フラット表示 | 前のトピック | 次のトピック |
投稿者 | スレッド |
---|---|
webadm | 投稿日時: 2007-3-26 11:39 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3107 |
問題22:電流計 問題22は基本的な電流計の原理を題材にしている。
電流計は内部抵抗rを持ち最大流せる許容電流が決まっている。それ以上流すと針が振り切れて壊れてしまう。 より大きな電流を計測するには、小さな電流が測れる電流計があれば外付け抵抗回路で分流して全体を流れる電流を任意の整数分の1にすることで測定可能なレンジを大きくすることができる。 ただレンジが大きくなるにつれ流れる電流が大きくなるので分流抵抗に流れる電流もばかにならなくなる。抵抗の許容損失電力量を超えると加熱して焼損してしまう。よくテスターやマルチメーターの電流測定時には最大許容電流が定められていてそれ以上流すと焼損したりヒューズが切れたりする。 中学校の時に初めて買った三和のテスターをやはり過大電流を流しすぎて内部の抵抗器が焼損してしまった。当時は切手代だけで三和から交換部品の抵抗を取り寄せることができ、それで自分で修理できた。社会人になってからもずっと携えていたが、ある日先輩社員に貸したらやはり同じように抵抗を焼損してしまったというわびが入った。もう古いのでさすがに交換部品の提供も終わっていたので代わりに秋葉原で買ったというSOARのへんてこなアナログ液晶表示テスターをもらった。針の代わりに液晶のバーグラフの表示が伸び縮みするだけでデジタル表示ではない。かなりつかいずらくてがっかりした覚えがある。その後すぐSOARは倒産した。前にもどっかで書いた覚えがある。 さて本題に戻ろう。 問題の趣旨はなんとなくわかるが謎の部分もある。電流計の回路は以下のような感じで構成し、全体の合成抵抗は常に電流計の内部抵抗値とひとしくなるようにし、かつ電流計そのものに流れる電流は全体の1/nにするというもの。つまりn倍のスケールするということ。 たぶん解釈はそれであっていると思う。実際の電流計がはたしてレンジが変わっても挿入抵抗としては一定になっているかは知らない。確かにレンジを大きくしたら回路への挿入抵抗があがるのはまずいし小さいければ小さいほど良いはずだ。 いつものように連立方程式をたてる。既知のパラメータはI,rで未知のパラメータはR1,R2である。 回路の合成抵抗が電流計の内部抵抗値rと等しいことから r = R1 + 1/(1/R2 + 1/r) = R1 + R2・r/(r + R2) が成り立つ それぞれの枝電流は R2側がI(1 - 1/n)でr側がI/nということになる。それぞれの電圧降下は等しいことから R2・I(1 - 1/n) = r・I/n ∴R2 = r/(1 - 1/n)・n = r/(n - 1) 従ってR1は先の式を書き換えて r = R1 + R2・r/(r + R2) = R1 + r・r/(n -1)・(r + r/(n - 1)) = R1 + r/(n - 1)・(1 + 1/(n - 1)) = R1 + r/(n - 1 + 1) = R1 + r/n ∴R1 = r(1 - 1/n) = (n - 1)・r/n ということで著者の解答と同じ結果が得られた。 いずれにせよ電流計の測定レンジを大きくしようとすると外部に電流計の内部抵抗よりも小さな抵抗をつながないといけないことがわかる。電流計の内部抵抗は小さいので大変抵抗値が小さい特注品になる。 |
フラット表示 | 前のトピック | 次のトピック |
投稿するにはまず登録を | |