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webadm | 投稿日時: 2007-10-20 20:08 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3088 |
HPの古いDistortion Analyzer 歪み率計は既にPanasonicのを持っていてそれで足りるのではあるが、たまたま売りに出ていて誰も入札する気配の無いHPの古いDistortion Analyzer(自動歪み率計)を落札。
334Aという型番からして古くビンテージ級である。Agilentのサイトでこの型式でドキュメントを探しても見つからなかったが、普通にGoogleで検索したら見つかった。 このタイプには333という型式もあり、これは334Aにだけ付いているRF検波やHi passフィルター等が無いだけの違い。サービスマニュアルは333/334A兼用だった。333でAgilentのサイトで探せば出てきたのかもしれない。親切に出品者の方がAgilentのサイトにあるサービスマニュアルのダウンロードURLを教えてくれた。出品時の紹介写真では入力と歪み率計のモニター出力(ノッチフィルターの出力)をオシロで同時に観測したものが載っていて大変興味深かった。三角波や方形波から基本周波数成分を取り除いた信号波形がオシロに表示されていて、同時に周波数スペクトルを観測した写真も併せて掲載されていた。かなり興味深かった。正弦波から基本波を取り除けばほとんど信号は無くなるのはわかるが、三角波や方形波は高調波がそのまま残るのでおもしろい波形になる。双曲線関数のような波形が現れて興味深かった。 この歪み率計は、左側にレベルメーターが、右側にフィルター周波数設定ダイヤルが見える。サービスマニュアルを見ると、フィルターはウイーンブリッジによるノッチフィルターで構成されているらしい。任意の周波数での歪み率を測定できるのと、ある程度基本周波数の近傍までフィルターダイヤルを合わせれば、あとは自動でチューニングして追い込んでくれる自動歪み率計である。マニュアルでも出来るが結構一番歪み率が小さくなるところへ追い込むのがつまみを回しながらだが面倒である。 後に歪み率計はこれが更に進化して全自動歪み率計が登場するのだが、これはその過渡期のもの。しかもサービスマニュアルの回路図を見る限り、オペアンプは一切使用されておらず、すべてトランジスタ回路に見える。 NFの低歪みオシレーターをつないで測定してみたところ、1KHzで0.01%未満となった。400Hzでは少し悪く0.03%未満でPanasonicので測定した時と同じ結果となった。 今のところ歪み率計としての動作上の問題は無いが、中を覗いてみると電解コンデンサがすべてチューブラータイプのものでかなり年数が経っていることが予想される。一見するとハーメティックタンタルに見えるが、封止材が良く見るとゴムなのでアルミ電解コンデンサであることがわかる。一部ゴムに亀裂が入っていたり周囲が変色しているものがあるので寿命はとっくに来ていると見てよいだろう。 いずれ電解コンデンサは交換しなければならないだろう。 届いた時にフロントパネルは長年の埃でかなりすすけていたが、中性洗剤を1%に水で希釈して布にしみこませて拭き掃除したところかなり綺麗になった。周波数設定ダイヤルは中でもかなり汚れていて、たばこのヤニか何かで黄色くなっていた。アルミ製なのでその錆びもあって綺麗にはならなかったが、ヤニはとれた。 これもかなり役立ちそうである。 P.S ご多分に漏れずこの歪み率計はレベルメーターやACボルトメーターの機能もある。しかし測定結果が、SENSITIVITYつまみのVERNIERの位置によって微調整できるようになっているのが影響してどれが正しい値なのかわからなくなってしまう。つまみをいじってしまうとレベル測定値もずれてしまうのである。まあ、トランジスタだけで組んであるのでオペアンプを使った回路のように自動的に高精度にはいかないのかもしれない。歪み率測定時には自動制御のゲイン設定なので収束時間には関係しても測定結果には影響を与えない。 |
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