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webadm
投稿日時: 2012-11-12 8:21
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3089
定在波比
次は定在波比に関する問題

特性インピーダンスZ0の無損失線路での電圧を測定したところ、最大値|Emax|、最小値|Emin|であった。負荷に供給される電力Paを求めよ。

というもの。

問題文では定在波比とは言っていないが、|Emax|と|Emin|は定在波の極大値である波復、極小値である波節のことであり、特性インピーダンスと伝搬定数と定在波比から負荷に供給される有効電力を導けという意に解釈できる。

計算と言えば計算だが、具体的な数値はひとつも無いので、代数的に導くことになる。

ちょっと一筋縄ではいかないような気がする。

問題を解くには答えの一歩手前の検討がつけばそこへ持ち込む方法を探ればよいことになる。

有効電力を求めるには受電端における電圧と電流の実効値が必要になる。



さて問題は受電端の電圧と電流、ER,IRはどうやって導くかだ(;´Д`)

定在波の波復と波節が与えられているのだから、定在波比の関係式を思い出すと



ここにヒントがあるはず。

先の有効電力の式中の電圧ERと電流IRを入射波Eiと反射波Erで置き換えてみると



先の定在波比の式より



ということになる。

P.S

一般的な線路ではZ0は実数ではなく複素数であるため上の関係式はなりたたない。題意にあるように無損失線路の場合であればそれが成り立つ。

また無損失線路なので線路内で電力は消費されないため、線路に供給される電力はそのまま負荷へ供給されれ、負荷から反射した電力はそのまま送電端へ戻ることになる。従って線路上の任意の点での有効電力がそのまま負荷の有効電力と等しくなる。これも損失を伴う一般の線路では成り立たない。同軸ケーブルのように損失が無視できる程度に少ない場合には無損失線路として近似してもよいかもしれない。

受電端を短絡もしくは開放した場合にはどちらも全ての電力が送電端方向へ反射することには代わりない。また負荷が純リアクタンスの場合も電力は消費されないからPa=0となるはず。負荷インピーダンスの実数部が0以外の場合のみ負荷で有効電力が消費される。実際に色々な負荷を無損失線路の受電端に接続した場合の定在波がどうなるか計算するのは読者の課題としよう( ´∀`)

webadm
投稿日時: 2012-11-13 8:00
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3089
続:反射係数、透過係数
次は反射係数と透過係数の計算問題

図に示すように特性インピーダンスZ01,Z02の線路の間に4端子定数A,B,C,Dなる2端子対回路を挿入した。電圧反射係数mv,電圧透過係数tvはどうなるか。



というもの。

まずもって題意がよく判らない(;´Д`)

どうすんだこれ。

気候が急変したのでIQがまた急降下しているに違いない。

まずもって電圧反射係数ってなんですか(;´Д`)

それは定義上は反射波の電圧Erと入射波の電圧Eiの比であることはわかる。



電圧透過係数は透過波の電圧Etと入射波の電圧Eiの比である。



そこで問題になるのが透過波の電圧Etの定義である。

著者は理論のページで透過波の電圧Etは登場させているがその定義は示していない。それを演習問題で出すとはどういう魂胆なんだか。

他のテキストでは反射波が生じる2つの異なる線路の接続点にかかる電圧で入射波の電圧Eiと反射波の電圧Erの合成(Ei+Er)のことだと書いてある。

こっからがわがんね(;´Д`)

どうやら以下のように考える必要がある。

まず線路1と線路2の間に挿入された2端子対回路は集中定数回路と見なすことができるので、線路1と線路2の接続点に挿入されていると考えることができる。

また線路2は特に明記されない限り無限長線路と考えることができ、従って反射波はなく、2端子対回路の出力そのものが透過波ということになる。

従って以下の等価回路に書き直すことができる。



2端子対回路は1点にのみ存在するので大分薄っぺらくなって居る。

この等価回路で以下の関係が成り立つ



ここで電圧反射係数mvと電圧透過係数tvを使って書き換えると



ということになる。

これをmvとtvに関して解くと



ということになる。

P.S

関係式をtvとmvに関する式に書き換えて線型代数的にストレートに結果を得た点が著者のアプローチとは異なるのでよしとしよう。

それ以外の解法について考えるのは読者の課題としよう( ´∀`)
webadm
投稿日時: 2012-11-19 0:12
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3089
電圧反射係数、電流反射係数、定在波比
次は電圧反射係数、電流反射係数、それに定在波比の計算問題

特性インピーダンスZ0の線路を次ぎの負荷インピーダンスZLで終端した。電圧反射係数mv,電流反射係数miおよび定在波比ρvを計算せよ。

(1) ZL=0 (終端短絡) (2) ZL=Z0/2 (3) ZL=Z0 (整合)
(4) ZL=2Z0 (5) ZL=∞ (終端開放)

というもの。

さてこれはどういうストラテジーで臨めばよいだろうか。

先に答えの一歩手前を見ることにしよう。

電圧反射係数mv,電流反射係数miそれに定在波比ρvはそれぞれ



と定義されることを思い出そう。

問題の回路は、前問で2つの線路間に2端子対回路を挿入した場合と等価である。2端子対回路を単なるパススルーの回路として、線路2を特性インピーダンスZLの無限長線路としたのと等価である。



従って前問の結果を用いるとパススルーの2端子対回路の4端子定数はA=1,B=0,C=0,D=1であるので、電圧反射係数mvは



ということになる。

従って題意のZLを上記の結果に適用すれば良いことになる。

(1) ZL=0の場合



(2) ZL=Z0/2の場合




(3) ZL=Z0の場合



(4) ZL=2Z0の場合



(5) ZL=∞の場合



ということになる。

アンテナ回路とかでVSWR=1に近づけるように苦心するのはインピーダンスマッチングを取るためであることがわかる。(1)と(5)のケースは大電力が送信端から供給される場合いずれも大変危険なケースと考えられる。線路上の最大電圧が整合がとれている時と比べ2倍になるからである。

P.S

電圧反射係数については定義式を思い出すことが容易だが、電流反射係数については暗記していても、最初から導出せよというと記憶が怪しくなる。幸いにしてどちらか一方がわかれば他方もわかるので実務上は問題ないのだが。
webadm
投稿日時: 2012-11-19 5:37
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3089
電圧定在波比
次は電圧定在波比を求める計算問題

特性インピーダンスZ0=75[Ω]の線路の受電端にZR=40+j50[Ω]の負荷を接続するときの電圧定在波比ρvを求めよ。

というもの。

これは前問と同じ回路モデルなので



ということになる。

75Ωの特性インピーダンスというと映像系とかの同軸ケーブルがすべからく75Ωだったような。無線系では50Ωが使われる。映像系だとやはり定在波比が悪いと画質に悪影響が出ると思われる。

P.S

こういう計算は電卓がないとつらいかもしれない。昔の人は計算尺をつかったのだろう。
webadm
投稿日時: 2012-11-20 10:00
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3089
続:電圧定在波比
次も電圧定在波比の計算問題

無損失線路を抵抗RLで終端した。終端での電圧定在波比ρvはいくら。ただし単位長さ当りのインダクタンスL、キャパシタンスCとする。

というもの。

電圧定在波比を求めるには電圧反射係数を求めればよい。電圧反射係数は前問と同様に線路の特性インピーダンスをZ0とすれば



ということになる。

ここで無損失線路の特性インピーダンスは



であるからして、電圧反射係数は



ということになる。

従って電圧定在波比は



ということになる。

著者の解では負荷抵抗が特性インピーダンスと等しいケースがすっぽり抜けていることに注意。
webadm
投稿日時: 2012-11-23 18:49
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3089
続々:電圧定在波比
次も電圧定在波比の問題

下図に示すように特性インピーダンスが純抵抗R1,R2で位相定数がβ1,β2なる線路を接続し、RLで終端した。各線路の電圧定在波比を求めよ。



というもの。

今までの問題では一つの線路に関して定在波比を求めるものだったが、今度のは2つの線路についてそれぞれ求める必要がある。

電圧定在波比は各線路の電圧反射係数をmv1,mv2とすれば



ということになる。

従ってこの問題は各線路の電圧反射係数を求める問題に帰着することになる。

さてどうやって各線路の電圧反射係数を求めるかが問題だ。

線路1の電圧反射係数は以下の様に線路2を二端子対回路に置き換えた等価回路から導くことができる



線路1と線路2の接続点において以下の関係が成り立つ



ところで2つの線路は無損失線路なので線路2への入射波は受電端への入射波と等しいので、上の式を線路1の電圧反射係数mv1と電圧透過係数tv1を成分とするベクトルで書き直すと



これをmv1,tv2について解くと



ということになる。

従って線路1の電圧定在波比ρ1は



ということになる。

著者は電圧反射係数を電流反射係数の公式を誤って用いて計算しているが、絶対値は同じなので電圧定在波比はどちらを用いても同じ結果が得られる。絶対値を計算するのが面倒でMaximaを使って得られた中間結果から手作業で整理した。Maximaに整理すると倍角のcos関数を使った表現にしてくれる。それはそれで同値である。

線路2の電圧反射係数は負荷との接続点に関して以下の式が成り立つことから



これをmv2,tv2について解くと



ということになる。

従って線路2の電圧定在波比は



ということになる。

著者は例によってRL=R2のケースを忘れている。

この問題と同じ回路は、アンテナなどのインピーダンスマッチングをとるためのケーブル(線路2)を給電ケーブル(線路1)とアンテナ(RL)の給電点の間に挿入する場合に実際用いられる。β2は挿入するケーブルによって決まり、長さl2を調整することによって給電ケーブル(線路1)上の電圧反射係数を最小にすることができる。そのようなl2を導く演習は読者の課題としよう( ´∀`)

P.S

電圧反射係数と電圧透過係数を成分とするベクトルは二端子対回路の電圧と電流を要素とするベクトルのようにそれ自身が空間を張ることがわかる。今日の分布定数回路設計で用いられるSパラメータはちょうどそのようなベクトルが張る空間における線型写像を表す行列の一種である。
webadm
投稿日時: 2012-11-24 4:54
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3089
まだまだ:電圧定在波比
次も電圧定在波比に関する問題

特性インピーダンスZ0の無損失線路に負荷抵抗R1を接続したとき電圧定在波比はρvであった。負荷抵抗をR2に変化してもρvが変化しなかったとするとき、R1とR2の間にどのような関係があるか。

というもの。

やはり以前の問題から登場する電圧定在波比の公式を思い浮かべれば題意がつかめる。

無損失線路を抵抗で終端する回路は以前の問題にも共通して登場する。

R1とR2で終端したときのそれぞれの電圧定在波比は



ということになる。ここでmv1およびmv2はR1,R2で終端したときのそれぞれの電圧反射係数で



ということになる。

これを先の電圧定在波比の式に適用すると



従って題意の条件を満たすのはR1≠R2の場合



ということになる。

これはどこかで見覚えがある。なんの条件式だったか思い出すのは読者の課題としよう( ´∀`)

webadm
投稿日時: 2012-11-24 7:43
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3089
反射係数とインピーダンスの関係
次は反射係数とインピーダンスの関係に関する問題

特性インピーダンスZ0,位相定数βの無損失線路を電圧反射係数mvの負荷で終端するとき、受電端より距離lで送電端からみたインピーダンスZsを求めよ。

というもの。

オリジナルの問題文は日本語としておかしいので少し訂正して題意が正確に伝わるようにしている。言葉は出題者と読者を結ぶ唯一のコミュニケーション線路だから誤りがあってはいけない。

これまでの問題とは違って、負荷は電圧反射係数でのみ与えられている。

題意の回路を図で表すと



ということになる。

受電端側の長さl部分の線路を二端子対回路に置き換えると



ということになる。

したがって



ということになる。

電圧反射係数から負荷抵抗を導出するのは著者と同じアプローチでつまらないが、Zsの式の整理の際に最初直交形式に直してから倍角のsin,cosを指数表現に置き換えていたが、先にcosβl±jsinβlを指数形式exp(±jβl)に置換すればよいのに気づいて書き直した。

もうひとつのアプローチとして位置角を用いる方法や受電端からの距離lにおける電圧反射係数から導く方法があるが、それは読者の課題としよう( ´∀`)
webadm
投稿日時: 2012-11-24 20:19
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3089
インピーダンス整合
次はインピーダンス整合に関する問題

無損失線路の受電端を開放にしたとき、送電端のインピーダンスの絶対値を特性インピーダンスZ0に等しくするには線路の長さをいくらにすればよいか。



というもの。

これも前問と同じように有限長線路を二端子対回路に置き換えた等価回路で考えると



以下の関係が成り立つ



従ってZsの絶対値がZ0に等しくなるには



ということになる。

ここで波長λと位相定数βの関係を思い出すと



ということになる。
webadm
投稿日時: 2012-11-24 22:51
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3089
続:インピーダンス整合
しばらくはインピーダンス整合に関する問題ぽい

単位長さ当りのインダクタンスL,キャパシタンスCの長さlなる無損失線路の両端が短絡しているとき、線路の中央からみたインピーダンスZSを求めよ。また両端が開放の場合はどうか。

というもの。

以前の問題では受電端のみ短絡とか開放というのがよくあったが、今度のは送電端の条件も加わっている。

それの意図するところは何だろう。どうやら線路の中点での駆動点インピーダンスを求めよということらしい。

つまり送電端が中央にあって、線路の両端がそれぞれ受電端であるような回路(二股回路とも言う)の送電端から見たインピーダンスを求めよということらしい。

したがって今までの問題のようにどちらか片方だけみた場合という意味ではないことに注意。ひっかけ問題である。

例によって有限長の線路を二端子対回路に置き換えた等価回路で考えると



終端を開放した回路で中央から片方の終端を見た場合



ということになる。

同様に終端を短絡した回路では



ということになる。

ここで、題意では中央に送電端から見た回路全体の駆動点インピーダンスということなので、両端の回路が並列に接続しているので、片側だけ見た場合の上記のインピーダンスの半分になる。

従って、線路の両端を短絡した場合



ということになる。

同様に、線路の両端を開放した場合



ということになる。

へそ曲がりなので題意を読み違えて片側方向だけ求めて終わってしまうところだった。
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