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webadm | 投稿日時: 2007-10-29 10:07 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3107 |
Re: 問題59:漏洩抵抗のある架線を流れる電流 R-2Rラダー回路について簡単そうだったので自分で解いてみた。
漸化式はk段目の閉回路に関してキルヒホッフの法則から以下の通り (I[k-1]-I[k])*2*R=I[k]*R+(I[k]-I[k+1])*2*R これを整理するとRは無関係になり I[k+1]-(5/2)*I[k]+I[k-1]=0 特性方程式は x^2-(5/2)*x+1=0 これを満たす根は x=2, x=1/2 なので漸化式の一般解は I[k]=K1*2^k+K2/2^k となる。Maximaのsolve_recで解くと (%i3) solve_rec(2*(I[k-1]-I[k])*R=2*(I[k]-I[k+1])*R+I[k]*R,I[k]); (%o3) I[k]=%k[1]*2^k+%k[2]/2^k と同じ結果が得られる。 回路の終端の境界条件から (I[n-1]-I[n])*2*R=I[n]*2*R 回路の電源側の境界条件から E=(r+R)*I[0]+(I[0]-I[1])*2*R; これらにI[0],I[1],I[n-1],I[n]をそれぞれ一般解の式を適用して代入すると 2*(-K2/2^n+2^(1-n)*K2-2^n*K1+2^(n-1)*K1)*R=2*(K2/2^n+2^n*K1)*R E=(K2+K1)*(R+r)+2*(K2/2-K1)*R この2つからK1,K2を解くと K1=0,K2=E/(2*R+r) 従って解は I[k]=E/(2^k*(2*R+r)) となりラダーの段数に無関係に段数が多くなるにつれ流れる電流は2のべき乗に反比例する。ちなみに回路で内部抵抗r=0とした場合のI[0]を計算すると I[0]==E/2*R となり回路図から求めたものと合っている。 更に各段の抵抗2Rの両端の電圧V[k]は (%i2) V[k]=(I[k]-I[k+1])*2*R; (%o2) V[k]=2*(I[k]-I[k+1])*R で表される。I[k],I[k+1]をそれぞれ代入すると V[k]=(E*R)/(2^k*(2*R+r)) となり、電流と同じように2のべき乗に反比例する。r=0とした場合の初段の2Rの両端の電圧は V[0]=(E*R)/(2^0*(2*R+0))=E/2 ということで電源電圧Eの半分となる。 R-2Rラダー回路を使って簡単なD-A変換回路を構成することが可能である。R-2Rで検索すると沢山でてくる。市販のD-A変換ICも古くからあるものはR-2Rラダー回路である。電流値を加算すれば応答性の良い低ノイズなD-Aコンバーターが出来る。実際に古い低周波シンセサイザーやファンクションジェネレーターではそうしたものが使われていた。 昔まだ現在のようなサウンドカードとかが無かった頃にPCのプリンタポートにR-2Rラダー回路で構成したD-A変換回路を介してオーディオアンプをつないで音楽を鳴らしていたいかれた人たちが居た。 |
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