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webadm | 投稿日時: 2007-2-15 3:51 |
Webmaster ![]() ![]() 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3108 |
まだ11ページしか進んでいない 前回に引き続き格子状抵抗ワイヤーの合成抵抗の問題を解く。
前回は格子の隣接する2つの角の間の合成抵抗を求めるものだったが、今度は対角の角の間の合成抵抗。 これも直感的に中央の十字節が回路の中点だということがわかる。それと対角線の左右で回路は対象なので中央で接続されていようとなかろうと無関係であることが予想がつく。 +-R-+-R-+ A---R---+ +---R---C +-R-+-R-+ という回路が2つAC間に並列につながっているというのと一緒である。これなら簡単に合成抵抗は Rac = 1/(1/(R+1/(1/(R+R)+1/(R+R))+R)+1/(R+1/(1/(R+R)+1/(R+R))+R)) = 1/(1/(R+1/(1/R)+R)+1/(R+1/(1/R)+R)) = 1/(1/3R+1/3R) = 1/(2/3R) = 3R/2 ということで著者の解答の結果と同じ値が得られた。 違いは解き方だけなんだけどね。私のは小学生レベル。 著者の解答のように数学的にエレガントに解を得るのが正解らしい。着眼点はあっているんだけどアプローチが違っていた。 ふと考えたけどこれが長さが同じで抵抗値も同じワイヤーだからいいものの、任意の抵抗値の格子状ネットワークだったら解けるのだろうかと。 たぶんSpiceとか回路シミュレーターにネットリスト入れて回路に電圧を与えて流れる電流値をシミュレーションで求めれば合成抵抗は逆算できるだろうけどそれでは意味が無い。 抵抗4つぐらいまではなんとか接続の組み合わせは限られるのでなんとかなるにしても5つ以上になると単純な並列接続とか直列接続とかで扱えない回路が出来てしまう。 教科書の直流回路の演習の後の方に当然そういった問題を扱うところが出てくる。 実はこの辺の解の求め方は今でも研究されている先端分野なのかもしれない。電気だけでなく、抵抗をバネとか熱抵抗とかに置き換えると振動工学とか熱力学とかいう分野の問題になる。 あと格子状ネットワークを見て思い出したのが、昔コンピューターが普及し始めた頃に発達した有限要素法という技術。応用力学とかの分野で任意の複雑な形状(実際の機械部品は必ずしも円や四角形など単純ではない)に力が加わった場合に各部位に発生する応力をコンピューターで計算する方法である。学生の時に助手だった先生がこれをいち早く研究していて非破壊検査の分野に応用しようとしていた。当時学校のミニコンピューターはメモリは最大実装しているけどそれでも32Kワードとかちっぽけなので、少ない要素数でとりあえず学内でデバッグして本番のデータは東北大学の大型計算機センターを借りてやっていたようだ。有限要素法の場合、応力などを計算するには実際の材料の剛性に近い性質の3角形状の梁を組み合わせて面や立体を構成する。三角形なので3辺の長さは場所によってまちまちで、形状の変化が急な部分は小さな三角形を沢山組み合わせて緻密に、そうでないところは大きな三角形であっさりと構成する。特に高い近似精度を出すためにはなるべく小さな三角形を使用すればいいのだがそうすると計算する要素数が多くなり当時の大型計算機でも限界があった。 今にしてみれば8bitか16bitのマイコンでそれをやっていたような時代である。 今はPCで当時では出来ないような規模と密度の有限要素解析ができて当然になってしまった。その応用範囲は知らない間に結構広く行き渡っていると思われる。 格子状でなく対角線にワイヤーが入った三角形の集合体だったらちょっと演習としては難しすぎる。 たぶんこういった電磁気だけでなく応力や熱とかのが伝搬する任意のネットワークを解く方法は数学的に既にあるのだろう。北米ならそうしたアルゴリズムだけでも特許になっていそうである。 |
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