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投稿者 スレッド
webadm
投稿日時: 2008-6-18 0:04
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3068
念願の通信型受信機
といっても超古い30年前の八重洲無線FRG-7000という機種の北米仕様のもの。



アマチュア用に世界中に売れたFRG-7という機種の後継機でディジタル表示で周波数直読になったタイプ。おまけでデジタル時計まで装備というもの。ディジタル時代への先駆け。

チューニングが当時有名なWadly Loop Systemというものでドリフトがキャンセルされて安定した受信が可能。反面慣れないと扱い辛い。

それを補うためにいろいろ工夫が施されている。特にバンドの違いを色で識別し易くするためにカメレオンのように5色の色が使い分けられている。このあたりは気に入っている。



背面を見ると取り扱い説明書には無いスイッチが増設されている。Auto Noise LimiterをマニュアルでON/OFFできるように改造されているらしい。

アンテナ端子はいくつかあってBC帯用と短波帯用が端子と同軸コネクタが用意されている。どれかひとつまともなアンテナにつなげば兼用できるようになっている。

さて電源を入れてどこが悪いかチェックしてみたところ

・ディジタル時計のLocal, GMTのセレクトランプが切れている
・周波数表示のLEDの上辺1セグメントがすべての桁で点灯しない
・ファインチューニング範囲が1MHzの半分しかない
・MHzチューニングの範囲が-1MHzから29MHzと1MHz下にずれている
・受信感度が100dB近く低い
・Sメーターの振れが少ない
・AM復調信号が歪んでいる

HP8640Bで1kHzでAM変調した信号を入力して全バンドをチェックしてみたがどのバンドも受信は出来ているようだが上記の問題があって仕様上のカバー範囲からずれているのと1MHzおきに半分の範囲がチューニングできないという驚愕の事実が発覚。

ディジタル周波数表示はSGの設定周波数とぴったり一致しているので周波数カウンター自体は正しく動作しているのだろうけど、本来1MHzの範囲を可変できるVFO Bがその半分までしか可変できていないように見える。それとVFO Aも下方に1MHz可変範囲がずれている気がする。

後日中を開けて各VFOの出力周波数範囲を測定してみることにしよう。

LEDとかランプはとりあえず支障が無いので優先度は低い。

感度が悪いのでアンテナをつけてもほとんどなにも受信できないのはプリセレクター回路の素子の劣化だろうか。内部の1MHzマーカー信号はCWやSSBで受信出来ているのでプリセレクター回路が怪しい。

電源が120V 60Hz仕様のところを100V 50Hzで動作させているので、電源が規定通り出ているか心配だ。回路図を見ると3端子レギュレーターで構成されている。それとなにやら背面にACアダプター接続端子らしきものがある(取説や回路図には無い)のでこれも改造して追加されたものだろうか。中を見てみないとなんとも言えない。

P.S

ループアンテナをつないでようやく1422kHzのラジオ日本放送がやっと受信できることを確認。それ他はノイズの彼方から現れもせず。それもバンド選択スイッチが1.6-4.0でないと受信できないのでプリセレクタのバンドとMHzチューンが1MHzずれている。
webadm
投稿日時: 2008-6-18 10:50
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3068
Re: 念願の通信型受信機
内部を開けてみて予想はしていたけれどトランジスタ製とはいえ中のアセンブリは真空管時代を踏襲した設計だった。

全体の様子は取説に乗っている写真とおおかた同じだがいくつか改造痕や修理痕が確認できた。



改造は修理は承知の上なので問題ないが、いきなりRF UNITに断線したまま宙ぶらりんになっている配線を発見!

このRF UNITは修理、改造が施されているので一度本体から取り外すためにハンダ付けされている配線を全部一端外す必要があったと思われる。それを再度接続した後に心線が断線したようにばらけている。片方は基板上につながったままなので、バンド選択ロータリースイッチの端子の一つにちぎれたままの心線の残骸が残っていることからそこにもう片方がつながっていたと予想される。後日回路図で確認してみよう。



本体の下部に改造の後がみられる。オリジナルでは使われていないメカニカルフィルターが無造作にハンダ付けされている。オリジナルは小さなセラミックフィルターなので性能の良い大きなものに換装する改造が施されたものと思われる。



これも本体下部にある電源基板。よく見ると電解コンデンサからあふれ出して紙ベーク基板を腐食して固まっている。幸いにして液漏れしている側が運用中は常に上を向いているので周囲に流れ出さずに済んだと思われる。電解コンデンサは交換が必要だ。



今度は本体上部から見える箇所で最初に目に飛び込んで来た改造痕。オリジナルのセラミックフィルターが大きなものに交換されている。



これはRF UNIT基板を上から見たもの。オリジナルには使われてないトランジスタソケットにMOSFETが実装されている。裏面からソケットを実装した際のハンダ付け箇所が生々しく残っているので改造されたもの。アンテナから直ぐの初段なので壊れやすいので簡単に交換できるようにしたものと思われる。



スピーカーと電源トランスそれにディジタル時計の周辺。ホーロー抵抗になにやら鉛筆で書き込まれているが、これは以前の持ち主が書き込んだものだろう。



プリセレクタードラムとSメーターの裏側部分。取説の回路図では4つのパイロットランプが使用されていることになっているが、見るとそれぞれ1個ずつしかないが十分である。



Wadly Loop System特有のBPF UNIT。1MHzステップのロックを判定してUnlockランプを制御している。現代で言えばPLLのロック判定回路みたいな重要な部分。



裏面の電源基板の改造部分をクローズアップ。外部DC電源で内部の二つの電源回路にダイオードを介して電源を供給している。もともと電源トランスの2つの独立したタップから2つのDC電源回路があり、それぞれ種電源の10Vと9V、デジタル時計用のスタンバイ電源8Vと5Vが4つの3端子レギュレーターで生成されている。フィールドでの利用のために外付けDC電源で使えるように改造されたものと思われる。これは使わないので問題無い。



気になるRF UNITの断線部分のクローズアップ。たぶんロータリースイッチから外れてしまったものだろう。これがいくつかの不具合点の原因である可能性も十分考えられる。

しかし30年前の日本は工賃が相当に安かったと思う。新卒の手取り給料が10万円いかなかった時代。今では考えられないぐらい組み立て工賃は少なくて済んだのだろう。これだけのハンダ付けをやるには相当の工数を要するだろうし組み立てし易い設計がされているわけでもない。今では考えられないことだ。これと同じ水準のものは今では中国でも見かけることは難しいかもしれない。希少な100円ラジオとかでかろうじて見かける程度かも。
webadm
投稿日時: 2008-6-18 12:26
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3068
VFO
問題のVFOの出力周波数範囲を測定しようとユニバーサルカウンターを使って調べてみた。

うまいこと測定できない。グランド端子がハンダのヤニで覆われていて絶縁体で覆われた状態になっていたので、周囲のシールド板をグランドとしてテストポイントにつないでみると測定できた。

結果は

VFO A

上限:85.0MHz
下限:54.2MHz

本来は84.5〜55.5MHzの範囲をカバーできればよいのだが取説によるとMHzチューンを反時計回りに回しきった状態で54.0MHz、時計回りに回しきった状態で85.2MHzとあるのでちょっと狭いかもしれない。どちらかというと少し上の方にシフトすればいいのかもしれない。

VFO B

上限:3.478Mhz
下限:2.941MHz

幅が500kHzも無い。取説によると時計方向に回しきった状態で2.380MHz、反時計方向に回しきった状態で3.480MHzでないといけない。上限は良いが下限がおかしい。下限が狭いので結果的に選択された1MHz範囲の高い方の周波数がカバーできない。なので29MHzの場合は30MHzまでカバーできないという状況。

どちらも再調整が必要だ。
webadm
投稿日時: 2008-6-19 7:06
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3068
Re: VFO
取説にはVFOの調整方法が書いてあるものの、インダクタのコアを回すのとトリマーコンデンサーを回すのを交互に繰り返して最終的に上限と下限が目的の値になるようにするというもの。

一度回してしまうと後戻りが出来ないので、試行錯誤しないでぴったり調整する方法はないものかと思案。

VFOはいずれもLC共振回路を利用したトランジスタ一石のコルピッツもしくはハートレー発振回路と呼ばれるもの。



本来は発振回路を解析して目的の周波数範囲を出力できるような定数を割り出すことができればいいのだけれども、そんな知識も技術があるわけもなく。

それでも電気回路理論おもちゃ箱で学んだ共振回路の理論を応用してなにかできないか考えてみた。発振回路のLC共振回路部分は反固定のインダクタと固定+反固定のキャパシタそれにバリコンで構成されている。現在の発振周波数上限と下限からこのLC回路の定数を割り出すことができるはずである。LC共振回路の共振周波数は

f0=1/(2π√(L*C))

で表される。共振周波数の上限はバリコンを一杯に抜いたとき(0pF)の時で、下限はバリコンが一杯に入った時(60pF)とすればそれぞれの共振周波数に関して以下の2つの式が成り立つ

f0max=1/(2π√(L*C))
f0min=1/(2π√(L*(C+60*10^-12)))

これをLとCに関する二元連立方程式として解けば与えられたf0maxとf0minに対する適切なLとCの値を求めることができる。

Maximaで解くには両辺を二乗して一次以上の式にする必要がある。

f0max^2=1/((2π)^2*(L*C))
f0min^2=1/((2π)^2*(L*(C+60*10^-12)))

(%i1) e1: f0max^2=1/((2*%pi)^2*(L*C));
(%o1) f0max^2=1/(4*%pi^2*C*L)
(%i2) e2: f0min^2=1/((2*%pi)^2*(L*(C+60*10^-12)));
(%o2) f0min^2=1/(4*%pi^2*(C+3/50000000000)*L)
(%i3) solve([e1,e2],[L,C]);
(%o3) [[L=-(12500000000*f0min^2-12500000000*f0max^2)/(3*%pi^2*f0max^2*f0min^2),C=-(3*f0min^2)/(50000000000*f0min^2-50000000000*f0max^2)]]

これに現在のf0maxとf0minの実測値を代入すると

(%i7)
subst(85.0*10^6, f0max, [[L=-(12500000000*f0min^2-12500000000*f0max^2)/(3*%pi^2*f0max^2*f0min^2),C=
-(3*f0min^2)/(50000000000*f0min^2-50000000000*f0max^2)]]);
(%o7) [[L=(4.6136101499423294*10^-17*(9.0312499999999996*10^+25-12500000000*f0min^2))/(%pi^2*f0min^2),C=-
(3*f0min^2)/(50000000000*f0min^2-3.6124999999999999*10^+26)]]
(%i8)
subst(54.2*10^6, f0min, [[L=(4.6136101499423294*10^-17*(9.0312499999999996*10^+25
-12500000000*f0min^2))/(%pi^2*f0min^2),C=-(3*f0min^2)/(50000000000*f0min^2-3.6124999999999999*10^
+26)]]);
(%o8) [[L=(8.4167084855771767*10^-7)/%pi^2,C=4.1111173309449178*10^-11]]
(%i9) float(%), numer;
(%o9) [[L=8.5279086613118777*10^-8,C=4.1111173309449178*10^-11]]

L=85.2 [nH]
C=41.1 [pF]

ということになる。

次ぎに本来のf0maxとf0minにするためにLとCをいくつにすればよいか求めてみる。f0max=85.2MHz,f0min=54.0MHzを代入してみると

(%i10)
subst(85.2*10^6, f0max, [[L=-(12500000000*f0min^2-12500000000*f0max^2)/(3*%pi^2*f0max^2*f0min^2),C=
-(3*f0min^2)/(50000000000*f0min^2-50000000000*f0max^2)]]);
(%o10) [[L=(4.5919754310946532*10^-17*(9.0738000000000007*10^+25-12500000000*f0min^2))/(%pi^2*f0min^2),C=-
(3*f0min^2)/(50000000000*f0min^2-3.6295200000000003*10^+26)]]
(%i11)
subst(54.0*10^6, f0min, [[L=(4.5919754310946532*10^-17*(9.0738000000000007*10^+25
-12500000000*f0min^2))/(%pi^2*f0min^2),C=-(3*f0min^2)/(50000000000*f0min^2-3.6295200000000003*10^
+26)]]);
(%o11) [[L=(8.5490110494947379*10^-7)/%pi^2,C=4.0285145888594158*10^-11]]
(%i12) float(%), numer;
(%o12) [[L=8.6619591850623112*10^-8,C=4.0285145888594158*10^-11]]

L=86.6 [nH]
C=40.3 [pF]

ということでLを若干増してCを若干減らす必要がある。同時にそれを行うのは難しいので、まず片方を目的の値にした場合にf0max,f0minがどうなるか計算してみよう。

最初のf0maxとf0minの式にLは現状のままでCを変更した場合を計算してみると

(%i13) f0max=1/((2*%pi)*sqrt(L*C));
(%o13) f0max=1/(2*%pi*sqrt(C*L))
(%i14) f0min=1/((2*%pi)*sqrt(L*(C+60*10^-12)));
(%o14) f0min=1/(2*%pi*sqrt((C+3/50000000000)*L))

(%i21) subst(85.2*10^-9, L, f0max=1/(2*%pi*sqrt(C*L)));
(%o21) f0max=1712.971774568829/(%pi*sqrt(C))
(%i22) subst(40.3*10^-12, C, f0max=1712.971774568829/(%pi*sqrt(C)));
(%o22) f0max=(2.698346290949257*10^+8)/%pi
(%i23) float(%), numer;
(%o23) f0max=8.5891030075651169*10^+7

f0max'=85.9 [MHz]

(%o24) f0min=1712.971774568829/(%pi*sqrt(C+3/50000000000))
(%i25) subst(40.3*10^-12, C, f0min=1712.971774568829/(%pi*sqrt(C+3/50000000000)));
(%o25) f0min=(1.7104080837713531*10^+8)/%pi
(%i26) float(%), numer;
(%o26) f0min=5.4443980247309491*10^+7

f0min'=54.4 [MHz]

とすこし高い方へシフトする。最初にトリマーコンデンサを回してこの周波数になるように前調整した上でインダクタのコアを回して目的の上限と下限になるようにすれば最短で調整ができることになる。

同様にVFO Bについてはバリコンが335pFの容量なので同様に現状の定数を割り出すと

(%i1) e1: f0max^2=1/((2*%pi)^2*(L*C));
(%o1) f0max^2=1/(4*%pi^2*C*L)
(%i27) e2: f0min^2=1/((2*%pi)^2*(L*(C+335*10^-12)));
(%o27) f0min^2=1/(4*%pi^2*(C+67/200000000000)*L)
(%i28) solve([e1,e2],[L,C]);
(%o28) [[L=-(50000000000*f0min^2-50000000000*f0max^2)/(67*%pi^2*f0max^2*f0min^2),C=-(67*f0min^2)/(200000000000*f0min^2-200000000000*f0max^2)]]

(%i29)
subst(3.478*10^6, f0max, [[L=-(50000000000*f0min^2-50000000000*f0max^2)/(67*%pi^2*f0max^2*f0min^2),C=
-(67*f0min^2)/(200000000000*f0min^2-200000000000*f0max^2)]]);
(%o29) [[L=(1.2338604452606529*10^-15*(6.0482419999999976*10^+23-50000000000*f0min^2))/(%pi^2*f0min^2),C=-
(67*f0min^2)/(200000000000*f0min^2-2.419296799999999*10^+24)]]
(%i30)
subst(2.941*10^6, f0min, [[L=(1.2338604452606529*10^-15*(6.0482419999999976*10^+23
-50000000000*f0min^2))/(%pi^2*f0min^2),C=-(67*f0min^2)/(200000000000*f0min^2-2.419296799999999*10^
+24)]]);
(%o30) [[L=(2.458598762396727*10^-5)/%pi^2,C=8.4060737254943044*10^-10]]
(%i31) float(%), numer;
(%o31) [[L=2.4910813670762317*10^-6,C=8.4060737254943044*10^-10]]

L=2.49 [uH]
C=840 [pF]

ということになる。

f0max=3.48MHz,f0min=2.38MHzとするには同様に

(%i32)
subst(3.48*10^6, f0max, [[L=-(50000000000*f0min^2-50000000000*f0max^2)/(67*%pi^2*f0max^2*f0min^2),C=
-(67*f0min^2)/(200000000000*f0min^2-200000000000*f0max^2)]]);
(%o32) [[L=(1.2324426224012716*10^-15*(6.0551999999999995*10^+23-50000000000*f0min^2))/(%pi^2*f0min^2),C=-
(67*f0min^2)/(200000000000*f0min^2-2.4220799999999998*10^+24)]]
(%i33)
subst(2.38*10^6, f0min, [[L=(1.2324426224012716*10^-15*(6.0551999999999995*10^+23
-50000000000*f0min^2))/(%pi^2*f0min^2),C=-(67*f0min^2)/(200000000000*f0min^2-2.4220799999999998*10^
+24)]]);
(%o33) [[L=(7.0125036579325205*10^-5)/%pi^2,C=2.9438008067018309*10^-10]]
(%i34) float(%), numer;
(%o34) [[L=7.1051517091794628*10^-6,C=2.9438008067018309*10^-10]]

L=7.1 [uH]
C=294 [pF]

という具合にLを3倍に増やしてCを3分の1ぐらいに減らす必要がある。しかし回路図を見ると可変できるトリマーコンデンサの容量は20pFしかない。これでは調整不能である。何か周辺がおかしいとしか言いようが無い。実際の基板を良く調査する必要がありそうだ。

ちなにみCを現状のままでLを最終的な値に調整した時のf0max,f0minを計算すると

(%i38) subst(7.1*10^-6, L, f0max=1/(2*%pi*sqrt(C*L)));
(%o38) f0max=187.6466562602004/(%pi*sqrt(C))
(%i39) subst(840*10^-12, C, f0max=187.6466562602004/(%pi*sqrt(C)));
(%o39) f0max=(938.233281301002*10^(9/2))/(sqrt(21)*%pi)
(%i40) float(%), numer;
(%o40) f0max=2060873.40226868

f0max'=2.06 [MHz]

(%i42) subst(7.1*10^-6, L, f0min=1/(2*%pi*sqrt((C+67/200000000000)*L)));
(%o42) f0min=187.6466562602004/(%pi*sqrt(C+67/200000000000))
(%i43) subst(840*10^-12, C, f0min=187.6466562602004/(%pi*sqrt(C+67/200000000000)));
(%o43) f0min=(3.7529331252040081*10^+7)/(sqrt(47)*%pi)
(%i44) float(%), numer;
(%o44) f0min=1742496.939488731

f0min'=1.74 [MHz]

ということになる。ここまで調整できたらトリマーコンデンサーを回して最終的な目標値になるようにすればいいはずだが、果たしてできるのかどうか疑問。

webadm
投稿日時: 2008-6-19 8:16
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3068
VFO Bはだめぽい
調整をしてみたら予想通り、トリマーコンデンサーによる周波数可変範囲は高々80kHzなので、インダクタのコアを調整すると周波数範囲はシフトするものの上下限の幅は変わらず。

発振回路そのものが劣化している可能性がある。コアを回していると発振が急に停止してしまうこともしばしば。

あとはバリコンの容量が半減してしまったか、それは考え難いがシールドの中で見えないので何か改造がされている可能性も残されている。

継続して要調査。
webadm
投稿日時: 2008-6-19 8:50
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3068
バリコンの機構に疑問点
VFO Bのバリコンが収められている場所のシールド板を外そうとしたら、ネジが既に一個外れた状態のままだった。一度ここも分解済みでネジを付け忘れたままだと思われる。



外してみると特に改造された後は見受けられない。綺麗な状態である。時計方向にまわしてみると機構自身はリミットがかかっていないがバリコン自身が目一杯らしくそれ以上まわらない。反対方向に回してみるとバリコンの軸が90度回転したところで機構側のリミットが働いてそれ以上はまわらない。

なんてこった本来の半分しか回らないってことか。本来は180度回るはずなのに半分しか回らないので容量も半分、従って可変できる周波数範囲も半分だったという結論に。

おそらく以前の持ち主が分解した際にこのあたりの機構を配慮せずに組み立ててしまったためだと思われる。チューニングノブの軸にリミット用の爪がついていてそれの取り付け位置が間違っていると思われる。元々は無理矢理チューニングノブを回してバリコンを壊してしまわないように設けられていると思われる。

似たようなバリコンがプリセレクターにも使われていて、そちらは当然ながら180度回転するようになっている。

しかし分解するとなるとやっかいである。

他のネジ止め部分は手が届かなかったりそもそもスポット溶接されているように見える部分もある。他のネジ止め部分はネジ止めシール材が塗ったまま剥がれていないので分解されていないと見た。

すると機構的にリミットがかかっている部分をなんとかいじってリミットがかからないようにする方法はないかと眺めていると、アイデアがうかんだ。

リミット自身は軸に差し込んである細いステンレスバーに爪がひっかかることで働く。このバーが中心に対して左右同じぐらいの長さに差し込まれていれば爪にはひっかからない。

そこでドライバーの先でテコの原理でステンレスバーの出っ張った方を押し込むようにすると長さが均等になり爪に当たらずに自由に軸が回転するようになった。

すると今まで回らなかったところまでバリコンが回るようになり、1MHzの範囲を可変できるようになった。

なんだ簡単じゃないか。

あとはコアとトリマーコンデンサーを交互に調整して目的の周波数範囲を可変できるようにして調整完了。

これでやっと全バンドの全周波数範囲がカバーできるようになった。

あとは受信感度の問題だ。中学生の頃に姉が買ってきた松下製の最新型トランジスタラジオの話はどこかで書いた記憶がある。それも流行のFETを高周波一段に使っていた。買った当初は感度がすこぶるよかったが、ある日の夏にスポラディックE層が出たのか普段はノイズだらけのFMバンドに沢山のFM放送局が受信できるようになった。電離層に反射して日本中のFM放送局の電波が届きだしたのだ。普段絶対聞こえない局が聞こえて夢中になってチェックしていたが、時間とともにどんどんと聞こえなくなり、普段のようになってしまった。

その後あたりから、受信の感度がすこぶる悪くなった。FM帯だけでなくAM帯や短波もほとんどノイズだらけになって地元の局だけがかろうじて受信できたが実用からほど遠かった。

松下電器に手紙を書いて回路図をわけてもらった。当時は電気店で修理をしていた時代なので地方でも手紙を出せば回路図を送ってくれた。それを見て指で触りながらの故障診断をすると、FETのところに指を振れると感度が少し回復することを確認。どうやらFETがやられたらしいとわかった。しかし交換用のFETなどあるはずもなく。しばらくして、同じ型ではないが似たような高周波用のFETを手に入れて交換したら感度が回復した。それは学生になった後もずっと愛用していた。FETは当時壊れやすいというのが難点だった。

今回もプリセレクターのFETが壊れているくさい。増幅どころか減衰器と化してしまっている可能性が高い。

これも調べてみよう。
webadm
投稿日時: 2008-6-19 10:33
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登録日: 2004-11-7
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投稿: 3068
電源の話
120V 60Hz仕様を100V 50Hzで使っても大丈夫なのかという疑問があるので電源回路をチェック。

10V,9V,8V,5Vの出力端子の電圧を測定すると10Vを除いてはほぼ問題ない電圧が保たれている。10Vの電源が一番負荷が大きいので配線が沢山ハンダ付けされている。それでも9.26Vは出ているので±10%の範囲内である。設計仕様はどうなのかは別として。

外部DC電源で動作するように改造されているので、そちらに安定化電源をつないでみたところ13.5Vが適正な電圧のようで、すべての出力電圧がほぼぴったりになった。

それでも動作的にはまったく変わりなし。多少パイロットランプが明るくなったかなという程度(´д` )

100V 50Hzでも問題なさそう。

あとは感度の悪さの原因究明のみ。

周波数カウンタのLEDの1セグメントが点灯しないのを調べてみようと思ったらシールドのふたが取れなくて断念。またの機会に。
webadm
投稿日時: 2008-6-19 21:25
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登録日: 2004-11-7
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IF-AF UNIT
取説に書いてあるIF-AF UNITの調整を実施してみた。

最初にRF UNITの第2ミキサーの出力にあるテスト入力端子にSGで2.1MHzと2.9MHzの中間周波数を入力してそれぞれについてIF-AF UNIT初段のチューニング回路のLとCをゲイン最大になるように調整する。

これはほぼ調整済みであった。

次ぎにIF-AF UNITの入力にSGで2.9MHzの中間周波数を注入して第三中間周波トランスのコアを調整してゲインを最大に調整する。

これもほぼ調整済みであった。

上記のテスト入力端子にSGから10mVの入力を与えるとSメーターが5まで振れる。しかしそれ以上いくら大きな入力を入れてもS6以上振れることはない。Sメーターの調整が狂っているのかもしれない。

同じ信号を今度はアンテナ端子に入力しても同じだけしか振れない。

ということはRF UNITのゲインが0dBということになる。単にミキシングになっているにすぎなかった。

ミキシングでもゲインは落ちるので第一中間周波増幅段のゲインでその減衰を補っているということになる。

ということはやはり高周波1段のFETが増幅していないという結論になる。

AGCがかかり過ぎているという可能性もあるが、AGC電圧を測ろうとすると負荷で電圧がドロップしてゲインが下がるので正常であると思われる。高周波第一段へのAGCは改造が施されているのでどうなっているかは謎。

FETを交換してみるしかないか。ソケットから引っこ抜いて動作を確かめるという手もある。

使われている3SK51というDual gate MOSFETは当時はポピュラーだったらしいが、今ではいつものところでしか手に入らない気がする。現代ではもっと性能の良い使いやすいDual gate FETがあるのでそれを使って回路を作り直すという手もある。

いろいろ調べると、この改造してソケットを付けたのはいろんなFETを挿し換えて性能を比較する目的だったような気がする。そういう記事がいくつか見つかった。

紙ベークの基板なので、更に改造するとなるとパターン損傷は避けられないだろう。既に改造された時点でほとんどのパターンが剥げてしまってリード線でつないでいたりする。ハンダも昔のヤニ入りハンダなので茶色くヤニが固まったような状態でかなり状態は悪い。

しかし良くFETを見てみると、どうもオリジナルの3SK51とは違う。

ECG-221とかいうフィリップス社の古いFETでパッケージと外観は3SK51と同じだが別ものだ。

BPF UNITはオリジナルの3SK51のまま。RF UNITの第一中間周波増幅段とIF-AF UNITの初段の3SK40MもECG-221で換装されていた。ハンダ面を見ると粗雑にリード線もカットしていない状態で下手くそにハンダ付けされているので以前の持ち主が修理交換したのかもしれない。互換な石ならいいが、そうでないとゲインが設計通りでない可能性が高い。検索すると互換表がみつかったりする。それによると3SK51とは互換品らしいことがわかるが3SK40Mとの互換性は無い。以前の持ち主は入手性の面から3SK40MもECG-221で交換したものと思われる。その際に壊れていなければいいのだが、ハンダ付けの状態のひどさからするとこの改造が生まれて初めての改造というようにも見える。ハンダの熱で石が劣化もしくは壊れてしまっている可能性もあり得る。

これらは再交換が必要かもしれない。
webadm
投稿日時: 2008-6-21 11:41
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登録日: 2004-11-7
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ループアンテナ
普通に長い導線で作ったロングアンテナを使ってもほとんど何も受信できないが、小さくてもループアンテナにすると中波のラジオ日本だけが受信できる。

ループアンテナは直径が大きければ大きい程性能が良くなるので、試しに大きくしてみるとボリュームをギリギリに絞らないと大音量でたまらなくなるほど入る。しかしSメーターは微動だにしない。

それ以外の局はやはりほとんど聞こえない。

もともとFRG-7000は静かな音らしいけど、AM復調のノイズがほとんど聞こえない。なので十分音声が復調できるほどの局でないと検出できない。

CWやSSBだとノイズが聞こえる。しかしどちらかというとアンテナから中間周波への直接飛び込んでいるような感じの信号しか聞こえない。MHzチューンを換えても同じような信号が聞こえるのでたぶん2〜3MHz帯のものがアンテナを通じて流れ込んでいるにちがいない。あと内部の1MHzの高調波の方が入るということはアンテナからの信号がまったく増幅されていないくさい。

やはり高周波1段がスルーになっているくさい。

明日にでも注文したFETが届くと思われるので、とりあえず高周波1段を差し替えて状況を見てみよう。感度が回復すると良いのだが。

受信感度の落ち方からするとやはり高周波1段くさい。

明日には判明するはず。

webadm
投稿日時: 2008-6-21 13:08
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登録日: 2004-11-7
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投稿: 3068
NTE221
ECG221というFETのデータシートが探しても見つからなかったが、互換品としてNTE221というのがあってそのデータシートをダウンロードできた。

見てみると3SK51と同一パッケージでパワーゲインもだいたい同じなのだが最大定格がかなり違っている。

気になって現在の高周波第一段の各電圧を測ってみた。

ソースドレイン間電圧は1.14Vと低い。改造した人はドレイン電流を計測しようとしたのか、ドレインに直列に入っている抵抗の一端が一度切断されリード線でまたハンダ付けされている。電流を測定するだけなら抵抗の両端の電圧を計測すればいいのにと思うが。しかし良く見るとそれはAGCの分圧抵抗だった。ということは間違って切ってのに気づいてまたつなぎ直したのかもしれない。

ドレイン電流は直列抵抗の電圧降下と抵抗値から逆算すると8.3mA流れていた。これは定格内で問題ない。

ゲート1ソース間電圧は0.375mVこれはソースドレイン間電圧の40%未満なので定格内。

ゲート2ソース間電圧はAGC電圧が分圧されて印可されているので1.77Vと高め。これは3SK51では問題無いがNTE221の最大定格の1Vを超えている。NTE221を使うにはAGCを更に分圧して与える必要があるようだがそうした改造は施されていない。

改造当初は動いていたかもしれないが、そのうち劣化してゲインが出なくなった可能性も予想される。現在でも増幅動作はしているようだがゲインが出ているかは疑問。

すくなくとも回路自体はオリジナルのままなので3SK51に差し換えればまともになる可能性は高い。

一時期このFRG-7000はそうしたFETの換装改造がはやった雰囲気があるが、回路定数をFETに合わせて変更することをしない限りは良い結果は得られなかったのではないかと想像される。

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