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webadm | 投稿日時: 2012-9-9 16:31 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3097 |
続:LC直列回路 次はちょっと変わったLC直列回路。LC並列回路かもしれない。
図の回路において、インダクタンスL1,L2には電流は流れていないものとする。いまt=0でスイッチを閉じたときL1,L2にはいくらの電流がながれるか。ただし、キャパシタンスCの初期電荷をQとする。 というもの。 以下の関係が成り立つ 両辺をそれぞれLaplace変換すると これを行列とベクトルで書き直すと これをIについて解くと ということになる。 これをそれぞれLaplace逆変換すると ということになる。 Cの初期電荷が-Qと充電時とは逆極性(電流の向きが逆方向)になる点に注意。 さらに別解として、下の図の様にCの初期電荷として直列にQ/Cを電圧として持つ電源を回路に挿入、C自体からは初期電荷を取り去った回路で立式する方法がある。それは読者の課題としよう( ´∀`) P.S Heavisideの演算子法では立式時点で不変量として初期電荷が右辺に現れる必要があったが、Laplace変換では積分関数のLaplace変換時に積分定数が現れるのでそれに初期条件を与えれば良いので楽である。 |
webadm | 投稿日時: 2012-9-7 9:21 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3097 |
RLC直並列回路 次はRLC直並列回路
図のような回路のスイッチをt=0で閉じるとき、インダクタンスL、抵抗Rを流れる電流を求めよ。ただし、キャパシタンスCには初期電荷はないものとする。 というもの。 以下の関係が成り立つ 2つの式をそれぞれLaplace変換すると これを行列とベクトルを使って書き直すと ということになる。これをIについて解くと ということになる。Laplace逆変換の見通しが良くなるように、「意図的に1を乗じる」テクニックを使って式を書き換えている。 あとはこれをLaplace逆変換すればよく ということになる。これは不足減衰の場合である。 同様に過減衰の場合 ということになる。 最後に臨界減衰の場合 ということになる。 最後の臨界減衰については、極限操作以外の方法を試してみたがうまくいかなかった。それは読者の課題としよう( ´∀`) P.S 著者の解では最終的にどうLaplace逆変換結果を得たのかは省略している。おそらくは、分母の式はそのまま、分子の式だけを(s+a)とaに分けて2つの有理式として変換対と推移定理を使ったのだと思われる。 なので基本的にs領域での連立方程式を解いて、あとは個別にLaplace逆変換という流れでは著者の解と同じであり別解とは言えないかもしれないが、行列とベクトルを使ってすっきり見通しよくしたという点が異なる。時間領域での連立微分方程式はs領域ではただの連立一次方程式になるので、s領域で解いてそれをLaplace逆変換した方が遠回りに見えて近道というわけである。無論Heavisideの演算子法の方がもっと近道ではある。 Laplace変換を使って問題を解くと、プログラム的なので誰がやっても大まかな流れは同じということになるのは致し方がない。 P.S 著者はsin(xt)/xに関するx→0の極限値を導く式を示しているがそこには間違いがあることを注意しておく。 正しくはl'Hospitalの定理を用いて あるいは である。 |
webadm | 投稿日時: 2012-9-5 6:16 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3097 |
RL並列回路、初期値および最終値の定理 次はRL並列回路の問題
図のような回路のスイッチをt=0で閉じたとき、R1,R2に流れる電流i1,i2を求めよ。またt=0,t=∞のときの電流を求め、初期値、最終値の定理の正しいことを確かめよ。 というもの。 未知の関数がi1,i2とあるように見えるが、実際には片方が決まればもう片方がきまる。それらを決定するのがE.R1,R2,Lの定数であることが直感的に予想がつく。 ではどうやってそれを確かめるかが問題だ。 i1がR1に流れることによって電圧降下R*i1が生じることはOhmの法則からわかる。同時にR2にi2が流れるとR2*i2の電圧降下が生じる。これらの和は電圧源Eと常に等しくなるはずだからi1とi2は互いにもう片方で表せてしまうからだ。 この事実を使って回路方程式をたてると 従って第一式をLaplace変換を使ってi1を解くと ということになる。従ってi2は ということになる。 まってあまった解き方だけど別解だからよしとしよう。 さて題意の初期値と最終値は ということになる。 初期値と最終値定理から求めると ということになる。 つまり初期値、最終値定理は正しいことが確かめられた。 過渡現象の演習問題の時のように行列とベクトルを使って関数ベクトル方程式をたてて解いたほうが簡潔かもしれない。少なくとも著者の解よりは見通しが良いはずだ。それは読者の課題としよう( ´∀`) P.S δ関数はなるべくつかうまいと宣言しておきながら、どうしても使わざるを得ない局面では使うとも宣言した。入力が大きさEのステップ電圧入力であることから、i2の式にも電圧入力が含まれるのでそれと併せて単位ステップ関数U(t)が含まれることになる。それを微分するとδ(t)となるわけである。 |
webadm | 投稿日時: 2012-9-4 5:54 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3097 |
断続部のある回路 次は難しいそうな断続部のある回路
過渡現象の演習問題ではまったよね 静止状態にある図のような回路において、t=0でスイッチS1を閉じ、t=TでスイッチS2を閉じると同時にS1を開くとき、キャパシタンスCに流れる電流iはどうなるか。 というもの。 これは以下の様にRC直列回路にパルス状の電圧が加わったのと同じである。 もしくはE*U(t)というステップ電源と-E*U(t-T)という反転ステップ電源の重ね合わせと同じである。 最初に時間領域で回路方程式をたてると ということになる。これを複素周波数領域の回路方程式に変換するためには両辺をLaplace変換すればよい、どちらもLaplace変換の変換対表や性質から複素周波数領域の電流I(s)は ということになる。 あとはこれを時間領域に戻すだけであるが変換対と推移定理を使えば簡単 ということになる。 基本は時定数RCで決まる指数関数的に電流の絶対値は減少していく。t=Tを境に電流が逆向きに変わるのがわかる。 ひとつの式で表すと狐につままれた気分がするが、以下の様に表せば親切である 2つの式は定義域が重なっていないことに注意。t=Tは不連続点である。 |
webadm | 投稿日時: 2012-9-4 5:29 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3097 |
RLC直列回路 お次はRLC直列回路
図のようなRLC直列回路のスイッチをt=0で閉じたとき、流れる電流を求めよ。ただし、この回路は静止状態にあるものとする。 というもの。 もう演習問題の後半である。慣れたのでこれも直接複素周波数空間から考えてみよう。 ということになる。これに題意の回路の素子定数を代入すると ということになる。 最終的な解が簡単になるように予め素子定数が選ばれている。 著者は最初から素子定数を式に入れて解いているが、それは気にいらない。一般的に定式化した上で特定のケースを考えるのが良い。 もちろん問題を簡単にするために、素子数が沢山あって、全てに係数名をつけると式がとんでもなく複雑になり数式処理ソフトですら扱い切れない場合には、初期の段階で値を代入してしまって最終的にどんな感じの関数になるのか答えの一歩手前を覗き見する手段ならありえる。 P.S 上の解法では予め回路が振動的となるような素子定数を想定して式を変形してある。なので臨界減衰のケースではそのままでは使えない(L/C-(R/2L)^2=0の場合)。変形していない元の式を使うか、以下の様に極限操作を行う必要がある。 |
webadm | 投稿日時: 2012-9-3 5:02 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3097 |
LC直列回路 次は直列回路の解析
図のLC直列回路において、t=0でスイッチを閉じ直流電圧Eを加えるときどのような電流が流れるか。ただし、キャパシタンスCの初期電荷は0とする。 というもの。 もう慣れたので直接s領域で回路方程式をたててみよう。 ということになる。 s領域の式は以前一端子対回路でリアクタンス関数を学んだ時に複素周波数sを使ったのを思い出せば簡単である。ベクトル記号法の場合にjωとしていた部分をsに置き換えるだけで済むので簡単だ。 このやり方だとHeavisideの演算子法と遜色無い。 |
webadm | 投稿日時: 2012-9-2 22:17 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3097 |
RC直列回路 次はRC直列回路の問題
RC直列回路にt=0で直流電圧Eを加えるとき流れる電流iを示せ。ただしキャパシタンスCには初期電荷Qがあるものとする。 というもの。 前問と同じ手順で解くことができる。前問では初期条件が0だったが、今度は0ではない初期条件が与えられている点に注意。 以下の関係が成り立つ 未知関数i(t)のLaplace変換をとりあえずI(s)とすれば、時間積分のLaplace変換の性質を使って ということになる。 積分関数のLaplace変換と導関数のLaplace変換とでは初期値項の極性が異なる点に注意。 この問題の場合には、いくつも別解が考えられる。 例えば、Cに蓄積されている電荷q(t)を未知関数として方程式をたてても良い。その場合には、電流iは電荷の導関数となる。 q(t)のLaplace変換をQ(s)とすれば と同じ結果が得られる。 慣れてくると回路を見ただけで回路方程式がs空間でたてられるようになる。 上の電荷を未知関数としてLaplace変換した結果には興味深い項が表れることに注意。 電荷のLaplace変換の第一項は電圧Eが加わることによって蓄えられた電荷量を表し、第二項は、Cが最初から蓄えていた電荷量を表している。それらは重ね合わせとして扱えることを示している。 これらの性質を理解すれば時間領域で回路方程式をたてるのではなく、最初からs空間で回路方程式をたててしまうことが出来るようになる。そうしればLaplace変換のstepを省くことが出来る。あとはs空間で未知関数を解いて、それをLaplace逆変換すればよいことになる。 テキストによっては最初からそうした方法が提示されているものがあり、時間領域の回路方程式と良く似ているため勘違いをし易い。まさしくそれは19世紀に先駆けてHeavisideが演算子法で見ていた世界なのではあるが。 もうひとつの別解は、RもしくはCの両端の電圧を未知関数として方程式をたてる方法。この場合、電流はRの両端であれば、Rで除算、Cの両端であればCで除算すればえられることになる。これは読者の課題としよう( ´∀`) |
webadm | 投稿日時: 2012-9-2 22:03 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3097 |
RL直列回路 次はLaplace変換を応用してのRL直列回路の解析問題
RL直列回路にt=0で直流電圧Eを加えるとき流れる電流を示せ。 というもの。 手順としてはHeavisideの演算子法と流れは一緒 step1: 未知関数i(t)に関する回路方程式をたてる step2: 未知関数i(t)のLaplace変換をI(s)として回路方程式の両辺をLaplace変換する step3: 未知関数のLaplace変換I(s)について解く step4: 未知関数のLaplace変換I(s)の式をLaplace逆変換する 以下の関係式が成り立つ これをLaplace変換すると ということになる。最後まで初期値i(0)=0を残したままだが、問題によっては初期電流が与えられているケースがあるので、それはどの段階で代入しても構わないことになる。 Heavisideの演算子法だと初期条件i(0)=0の場合にはよいが、初期条件i(0)≠0の場合には、右辺に初期鎖交磁束Li(0)を与える積分方程式をたてないといけなかった。 |
webadm | 投稿日時: 2012-9-2 20:47 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3097 |
パルス波 次は単発のパルス波のLaplace変換
以下のような三角パルス電圧をLaplace変換せよ というもの。 前問の(b)で出てきたのこぎり波の一周期分のLaplace変換を求めるのと同じだが著者は前門とは別解で求めている。 となると著者とは別解で解かないといけないのが難問だ。 著者の様に難しく考えずに単純に考えればt>T以降を相殺するばいいので ということになる。 ちなみに著者の解は1項目と二項目の間の"+"が欠損していて誤った式になってしまっている。明らかに誤植である。 |
webadm | 投稿日時: 2012-9-2 19:17 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3097 |
続:周期関数 次も周期関数の問題
図(a),(b)のような半波整流波とのこぎり波をLaplace変換せよ というもの。 任意の周期関数のLaplace変換の性質を用いれば前問と同じように step1:繰り返し関数の単一周期のみのLaplace変換F0(s)を求める step2:繰り返し関数のLaplace変換の性質からF0(s)/(1-e^{-Ts}) というプログラムで求めることができる。 (a)について ということになる。 一方(b)については ということになる。 P.S 任意の繰り返し関数のLaplace変換を求めるのは、右辺に任司の繰り返し関数が現れるような非同次微分方程式を解く際に有用である。 |
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