプローチだった...orz Laplace変換の場合には最初の段階で変換対を意識して式を変形していくところでだいたいの結果が見えてくるので、誰がやっても同じように見えるのは致し方がない。そう言う意味ではシステマティックな方法である。 |
webadm | 投稿日時: 2012-9-15 4:42 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3094 |
続々:RL直列回路 早い者で演習問題のあと残すところ3問となってしまった。前問と同様にインパルス電圧入力のRL直列回路の問題
図のRL直列回路において、スイッチを閉じて、(1)インパルス電圧Eδ(t)を加えた場合に流れる電流を求めよ。また(2)指数電圧e=30e^-50tを加えた場合はどうなるか。 というもの。 良く読むと問題は2つあって、ひとつはインパルス電圧入力ともうひとつは指数関数電圧入力である。 インパルス電圧入力の場合、s領域からいきなり始めると ということになる。 一方題意の指数関数入力の場合 ということになる。 著者は(1)に素子定数を代入するのを忘れている。(2)はちゃんと素子定数を代入しているのに。 (1)と(2)の解を見比べてみると似ている様でだいぶ違うのがわかる。 |
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