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webadm | 投稿日時: 2007-10-10 5:33 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3107 |
問題59:漏洩抵抗のある架線を流れる電流 問題57と問題58をクリアして自身満々だったところで待ち受けていたのはそれを粉々に打ち砕くような難問だった(´д` )
著者の図は著者の解法と絡んでいてちょっと誤解を招くような電流の書き方になっている。厳密には以下の通りだ。 問題の趣旨は架線を流れる電流であるが、著者の図では網目電流法に基づいて電流の流れを記載している。実際に漏洩抵抗に流れる電流は隣り合った閉回路を流れる電流の差となる。 この回路もI0から段々と電流値が減っていく指数関数カーブを描くことが直感的に予想される。問題では双曲線関数に式の一部を置き換えた場合の電流値の一般解の予想を証明せよというもの。 別にここで双曲線関数を持ち出さなくても良いのにと思うが、この手の問題は電信方程式とか振動方程式とかにつながるものであるのでそうしたことに慣れるようにという配慮だと思われる。しかし読者は否応がなしに双曲線関数を復学しなければならないことになる。 確かsinhと書いてhyperbolic-sinとか呼ぶはずだったように学生の時の記憶で憶えている。もしかしたらsin-hyperbolicだったかもしれない。いずれにせよHyperbloicというのは双曲線に対する英語である。手元の数学公式集を見てもsinhという記号は双曲線正弦という意味しか説明されておらず、数学辞典でも引かない限り読み方は書いていない。このあたりが日本の数学教育の破綻している点である。あるところまでは日本固有の呼称を押しつけておきながら記号は欧米のまま流用、読み方は口伝でしか教えないという。たぶん数学の授業を受けないと、実際にどう読むのかは教わる機会はないだろう。 双曲線関数は三角関数と相似的な名前が付けられている。これはその数学的な性質が三角関数と相似していることによる。普通は三角関数を学んだ後に双曲線関数もついでに習っているはずである。かろうじて記憶に残っているが、詳しいことはほとんど忘れている。 さて本題にもどって、上図の回路から、k段目の閉回路についてキルヒホッフの法則によって以下の式が成り立つ。 (I[k-1]-I[k])*R2=I[k]*R1+(I[k]-I[k+1])*R2 これは漸化式なのでそのまま解いてみると (%i7) solve_rec((I[k-1]-I[k])*R2=I[k]*R1+(I[k]-I[k+1])*R2,I[k]); (%o7) I[k]=(%k[2]*((sqrt(4*R1*R2+R1^2)+2*R2+R1)/R2)^k)/2^k+(%k[1]*(-(sqrt(4*R1*R2+R1^2)-2*R2-R1)/R2)^k)/2^k 恐ろしく複雑な式が現れる。初期条件を与えることが出来れば解けるのだが、回路からわかる通り容易には初期条件は得られない。 |
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