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webadm | 投稿日時: 2007-9-5 14:27 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3107 |
問題34:ひねったブリッジ回路 問題34は今までのブリッジ回路を題材にした問題とは趣向が異なっている。
まず電源の位置が抵抗R1と直列となる場所に入っていること。 通常電源が接続されているブリッジの対角位置にスイッチが接続されていること。 問題の趣旨はスイッチを閉じても開いても剣流計に流れる電流が一定の場合には4つの抵抗の間にブリッジ回路の平衡条件と同じ条件が成り立つことを証明するという数学的な問題。 著者の解答例以外に解き方が思いつかなくていろいろ悩んだ。著者の例ではスイッチが閉じた時と開いたときとでそれぞれ回路を描いて、それぞれについて剣流計に流れる電流の式を導き出して、その2つの電流が等しくなる4つの抵抗値の条件を見つけ出すという方法。 これをなぞってもかなり数式の処理が面倒なので練習にはなるが、へそ曲がりなので著者とは違う方法でスイッチが閉じている時と開いている時のそれぞれの剣流計に流れる電流の式を導きだしてみよう。 それにはまず著者と違って、以下のような回路としてとらえスイッチを一つの抵抗(Rc)とみなし抵抗値によって閉じている時(抵抗値が0)と開いている時(抵抗値が∞)の両方に使える一般式を導き出す。 上の回路ではキルヒホッフの法則により以下の式が成り立つ。 I1*R1 + Ig*Rg + (I1 - Ic)*R3 = E I1*R1 + (I1 - Ig)*R2 + (I1 - Ig - Ic)*R4 + (I1 - Ic)*R3 = E I1*R1 + (I1 - Ig)*R2 + Ic*Rc = E これをMaximaでI1,Ig,Icについて解くと、 (%i2) e1: I1*R1+Ig*Rg+(I1-Ic)*R3=E; (%o2) (I1-Ic)*R3+I1*R1+Ig*Rg=E (%i3) e2: I1*R1+(I1-Ig)*R2+(I1-Ig-Ic)*R4+(I1-Ic)*R3=E; (%o3) (I1-Ig-Ic)*R4+(I1-Ic)*R3+(I1-Ig)*R2+I1*R1=E (%i4) e3: I1*R1+(I1-Ig)*R2+Ic*Rc=E; (%o4) (I1-Ig)*R2+I1*R1+Ic*Rc=E (%i5) solve([e1,e2,e3],[I1,Ig,Ic]); (%o5) [[I1= (E*(Rg*(R4+Rc)+(R2+Rc)*R4+Rc*R2)+E*R3*(R4+R2+Rg))/(R3*(R1*(R4+R2+Rg)+(R2+Rc)*R4+Rg*(R2+Rc)+Rc*R2)+R1*(Rg*(R4+Rc)+(R2+Rc)*R4+Rc*R2)+Rg*((R2+Rc)*R4+Rc*R2)),Ig =(E*((R2+Rc)*R4+Rc*R2)+E*R2*R3)/(R3*(R1*(R4+R2+Rg)+(R2+Rc)*R4+Rg*(R2+Rc)+Rc*R2)+R1*(Rg*(R4+Rc)+(R2+Rc)*R4+Rc*R2)+Rg*((R2+Rc)*R4+Rc*R2)), Ic=(E*R3*(R4+R2+Rg)+Rg*E*R4)/(R3*(R1*(R4+R2+Rg)+(R2+Rc)*R4+Rg*(R2+Rc)+Rc*R2)+R1*(Rg*(R4+Rc)+(R2+Rc)*R4+Rc*R2)+Rg*((R2+Rc)*R4+Rc*R2)) ]] Igの式をRcに関して少し整理すると、 Ig=(E*(R2*R4+Rc*R4+R2*R3+Rc*R2))/(R2*R3*R4+R1*R3*R4+Rc*R3* R4+R1*R2*R4+Rg*R2*R4+Rg*R1*R4+Rc*R1*R4+Rc*Rg*R4+R1*R2*R3+Rg*R2*R3+Rc*R2*R3+Rg*R1*R3+Rc*Rg*R3+ Rc*R1*R2+Rc*Rg*R2+Rc*Rg*R1) =(E*(Rc*(R4+R2)+R2*(R4+R3))/(Rc*(R3*R4+R1*R4+Rg*R4+R2*R3+Rg*R3+R1*R2+Rg*R2+Rg*R1)+R2*R3*R4+R1*R3*R4+R1*R2*R4+Rg*R2*R4+Rg*R1*R4+R1*R2*R3+Rg*R2*R3+Rg*R1*R3) =(E*(Rc*(R4+R2)+R2*(R4+R3))/(Rc*((R3+R1)*(R4+R2)+Rg*(R4+R3+R2+R1))+R3*R4*(R2+R1)+(R4+R3)*(R1*R2+Rg*R2+Rg*R1)) 上記の式からスイッチが閉じたとき(Rc=0)の時の剣流計に流れる電流をIg1とすると、 Ig1=(E*(0*(R4+R2)+R2*(R4+R3))/(0*((R3+R1)*(R4+R2)+Rg*(R4+R3+R2+R1))+R3*R4*(R2+R1)+(R4+R3)*(R1*R2+Rg*R2+Rg*R1)) =(E*R2*(R4+R3))/(R3*R4*(R2+R1)+(R4+R3)*(R1*R2+Rg*R2+Rg*R1)) スイッチが開いた時(Rc=∞)の時の剣流計に流れる電流をIg2とすると、まず分子と分母を先にそれぞれRcで割り、次ぎにRcを∞とすると1/Rcは0となることから、 Ig2=(E*((R4+R2)+R2*(R4+R3)/Rc))/(((R3+R1)*(R4+R2)+Rg*(R4+R3+R2+R1))+R3*R4*(R2+R1)/Rc+(R4+R3)*(R1*R2+Rg*R2+Rg*R1)/Rc) =(E*((R4+R2)+0))/(((R3+R1)*(R4+R2)+Rg*(R4+R3+R2+R1)+0+0) =((R4+R2)*E)/((R3+R1)*(R4+R2)+Rg*(R4+R3+R2+R1)) Ig1とIg2はそれぞれ著者の解答例と同じ式が得られている。 ここでIg1とIg2が等しいとすると Ig1-Ig2=0が成り立つので、これをMaximaで整理すると、 (%i40) (E*R2*(R4+R3))/(R3*R4*(R2+R1)+(R4+R3)*(R1*R2+Rg*R2+Rg*R1))-((R4+R2)*E)/((R3+R1)*(R4 +R2)+Rg*(R4+R3+R2+R1))=0; (%o40) (E*R2*(R4+R3))/((R1*R2+Rg*R2+Rg*R1)*(R4+R3)+(R2+R1)*R3*R4)-(E*(R4+R2))/(Rg*(R4+R3+R2+R1)+(R3+R1)*(R4+R2))=0 (%i42) factor(%); (%o42) -(E*(R1*R4-R2*R3)*(R3*R4+Rg*R4+R2*R3+Rg*R3))/( (R3*R4+R1*R4+Rg*R4+R2*R3+Rg*R3+R1*R2+Rg*R2+Rg*R1)* (R2*R3*R4+R1*R3*R4+R1*R2*R4+Rg*R2*R4+Rg*R1*R4+R1*R2*R3+Rg*R2*R3+Rg*R1*R3))=0 最後の式の負号を取って整理すると、 (E*(R2*R3-R1*R4)*(R3*R4+Rg*R4+R2*R3+Rg*R3))/( (R3*R4+R1*R4+Rg*R4+R2*R3+Rg*R3+R1*R2+Rg*R2+Rg*R1)* (R2*R3*R4+R1*R3*R4+R1*R2*R4+Rg*R2*R4+Rg*R1*R4+R1*R2*R3+Rg*R2*R3+Rg*R1*R3))=0 従って上記の式が成り立つためには、 R2*R3-R1*R4=0でなければならない。 すなわち R2*R3=R1*R4 というブリッジ回路の平衡条件と同じことが証明できた。 |
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