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投稿者 スレッド
webadm
投稿日時: 2024-2-9 19:41
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3088
Poisson方程式とLaplace方程式
前出のガウスの法則は積分形式だったが下記の微分形式があることが知られている。



これはどうやって導出したのか疑問が生じる。

最近の参考書ではMaxwell以前の先人の成果をなぞることはせずに、ヘビサイドがベクトル解析の表記でまとめた現在のMaxwell方程式をできるだけ早い時期から理解するように書かれているため、導出の考え方を知るのが難しくなっている。

ひとつの方法としては、以下のガウスの分散定理という式を利用するというもの。



右辺に既にdiv Eが使われているので、ガウスの法則の積分形式と組み合わせる。



従って以下が成り立つことになる。



divは発散(divergence)の略で、近年はベクトル表記に適した∇(ナブラ)との内積で表記されることが多い。



上の式を電位Vに関する式を使って書き換えると



ということになる。

これはPoisson方程式と呼ばれる。

ここで電荷密度ρ=0の場合、以下の関係式が成り立つ。



これはLaplace方程式と呼ばれるもののひとつ。

Laplace方程式はLaplaceによって土星の輪の考察に関して用いられたのが最初であるとWHITTAKER&WATSON本に書かれている。

Laplace方程式の解となるポテンシャル関数は数多く知られていて興味深い。

Laplace方程式の二重偏微分演算子はラプラシアンとかLaplace演算子と呼ばれている。いずれもスカラー関数に作用する。

直交座標系以外の円柱座標系V(r, φ, z)では



となることが知られている。

また極座標系V(r, θ, φ)では



となることが知られている。

著者は上の式で、球の中心からの距離rのみにVが依存する場合



となり、ρ=0の場合、



となるとしている。

元々の円柱座標と、極座標系でのLaplace方程式というのは著者は付録にある公式を利用している。

基本的に直交座標系からの座標変換を伴う合成関数の微分なんだと思うけど、どうやるのかなぞっておこう。

円柱座標では直交座標の電位V(x,y,z)は以下の通りとなる。



従って電界Eは円柱座標では以下の通りとなる。

電気回路理論おもちゃ箱でさらったことがある多変数関数の微分則によって



現代の線形代数で表すと、



ということになる。

また、以下の関係が成り立つ。



これを元の式に代入すると、




線形代数で表すと、



ということになる。

一方直交座標系の基底ベクトルと円柱座標系の基底ベクトルの関係は、



上記を連立方程式として直交基底ベクトルについて解くと、



これも線形代数を使って書き直すと、



ということになる。

従って、電界E



線形代数を使えばもっと安全に、



ということになる。

これは予行演習に過ぎないので、本来のLaplace演算子について同じようにやってみよう。



ということになる。

Laplace演算子は∇同士の内積であることを利用して導出してみた。∇が後続する∇に作用するところが胆だった。

そういえば以前にn重多極子のところでオーソドックスな方法でLaplace演算子を導出してたのを忘れてた罠(;´Д`)

まあ、あの時よりは短くて間違いも少なくてすむ。結局微分操作は必要になるので、そこだけ間違え易いのは避けられない。

極座標系でのLaplace演算子の導出は読者の課題としよう(´∀` )


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