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webadm | 投稿日時: 2007-10-11 3:06 |
Webmaster ![]() ![]() 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3110 |
Re: 問題59:漏洩抵抗のある架線を流れる電流 体調が悪い中寝床に横になりながら眠れずにこの問題のことを考えていた。
最初に立てた漸化式 (I[k-1]-I[k])*R2=I[k]*R1+(I[k]-I[k+1])*R2 これを展開すると I[k-1]*R2 - I[k]*R2 = I[k]*R1 + I[k]*R2 - I[k+1]*R2 I[k-1]*R2 = I[k]*(R1 + 2*R2) - I[k+1]*R2 これを整理すると I[k+1]*R2 = I[k]*(R1 + 2*R2) - I[k-1]*R2 両辺をR2で割ると I[k+1] = I[k]*(R1/R2 + 2) - I[k-1] ということで著者の解法でもこれと同じ漸化式を導いているのでこれはこれで合っている。 あとA端とB端についても E=r*I[0]+R1*I[0]+R2*(I[0]-I[1]) R2*(I[n-1]-I[n])=R1*I[n] というのは容易に導ける。 著者の場合は特性方程式を使った微分方程式の解法に似たような感じで魔法の様に解いてしまっている。解答例に出てくる式が唐突過ぎてなぜそれらが導かれるのかまったく理解不能である。 まあ、IQが低い自分が悪いのだけども。 微分方程式の解に双曲線関数が出てくるというのも珍しい。数学公式集にもあることにはあるが、解き方までは書いていない。 この問題は先の問題58、58と同様に姉妹本の電磁気学演習にも出てくるが、微妙に使われている記号が違っていて書かれている式も異なるが意味はまったく同一である。この問題はおそらくどこかに出典があるのだろうけど、著者は憶えていないという理由で一切参考図書を明らかにしていない。もしかして著作権上問題があるのではないかと勘ぐってしまうが、おそらく古い文献や論文とかで数十年もたっているから問題ないか、オリジナルがどこからきたのか著者も知らないのかもしれない。こういうのは日本の場合問題だと思う。先駆者が居たからこの問題が後生に伝えられたのに先駆者の名前が忘れられているというのは悲しい。たぶん外国人だから、敵国だからということで名前は伏せられたのかもしれない。だとしたらまったく恥ずかしい話である。北米の電気回路の参考書には所々に先駆者の顔と小史が解説されている。そういう先駆者を尊敬しその労苦を追体験するというのが大事だということを忘れていないためだろう。日本人も見習って欲しいものである。 脱線してしまったが、この問題の回路のR1と直列にインダクタンスLを、R2と並列にキャパシタンスCを追加すると分布常数回路となる。この回路は分布常数回路からLとCの影響を無視したものと捉えることもできる。まあ、直流で電流に変化が無い場合はLもCも無視できるのであるが。 たぶんこの問題そのものは数学の授業で扱う範囲を遙かに超えている。回路解析には単純なものもあるけど、一見単純そうに見えて恐ろしく複雑なこともあるという一例である。 さて今しばらくいろいろ考えを巡らせてみよう。微分方程式の解き方についても復習しないと。まったく憶えていないというのもひどすぎる。 この問題をクリアできれば、残りは電力と温度係数に関係する簡単な演習だけになる。いよいよ直流回路理論を卒業か。 |
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