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webadm | 投稿日時: 2007-10-8 22:24 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3107 |
Re: 問題58:n箇所つながった銅線回路 最初は問題の趣旨がわかりづらいものの、自分で回路図を描いてみたりするとようやく回路を流れる電流の関係とかがはっきり見えてくる。
縦方向の電流はすべてIでn箇所あるので全体を流れる電流はnIとなる。 従って横方向に流れる電流は電源に一番近いところがnIとして、そこから順にIだけ減っていく。 電源に近い方のブリッジ部分は電圧が高いのでそれ以降のブリッジ部分に比べて同じ電流Iを流すのにも高い抵抗値を必要とする。電源から遠ざかるにつれて橋の間の電圧は下がるのでブリッジ抵抗も下げないと同じIが流れないというのは直感的に予想できる。 従って横方向の流れる電流値は等差数列になり、縦方向の抵抗は等比数列になることが予想できる。これは代表的な漸化式の問題である。 漸化式は高校レベルの数学だが、学習指導要領では教えなくても良いことになっているらしい。しかし電気の世界では分布定数回路の入門には欠かせない知識だけに工学系の大学入試問題には出ることがあるらしい。数学公式集にも載っていないぐらいだから、非常に用途の狭い数学の概念であることは確かである。 それでも必要なので、昨日神保町の書泉に行って参考書を買って来た。科学振興新社のモノグラフシリーズにある「漸化式」という本。そのものずばり漸化式についてのみ詳しく学べる本である。 この本によると先の問題57は隣接3項間の一次の漸化式らしい。 今度の問題58もこの本に書かれているいくつかの漸化式のパターンのどれかに該当するはずである。それぞれ解き方が詳しく解説されているのでそれを参考に解いてみることにしよう。 隣接するRkとRk+1で挟まれた閉回路についてキルヒホッフの法則から以下の式が成り立つ I*Rk=(n-k)*I*R + I*Rk+1 + (n-k)*I*R これを整理して両辺をIで割ると Rk = 2*(n-k)*R + Rk+1 という漸化式が得られる。しかしこれから一般解を得ようとすると問題がある。というのも初期項が定まらないのだ。 R1からして未知数なので初期項が定数であることを前提とした漸化式の解法が使えない。前の問題57の場合は初期項としてI1が与えられていた。 しかし一番最後のRnだけはRであることが与えられている。kをn-1とした場合にRn-1は3Rであることが計算できる。 |
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