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webadm | 投稿日時: 2007-11-8 10:54 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3107 |
問題70:電力量と比熱と融点の応用(フューズ) 次ぎの問題は熱量に関係するが、更に比熱と融点というのがからんでくる。
半径rの導体に電流Iを流した時に導体が溶けるまでの時間を求めるというもの。フューズの問題だと思った方がぴったりかもしれない。 導体が溶解する温度(融点)まで導体が加熱されるために要する熱量を計算し、1秒当たりの発熱量で割れば溶融までの時間が出るはずである。 溶融する温度はθで与えられている。初期状態の温度を室温θ0と同じにおくと導体をθ-θ0℃だけ上昇させる必要がある。水の場合にはカロリーという簡単な単位があったが、導体の場合はいろいろ金属の種類によって熱し易さが違う。一定の質量の金属を一定温度上昇させるのに要する熱量をその質量と温度で割った値が比熱という単位である。比熱が高ければ同じ質量でも同じ温度まで熱するのに要する熱量を多く必要とすることを意味し、熱し難いと言える。 問題では更に物質の密度dが指定されている。質量を体積で割った値が密度である。これは与えられた半径と長さで示される導体の円柱の体積から質量を求めるのに用いることができる。 導体に流れる電流Iと導体の抵抗がわかれば発熱量がわかる。問題では抵抗値は与えられていないが抵抗率ρが与えられているので同じように導体の断面積と長さから抵抗値を計算することができる。 ここで注意しなければいけないのは比熱は発熱量を質量と温度で割ったものだが、元の発熱量の単位にはジュールとカロリーの2種類がある。そのどちらを扱うかによって計算式は変わってします。著者の解答例を見るとどうやらカロリーを元にしているようである。 そうすると電流と抵抗から計算される熱量はジュールなので式の上では熱量の単位を共通にするための変換を適宜行う必要がある。 まず溶融までに要する時間をtとするとそれまでの間に導体で発生する発熱量Pをカロリー換算で表すと P=0.24*I^2*ρ*L*t/(%pi*r^2) ということになる。0.24は1ジュールに対するカロリーの比である。 次ぎに導体が融点まで達するのに必要な熱量(カロリー)P0は P0=%pi*r^2*L*d*c*(θ-θ0) で表すことができる。 P=P0なので %pi*r^2*L*d*c*(θ-θ0)=0.24*I^2*ρ*L*t/(%pi*r^2) 従って時間tは t=%pi*r^2*L*d*c*(θ-θ0)*(%pi*r^2)/(0.24*I^2*ρ*L) =(4.166666666666667*%pi^2*c*d*r^4*(θ-θ0))/(ρ*I^2) ということになる。Lが相殺されて無関係になっている。 フューズの場合電流値に影響を与えない程度抵抗値が低ければヒューズが切れるまでに要する時間にはフューズ自体の長さに無関係だということだけはわかる。 |
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