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webadm | 投稿日時: 2007-9-30 2:12 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3107 |
問題55:ちょっとひねった回路解析(その3) 今度もかなりひねってある。閉回路に電流計と電圧計を接続してそれで測定した電流と電圧測定結果から回路の電源と内部抵抗それに負荷抵抗を導きだし、最後に電流計と電圧計を取り除いた状態での負荷で消費される電力を求めるというもの。
まずはじめに未知のE,r,Rを与えられている2つの回路の電流計と電圧計の指示値から求める。 (%i1) I1: 2.22*10^-3; (%o1) 0.00222 (%i2) I2: 0.852*10^-3; (%o2) 8.52*10^-4 (%i3) E1: 4.16; (%o3) 4.16 (%i4) E2: 4.35; (%o4) 4.35 (%i5) Ra: 100; (%o5) 100 (%i6) Rv: 3000; (%o6) 3000 (%i7) e1: E=I1*r+I1*Ra+E1; (%o7) E=0.00222*r+4.382000000000001 (%i8) e2: E=(I2+E2/Rv)*r+E2; (%o8) E=0.002302*r+4.35 (%i9) e3: E2=I2*Ra+I2*R; (%o9) 4.35=8.52*10^-4*R+0.0852 上記の3つの式からE,r,Rを解くと (%i10) solve([e1,e2,e3],[E,r,R]); `rat' replaced -4.382 by -2191/500 = -4.382 `rat' replaced -0.00222 by -111/50000 = -0.00222 `rat' replaced -4.35 by -87/20 = -4.35 `rat' replaced -0.002302 by -247/107298 = -0.002302000037279 `rat' replaced 4.264799999999999 by 5331/1250 = 4.2648 `rat' replaced -8.52E-4 by -213/250000 = -8.52E-4 (%o10) [[E=23088607/4399220,r=85838400/219961,R=355400/71]] (%i11) float(%); (%o11) [[E=5.248341069553239,r=390.2437250239815,R=5005.633802816901]] という結果が得られたが、著者の解答を見るとちょっと違う。 著者の解では、 E=5.21, r=375, R=5000 ということらしい。大分違う。 さすがにMaximaが悪いのかMaximaに与えた式が悪いのかと疑って、著者の式で解いてみた。 (%i25) linsolve([E-(r+100)*2.22*10^-3=4.16, E-r*(0.852+4.35/3)*10^-3=4.35, (R+100)*0.852*10^ -3=4.35], [E,r,R]); `rat' replaced -4.16 by -104/25 = -4.16 `rat' replaced -0.00222 by -111/50000 = -0.00222 `rat' replaced -4.35 by -87/20 = -4.35 `rat' replaced -0.002302 by -247/107298 = -0.002302000037279 `rat' replaced -4.35 by -87/20 = -4.35 `rat' replaced 8.52E-4 by 213/250000 = 8.52E-4 (%o25) [E=23088607/4399220,r=85838400/219961,R=355400/71] (%i26) float(%); (%o26) [E=5.248341069553239,r=390.2437250239815,R=5005.633802816901] 結果は自分のと同じだった。つまり著者の方程式の解法の記述が間違っているという驚愕の事実が発覚。どこでどうなったらこうなるのだろう。 実は著者の計算式では途中有効桁数を丸めている部分がある。 Rの計算では4.35/0.852*10^-3-100がいきなり5kΩということになっているが実際には割り切れない値で5005.633802816901なのだがこれを有効数字3桁で丸めて5000Ωとしていることがわかった。 他にもEとrを求める際に途中の式で定数を有効桁数で丸めてしまっている。これが後に大きな差となって現れてくる。 E-2.22*10-3r=4.16+100*2.22*10^-3 の右辺を4.38と丸めてしまっているが実際には4.382である。 同様に E-r(0.852+4.35/3)*10^-3=4.35の左辺を E-2.3*10^-3rとしているがこれも実際には E-2.302*10^-3rが正しい。 ごくわずかだが結果的に分子より小さい分母で割る演算をするので有効桁未満の桁も演算結果に大きな影響を与える。 rが375Ωと390Ωでは有効数字内でも値が違ってきてしまう。 Rは5005と5000とで差は1/1000なので0.1%でしかない。これは5kΩと言ってもいいだろう。 E,r,Rが判明したらそれらを直列に接続して流れる電流と負荷の電圧から電力を計算することが出来る。 (%i32) e4: I=E/(r+R); (%o32) I=E/(R+r) (%i33) e5: P=I^2*R; (%o33) P=I^2*R (%i34) solve([e1,e2,e3,e4,e5],[E,r,R,I,P]); `rat' replaced -4.16 by -104/25 = -4.16 `rat' replaced -0.00222 by -111/50000 = -0.00222 `rat' replaced -4.35 by -87/20 = -4.35 `rat' replaced -0.002302 by -247/107298 = -0.002302000037279 `rat' replaced -4.35 by -87/20 = -4.35 `rat' replaced 8.52E-4 by 213/250000 = 8.52E-4 (%o34) [[E=23088607/4399220,r=85838400/219961,R=355400/71,I=1639291097/1685373316000,P=67257580413381048983/14202416071424179280000]] (%i35) float(%); (%o35) [[E=5.248341069553239,r=390.2437250239815,R=5005.633802816901,I= 9.7265755986372811*10^-4,P=0.0047356435746666]] ということで著者の解とは少々違う値が得られる。 おおよそ4.7mWということでは一致している。 |
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