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投稿者 スレッド
webadm
投稿日時: 2012-11-25 18:35
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3089
続々:インピーダンス整合
次もインピーダンスの計算問題

図のように特性インピーダンスZ0,位相定数βの無損失線路l1,l2の接続点AAからみたインピーダンスZsを求めよ。



というもの。

これは前問と似ているし、判りやすく図も添えてある。

前問との違いは

・二股の線路の長さがl1とl2と違っている
・二股の線路の終端条件がそれぞれ開放と短絡で異なっている

というのがわかる。

ストラテジーとしては前問と同じアプローチが考えられるが、へそ曲がりなので別解を考えてみよう。

どうすんだこれ(;´Д`)

そうだそれは読者の課題としよう( ´∀`)



給電点で二股回路を二分して左右それぞれの駆動点インピーダンスを求めると



ということになる。

従って給電点から見た回路のインピーダンスはその並列接続になるので



ということになる。

どうも寒くなってIQが低下してきてへそ曲がりな頓知もわかない。疲れているのかもしれない。

P.S

並列回路だから伝送行列よりもアドミッタンス行列を使ったアプローチがあるかもしれない。それも読者の課題としよう( ´∀`)

webadm
投稿日時: 2012-11-25 21:12
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3089
まだまだ:インピーダンス整合
更にインピーダンスの問題が続く

図のような回路の送電端インピーダンスZsはいくらか。



というもの。

前問を更に複雑にした回路。二股部分の線路がそれぞれ異なる特性インピーダンスと位相定数を持ち、更に給電線路の特性インピーダンスと位相定数が与えられているもの。

これも以下の等価回路で考えよう。



まず二股回路のインピーダンスを求め、それが給電線路に負荷として接続されているとみなす。



従って送電点からみた回路全体のインピーダンスは



ということになる。

著者の解は回路図を読み間違えたのか勝手に思いこんだのか、R2とR3,β2とβ3を取り違えている。明らかに誤りであることを注意しておく。

P.S

別解として送電点における電圧反射係数を導けば電圧反射係数とインピーダンスの関係式によりたちどころにインピーダンスが得られるはずである。それは読者の課題としよう( ´∀`)

P.S

よく見ると問題文や著者が示した回路図には2組の送電端とおぼしきものがある。そのどちらが送電端であるとも問題文ではふれていないので、そのどちらを送電端としても解答としては成立する。著者の解は左端を送電端としたものである。それとは別に中央の端子を送電端とする解もある。
webadm
投稿日時: 2012-11-25 22:21
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3089
線路の共振、半共振
次は線路の共振と半共振に関する問題

特性インピーダンスZ0=60[Ω]の無損失線路を容量リアクタンスXc=30[Ω]で終端した。この線路を共振、反共振の状態にするのに必要な最小の線路長l1,l2を求めよ。ただし波長はλとする。

というもの。

回路図を描いてみると



ということになる。

共振の場合以下の関係式が成り立つ



従って共振条件の最小線路長l1は



ということになる。

題意の定数を代入すると



ということになる。

同様に反共振の場合も



従って反共振条件となる最短線路長l2は



ということになる。

題意の値を代入すると



ということになる。
webadm
投稿日時: 2012-11-26 4:18
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3089
もうひとつの:インピーダンス整合
次は再びインピーダンス整合の問題

特性インピーダンスZ0=300[Ω]の無損失線路を負荷インピーダンスZR=120+j60[Ω]で終端した。負荷側を見たインピーダンスZが純抵抗となる点とλの関係を示せ。

というもの。

回路図で描いて考えてみよう



これは以下の様に受電端側の線路を二端子対回路に置き換えた等価回路で考えればよい



以下の関係が成り立つ



従ってZが純抵抗になる条件は



ということになる。題意の数値を代入すると



ということになる。
webadm
投稿日時: 2012-12-4 7:58
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3089
分布定数回路の設計
次は分布定数回路の設計に関する問題

長さl[m]の線路の一方を短絡または開放にしたときの他端から見たインピーダンスはjXs,-jXoとなった。この線路の単位長さ当りのインダクタンスLおよびキャパシタンスCを求めよ。ただし角周波数をωとする。

というもの。

今までの問題では単位長さあたりのインダクタンスとキャパシタンスが予め与えられてインピーダンスを求める問題だったが、これはその逆問題である。つまり意図したインピーダンスを持つような線路を設計するのと同じ問題である。

実際の回路設計で分布定数回路を実用化するには、二通りの方法がある。

ひとつは予め与えられた単位長さ当りのインダクタンスL,キャパシタンスCの線路を決めてその長さや終端方法を求めるもの。

もうひとつは、長さと終端方法を決めてから、線路の単位長さ当りのインダクタンスとキャパシタンスを求めるもの。

本問題は後者の方である。それでも電気回路理論としての守備範囲はそこまでで、得られた単位長さ当りのインダクタンスとキャパシタンスを実現する方法は電磁気学理論に頼らざるを得なくなる。従って実際の設計では電磁気学理論も多少なりともかじっていないといけないことになる。題意ではそこまでは要求しておらず、単位長さ当りのインダクタンスとキャパシタンスを導くまでとしている。

さて不定元は単位長さ当りのインダクタンスLとキャパシタンスCであることが明らかになったので、答えの一歩手前としては、それらの不定元と既知のパラメータからなる線型方程式をたてられればよいことになる。不定元は2つなので連立方程式となるはずである。

まず題意にあるように線路の終端を短絡および開放した際のそれぞれの他端から見たインピーダンスを導くと





ということになる。

一般的な線路について求めたのだが、題意からするとそこまでやる必要はなかったかもしれない。題意では長さ当りのインダクタンスLとキャパシタンスCだけ求めればよいので、線路は無損失線路であることがわかる。

せっかくなので、題意の条件で無損失線路であることを確かめてみよう。

終端を短絡および開放した際のそれぞれの駆動点インピーダンスの関係より



ということなので、ZsおよびZoの実数部は0でなければならないことになる。



が成り立つためには



でなければならない。

これはすなわち無損失線路でなければならないことを意味する。

従って



ということになる。

さてようやく答えの一歩手前まできた。ちょうどLとCに関する独立な2つの方程式が導かれたので、あとはそれを解くだけである。

あとはそこに伏兵が潜んでないかどうかが問題だ。



やっぱり伏兵が潜んでいた、この連立方程式はMaximaではそのままでは解けない(;´Д`)

ここは機械的にはいかないので頓知を働かすしかない。

2つの式を共通のtanの式に書き直すと



という結果が得られる。従って



ということになる。これを先のtanの式に代入すると



ということになる。あれ2つの式は同じ式になってしまった。

どうすんだこっから(;´Д`)

いやまてよ、新しい関係式があるじゃないか( ´∀`)



これならもう解けるだろう。

Maximaは開平が含まれると弱いのでこれでも解けない、第二式の両辺を二乗すればMaximaでも解けるようになる。



ということになる。

解にはもうひと組負の値が存在するが、ここではとりあえず受動素子だけで回路を構成することを前提として正の値のペアのみを示した。半導体素子などを使えば負のインダクタンスやキャパシタンスが作り出せるので同じ効果を持つ回路が半導体で実現できることになる。実際に可能かどうかは別として。
webadm
投稿日時: 2012-12-7 5:33
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3089
またまた:インピーダンス整合
インピーダンス整合の問題はまだ続く

特性インピーダンスが純抵抗R0の線路を負荷抵抗RLで終端し、図のように短絡スタブを接続して整合をとりたい。l1,l2を求めよ。ただしスタブの位相定数βは線路のそれと等しいものとする。



というもの。

左側の送信端から見て駆動点インピーダンスが線路の特性インピーダンスR0と等しくなれば整合がとれたことになるので、A-A'点で二股回路の駆動点インピーダンスがR0と等しくなるl1,l2の条件を求めればよいことになる。

これも前問と同様に答えの一歩手前であるl1,l2に関する連立方程式が得られれば良いことになる。

二股回路の短絡スタブ側と負荷抵抗RLで終端された側の線路のそれぞれのA-A'点での駆動点インピーダンスは





ということになる。従って二股回路の合成インピーダンスはZ1,Z2の並列接続になるので



ということになる。

従ってZがR0と等しくなる条件は



ということになる。一応l1,l2に関する連立方程式が得られたが、このままではさすがに解けないので、tanを変数に置き換えると



これをxとyに関する連立方程式として解くと



ということになる。

従ってl1,l2は



ということになる。

この回路は高周波回路でマッチングを取るのに実際に用いられる実用回路である。アマチュア無線のアンテナの給電部に使われているので注意するとそれらしきスタブ線路があるのが確認できる。
webadm
投稿日時: 2012-12-8 20:09
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3089
スミス図表
次はスミス図表に関する問題

特性インピーダンスZ0=300[Ω]の無損失線路に負荷ZR=600+j300[Ω]を接続し、負荷から3λ/4だけ離れた点から負荷側を見たインピーダンスを求めよ。

というもの。

前問の回路を思い出せば、l2の長さを3λ/4にしたときのA-A'点から負荷側を見たインピーダンスを求めよという補題と等価である。



ということになる。

著者はこれと併せてスミス図表から簡単に結果を求める方法を示している。どうやらそれが出題の意図らしい。

理論のときに反射係数と正規化インピーダンスの関係を導いた際に、最初に得られた結果が、線路上のインピーダンスの軌跡は反射係数によって決まる原点を中心とする半径の円周上を描くということである。原点とはスミス図表の中心点にあたる。線路はλ/4で共振と反共振を繰り返すので、λ/2で一周することになる。そうすると終端でのインピーダンスが与えられれば、そこから3λ/4だけ離れた点のインピーダンスは原点の反対方向の円周上の点となることがわかる。

ここではスミス図表を使った求め方を示すことができないので、著者の解説を参照して頂くことにしよう。

しかし著者は理論のときスミス図表を提示したものの、この問題に関する性質はそこでは触れていなかった。なので理論的なバックグラウンドは専門の書に求めるしかないだろう。
webadm
投稿日時: 2012-12-8 20:52
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3089
続:スミス図表
次もスミス図表を使うことを意図した問題

特性インピーダンスZ0=300[Ω]の無損失線路をZR=-j300[Ω]の容量性リアクタンスで終端した。電源から見たインピーダンスがちょうど0にとなる最小の線路長を求めよ。

というもの。



線路を二端子対回路として考えれば以下の関係が成り立つ



従ってZが0となる条件は



ということになる。

これはちょうど共振点を求めることになるので、正規化インピーダンスが-jの点からスミス図表の実軸の左端(R=0,X=0)までの原点を中心とした回転角が線路長ということになる。従ってちょうど90度回転すればよいので、λ/4の半分でλ/8ということになる。
webadm
投稿日時: 2012-12-8 21:34
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3089
続々:スミス図表
次もスミス図表の問題

電源に直列にインダクタンスLが接続されている。これに長さl、特性インピーダンスZ0=300[Ω]の無損失線路を経て負荷ZR=300+j600[Ω]を接続するとき、電源から見たインピーダンスZsがちょうどZ0となるようにlとLを求めよ。ただし周波数f=300[MHz]とする。

というもの。

回路図を描くと



ということになる。

電源側から負荷側を見たインピーダンスZsは



ということになる。

従ってZsがZ0と等しくなる条件は



ということになる。

tanを変数xに置き換えると



これをxとLについて解くと



ということになる。

これに題意の定数を代入すると



ということになる。

従って線路長lは



ということになる。

300MHzの波長は1mであるからその1/8ということになる。

解析的に解くと高次の方程式を解くことになって大変なことになる。Maximaを使ってやっと解けたから良いものの、もっと複雑になると困難である。

負荷が誘導性のため直列にLを加えた際にちょうどリアクタンス成分が相殺される線路長にすればよいわけである。これも線路の反射係数とインピーダンスの関係から、線路の任意の点から負荷側を見たインピーダンスは無損失線路では原点を中心とする受電端での反射係数で決まる半径の円を描く。ちょうど線路をインピーダンス変換回路として誘導性から正反対の容量性に変えるにはλ/8の距離あればよいことになる。Lはその容量性リアクタンスを相殺する誘導性リアクタンスにすればよいわけである。これらはスミス図表を使うと線図の上で必要な知識さえあれば容易に求めることができるというわけである。

無損失線路の位相速度が真空中の光の伝搬速度と等しいとして波長を計算しているが、厳密には線路の単位長さ当りのインダクタンスLとキャパシタンスCによって定まる位相速度を用いなければならないが、問題文ではそれは与えられていないので、真空の透磁率と誘電率と等しいと仮定するしかない。現実の線路はそれとは異なるので位相速度は真空中の光の伝搬速度よりも遅くなり、波長は真空中を伝搬するときよりも短くなる。
webadm
投稿日時: 2012-12-9 1:11
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3089
まだまだ:スミス図表
いよいよ最後の問題。これもスミス図表を用いることを意図したもの。

特性インピーダンスZ0=300[Ω]の無損失線路に負荷ZRを接続したところ、負荷からl=60[cm]離れた点で電圧が最小となった。電圧定在波比ρv=2.6として負荷インピーダンスZRを求めよ。ただし周波数はf=100[MHz]とする。

というもの。

電圧定在波比の定義は



ということを思い出す必要がありそうである。

また電圧反射係数の定義は



というものであった。

従って電圧を測定した点から見た負荷側のインピーダンスZ02と電源側の特性インピーダンスZ01の関係から電圧反射係数が決まることになる。

これらの関係から電圧定在波比から電圧反射係数が定まり、電圧反射係数と線路の特性インピーダンスから負荷側の線路のインピーダンスが導くことができる。そこから負荷のインピーダンスを導けそうである。

まず線路上の負荷から長さlの点から負荷側を見たインピーダンスZは



ということになる。

線路上で負荷方向に供給される電力は位置によらず一定であるから電圧最大点では電流は最小点となる



従って電圧最大点から負荷側を見たインピーダンスZmaxは



ということになる。これが負荷からの距離lの点のインピーダンスと等しいことから以下の関係が成り立つ



これをZRについて解くと



ということになる。

これに題意の値を代入すると



ということになる。

む、著者の解とはかけ離れている。どっか間違っているに違いない。

検索すると二通りの見解が見つかる

(1) VSWRからは負荷インピーダンスを求めることはできない(否定的)
(2) VSWRから負荷インピーダンスを求めるにはスミス図表を使う必要がある(肯定的)

著者は(2)の方法を用いているのだが、いまいち魔術的でよくわからない。

(1)の見解が正しいとすると解析的には求めることができないという風にとらえられるが、それでは何故(2)のスミス図表では可能なのか?

最初に導いたやり方は手元の「回路網理論」電気学会編という大変よくまとまっている薄い本の"4.8 特殊条件の分布定数回路"の"4.8.1 無損失線路"に書いてあったもっともらしい方法をそのまま鵜呑みにしてやってみたのだが、それは良くなかったらしい。

検索すると同様の問題に対する質問に(2)の方法で具体的に示しているベストアンサーと評されているものには最後にスミス図表の使い方に致命的な誤りがあり、質問者がそれで問題を本当に解けたのかどうか疑わしいものがある。これらもベストアンサーと評されていても、もっともまし程度の評で正しいとは限らず鵜呑みにはできない。

やはり納得ゆく答えを自分で見つけるしかないようだ。

おそらく間違いの原因は

・VSWRは実数であり、本来複素数である電圧反射係数の絶対値に基づいているので、そこから電圧反射係数を逆算しても絶対値しか得られない(偏角が失われている)

これが当初考えたストラテジーを台無しにしてしまっている。

それでは何故スミス図表だと出来るのだろうか?

スミス図表で出来るなら解析的にも同じ結果が得られるはずでは?

最初に求めた結果は、「回路網理論」とは別の線型代数的アプローチで同じ結果が得られる。

長さlの線路を二端子対回路とみなすと、以下の関係が成り立つ




ここまでは一緒だが、両辺に伝送行列の逆行列を乗じると



ということになる。従って受電端から距離lの点から負荷側を見たインピーダンスZが判れば負荷インピーダンスが求められることになる。

問題は負荷からの距離lの点から負荷側を見たインピーダンスZをどうやって求めるかに帰着する。

「回路網理論」では負荷からの距離lで電圧が最大値をとるのだから、インピーダンスは最大値をとるとしている。これに間違いはないのだろうか?

もし逆にインピーダンスが最小値をとるとしたら以下のような結果になる。



これに題意の数値を代入すると



ということになる。これは著者の結果とかなり近い。著者はスミス図表から規格化インピーダンスの値を読み取っているので誤差があり有効数値が2桁程度しか得られていないが、こちらでは解析的に求めているので厳密解である。

ということは

Σ (゚Д゚;)

やってしもうた。

題意では負荷からの距離lで電圧は最大値ではなく最小値をとると書いてあるじゃないか(´Д`;)

大失敗

問題文を読み誤っていたのが敗因だった。

みんなも気をつけようね。

ということで後半の結果が出題者が意図していた結果だった。

一件落着。

思わぬ読み間違いで、返って理解が深まった。

VSWRのみでは負荷インピーダンスを求めることはできない。

しかしVSWRと電圧の最大もしくは最小点の距離が判れば負荷インピーダンスを求めることができる(スミス図表を使わずとも)。

という収穫を得たところで、分布定数回路の定常現象の演習問題を終えることにしよう。

やっと終わったよママン(ノД`)
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