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投稿者 | スレッド |
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webadm | 投稿日時: 2007-3-25 12:57 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3107 |
問題20,21:枝電流法と網目電流法を誤解していた疑い もしかして今まで網目電流法だと思っていたのは枝電流法の間違いだったと今更気づく。
網目電流とは閉回路内を一周する電流のことを意味する。 今まではどちらかというと一方的に電流が流れる回路を扱ってきたのでそれらは枝電流法が適用される。 問題20は異なる起電力(E1,E2)の電池を並列に接続した際に閉回路内を一周する電流が流れる状態で並列に接続した電池回路の出力電圧Eabを求めるというもの。 キルヒホッフの第2の法則から閉回路内の一方向から見た電圧降下の総和は0となることから E1 - (E2 + I・(r1 + r2)) = 0 Iを導き出す形に整理すると I・(r1 + r2) = E2 - E1 ∴I = (E2 - E1)/(r1 + r2) E1 = 1.5v E2 = 2v, r1 = 3Ω, r2 = 4Ωをそれぞれ適用すると I = (2 - 1.5)/(3 + 4) = 0.5/7 従ってAB間の電圧降下は Eab = E2 - r2・I = 2 - 4・(0.5/7) = 14/7 - 2/7 = 12/7 = 1.714v ということで著者の解法と同じ結果が得られた。著者の解法と違うのはE2側の方で求めている点である。この場合電流がE2からE1方向へ流れているのでr2で生じる電圧降下はE2とは逆極性になるため引き算となっている点が要注意。間違えると起電力よりも高い電圧になってしまう。著者はE1側で求めているためr1の電圧降下はE1にプラスする形で働く。 問題21も同様に電源をパラレル接続する抵抗回路網の各抵抗を流れる電流を求めるもの。ひとつはパイ型(Δ接続)抵抗ネットワークを介して2つの電池がパラに接続されているもの、もうひとつは2つのことなるT型(Y接続)抵抗ネットワークが並列に接続された回路に2つの電池がパラに接続されているもの。 今度は電池は内部抵抗を伴わない理想的な電源となっている。従って左の回路では電池と並列に接続された抵抗R1およびR3の電圧降下は電池の起電力と等しくなる、また電流I1, I2も求められる。著者は図の様に抵抗R2を流れる電流が電池を通る様に描かれているがR1,R2,R3で構成される閉回路については言及が無い。よく考えてみれば、ここにもキルヒホッフの第二の法則を適用すると閉回路の電圧降下の総和は0になるということからこの閉回路には網目電流は流れないということがわかる。 すなわち I1・R1 - I2・R2 - I3・R3 = 0 ということが成り立つ。 ここでI1, I3は I1 = E1/R1 I3 = E2/R3 これで最初の式を書き換えて整理すると (E1/R1)・R1 - I2・R2 - (E2/R3)・R3 = E1 - I2・R2 - E2 = 0 従って I2 = (E1 - E2)/R2 続いて右側の回路を解いてみる。 回路には2つのパラレルに接続されたY接続抵抗網と電池によって4つの閉回路が存在する。それぞれについてキルヒホッフの第二の法則を適用すると E1 - I1・R1 - I3・R3 = 0 E2 - I2・R2 - I3・R3 = 0 E1 - I4・R4 - I6・R6 = 0 E2 - I5・R5 - I6・R6 = 0 が成り立つ。 またキルヒホッフの第一の法則により I3 = I1 + I2 I6 = I4 + I5 が成り立つのでこれで先の2つの式を書き換えると E1 - I1・R1 -(I1 + I2)・R3 = 0 E2 - I2・R2 -(I1 + I2)・R3 = 0 E1 - I4・R4 -(I4 + I5)・R6 = 0 E2 - I5・R5 -(I4 + I5)・R6 = 0 最初の式を整理すると I1・(R1 + R3) = E1 - I2・R3 ∴I1 = E1/(R1 + R3) - I2・R3/(R1 + R3) これを第二の式に適用すると E2 - I2・R2 -(I1 + I2)・R3 = E2 - I2・R2 - (E1/(R1 + R3) - I2・R3/(R1 + R3) + I2)・R3 = E2 - I2・R2 -E1・R3/(R1 + R3) + I2・R3・R3/(R1 + R3) - I2・R3 = E2 - I2・(R2 + R3) -E1・R3/(R1 + R3) + I2・R3・R3/(R1 + R2) = E2 - E1・R3/(R1 + R3) - I2・((R2 + R3)・(R1 + R3) - R3・R3)/(R1 + R3) = E2 -E1・R3/(R1 + R3) - I2・(R2・R1 + R3・R1 + R2・R3 + R3・R3 - R3・R3)/(R1 + R3) = E2 - E1・R3/(R1 + R3) - I2・(R2・R1 + R3・R1 + R2・R3)/(R1 + R3) = 0 ∴I2 = (E2 - E1・R3/(R1 + R3))・((R1 + R3)/(R2・R1 + R3・R1 + R2・R3) = (E2・(R1 + R3) - E1・R3)/(R2・R1 + R3・R1 + R2・R3) これを二番目の式に適用してI1を求めると E2 - I2・R2 - (I1 + I2)・R3 = E2 -I2(R2 + R3) - I1・R3 = E2 - (E2・(R1 + R3) - E1・R3)・(R2 + R3)/(R2・R1 + R3・R1 + R2・R3) - I1・R3 = 0 ∴I1 = E2/R3 - (E2・(R1/R3 + 1) - E1)・(R2 + R3)/(R2・R1 + R3・R1 + R2・R3) - I1 = (E2・(R2・R1/R3 + R1 + R2) - E2・(R1/R3 + 1)・(R2 + R3) + E1・(R2 + R3))/(R2・R1 + R3・R1 + R2・R3) = (E2・R2・R1/R3 + E2・R1 + E2・R2 - E2・R1・R2/R3 - E2・R2 - E2・R1 - E2・R3 + E1・R2 + E1・R3)/(R2・R1 + R3・R1 + R2・R3) = (E1・(R2 + R3) - E2・R3)/(R2・R1 + R3・R1 + R2・R3) 従って I3 = I1 + I2 = (E1・(R2 + R3) - E2・R3 + E2・(R1 + R3) - E1・R3)/(R2・R1 + R3・R1 + R2・R3) = (E1・R2 + E2・R1)/(R2・R1 + R3・R1 + R2・R3) 同様にI4,I5,I6もR1, R2, R3がそれぞれR4, R5, R6と書き換わるだけなので I4 = (E1・(R5 + R6) - E2・R6)/(R5・R4 + R6・R4 + R5・R6) I5 = (E2・(R4 + R6) - E1・R6)/(R5・R4 + R6・R4 + R5・R6) I6 = (E1・R5 + E2・R4)/(R5・R4 + R6・R4 + R5・R6) I1を解くのにはもちろん I1 = E1/(R1 + R3) - I2・R3/(R1 + R3) のI2を書き換えても出来ます。最初それをやってみて解けなくて半日悩んだものの、一ひねり必要なだけでした。 I1 = E1/(R1 + R3) - (E2・(R1 + R3) - E1・R3)・R3/(R2・R1 + R3・R1 + R2・R3)・(R1 + R3) = (E1・(R2・R1 + R3・R1 + R2・R3) - E2・(R1 + R3)・R3 + E1・R3・R3)/(R2・R1 + R3・R1 + R2・R3)・(R1 + R3) = (E1・(R2 + R3)・(R1 + R3) - E2・(R1 + R3)・R3)/(R2・R1 + R3・R1 + R2・R3)・(R1 + R3) = (E1・(R2 + R3) - E2・R3)/(R2・R1 + R3・R1 + R2・R3) E1の項に関して因数分解する必要があったのでした。 |
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