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投稿者 スレッド
webadm
投稿日時: 2007-12-15 21:27
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3095
複素数の加減乗除と共役複素数
いきなり微分と積分から入ってしまったが、本の方がそういう順番になっているので致し方がない。ここを踏み外すとこの先に進めないので慎重に。

正弦波交流電圧や電流はフェーザー表記で以下のように表される。これは極座標表現と呼ばれる。

E=|E|exp(j(θ+φ))
=|E|cos(θ+φ)+j|E|sin(θ+φ)

|E|cos(θ+φ)=E1
|E|sin(θ+φ)=E2

と置くと

E=E1+jE2

と表すこともできる。これは直交座標表現と呼ばれる。

同様に

I=|I|exp(j(θ+φ))
=|I|cos(θ+φ)+|I|sin(θ+φ)

I1=|I|cos(θ+φ)
I2=|I|sin(θ+φ)

と置くと

I=I1+jI2

と表すことができる。

これらから正弦波交流電圧と電流の加減算は以下のように表すことができる。

A1=|A1|exp(jθ1)=B1+jC1
A2=|A2|exp(jθ2)=B2+jC2

加算は

A=A1+A2
=|A1|exp(jθ1)+|A2|exp(jθ2)
=B1+jC1+B2+jC2
=(B1+B2)+j(C1+C2)

ここで

B=B1+B2
C=C1+C2

と置くと


A=A1+A2
=|A|exp(jθ)
=B+jC

|A|=sqrt(B^2+C^2)
=sqrt((B1+B2)^2+(C1+C2)^2)
=sqrt(C2^2+2*C1*C2+C1^2+B2^2+2*B1*B2+B1^2)

B1=|A1|cos(θ1)
B2=|A2|cos(θ2)
C1=|A1|sin(θ1)
C2=|A2|sin(θ2)

なので

|A|=sqrt((|A2|sin(θ2))^2+2*|A1|sin(θ1)|A2|sin(θ2)+(|A1|sin(θ1))^2+(|A2|cos(θ2))^2+2*|A1|cos(θ1)|A2|cos(θ2)+(|A1|cos(θ1))^2)
=sqrt(|A2|^2*sin(θ2)^2+2*|A1|*|A2|*(sin(θ1)sin(θ2)+cos(θ1)cos(θ2))+|A1|^2*sin(θ1)^2+|A2|^2*cos(θ2)^2+|A1|^2*cos(θ1)^2)
=sqrt(|A1|^2*(sin(θ1)^2+cos(θ1)^2)+|A2|^2*(sin(θ2)^2+cos(θ2)^2)+2*|A1|*|A2|*cos(θ1-θ2))
=sqrt(|A1|^2+|A2|^2+2*|A1|*|A2|*cos(θ1-θ2))

θ=atan(C/B)=atan((C1+C2)/(B1+B2))
=atan((|A1|sin(θ1)+|A2|sin(θ2))/(|A1|cos(θ1)+|A2|cos(θ2)))

と表すことができる。なんだか訳がわからないので幾何学的に見てみると



ベクトルや行列の足し算と同じである。


同様に減算も

A=A1-A2
=|A1|exp(jθ1)-|A2|exp(jθ2)
=B1+jC1-(B2+jC2)
=(B1-B2)+j(C1-C2)

ここで

B=B1-B2
C=C1-C2

と置くと

A=A1-A2
=|A|exp(jθ)
=B+jC

|A|=sqrt(B^2+C^2)
=sqrt((B1-B2)^2+(C1-C2)^2)
=sqrt(C2^2-2*C1*C2+C1^2+B2^2-2*B1*B2+B1^2)
=sqrt(sin(θ2)^2*|A2|^2+cos(θ2)^2*|A2|^2-2*sin(θ1)*sin(θ2)*|A1|*|A2|-2*cos(θ1)*cos(θ2)*|A1|*|A2|+sin(θ1)^2*|A1|^2+cos(θ1)^2*|A1|^2)
=sqrt((sin(θ2)^2+cos(θ2)^2)*|A2|^2-2*(sin(θ1)*sin(θ2)+cos(θ1)*cos(θ2))*|A1|*|A2|+(sin(θ1)^2+cos(θ1)^2)*|A1|^2)
=sqrt(|A1|^2+|A2|^2-2*|A1|*|A2|*cos(θ1-θ2))

θ=atan((C1-C2)/(B1-B2))
=atan((|A1|sin(θ1)-|A2|sin(θ2))/(|A1|cos(θ1)-|A2|cos(θ2)))

となる。これも同様に幾何学的に表すと



先ほどの加算の時の片方を180度回転させたものと加算したのと同じである。これは-1をかけたものが180度位相がずれたものになることからうなずける。

ここまでは簡単。次ぎに乗除を考えてみよう。

A=A1*A2
=|A1|exp(jθ1)*|A2|exp(jθ2)
=(B1+jC1)*(B2+jC2)
=B1*B2+jB1*C2+jC1*B2-C1*C2
=(B1*B2-C1*C2)+j(B1*C2+C1*B2)

ここで

B=B1*B2-C1*C2
C=B1*C2+C1*B2

とすれば

A=A1*A2
=|A|exp(jθ)
=B+jC

|A|=sqrt(B^2+C^2)=sqrt((B1*B2-C1*C2)^2+(B1*C2+C1*B2)^2)
=sqrt(C1^2*C2^2+B1^2*C2^2+B2^2*C1^2+B1^2*B2^2)
=sqrt(B1^2+C1^2)*sqrt(B2^2+C2^2)
=|A1|*|A2|

θ=atan(C/B)=atan((B1*C2+C1*B2)/(B1*B2-C1*C2))
=atan((cos(θ1)*sin(θ2)*|A1|*|A2|+sin(θ1)*cos(θ2)*|A1|*|A2|)/(cos(θ1)*cos(θ2)*|A1|*|A2|-sin(θ1)*sin(θ2)*|A1|*|A2|))
=atan((cos(θ1)*sin(θ2)+sin(θ1)*cos(θ2))/(cos(θ1)*cos(θ2)-sin(θ1)*sin(θ2)))
=atan(sin(θ1+θ2)/cos(θ1+θ2))
=θ1+θ2

となる。



つまり掛け算は平面上で原点を中心に回転移動し絶対値を拡大することを意味する。

残るは除算である。

A=A1/A2
=(|A1|exp(jθ1))/(|A2|exp(jθ2))
=(|A1|/|A2|)*exp(j(θ1-θ2))
=|A|*exp(jθ)


|A|=|A1|/|A2|
θ=θ1-θ2

だということはわかる。

B=|A|cos(θ)
C=|A|sin(θ)

と置けば

A=A1/A2
=|A|*exp(jθ)
=|A|cos(θ)+j|A|sin(θ)
=B+jC

なので

B=|A|cos(θ)
=(|A1|/|A2|)*cos(θ1-θ2)
=(|A1|/|A2|)*(cos(θ1)cos(θ2)+sin(θ1)sin(θ2))
=(|A1|/|A2|)*cos(θ1)cos(θ2)+(|A1|/|A2|)*sin(θ1)sin(θ2)
=B1*cos(θ2)/|A2|+C1*sin(θ2)/|A2|
=(B1*cos(θ2)+C1*sin(θ2))/|A2|

ここで分子と分母にそれぞれ|A2|をかけると

B=|A2|*(B1*cos(θ2)+C1*sin(θ2))/|A2|^2
=(B1*|A2|cos(θ2)+C1*|A2|*sin(θ2))/|A2|^2
=(B1*B2+C1*C2)/|A2|^2
=(B1*B2+C1*C2)/(B2^2+C2^2)

同様にCも

C=|A|sin(θ)
=(|A1|/|A2|)*sin(θ1-θ2)
=(|A1|/|A2|)*(sin(θ1)cos(θ2)-cos(θ1)sin(θ2))
=(|A1|*sin(θ1)cos(θ2)-|A1|cos(θ1)sin(θ2))/|A2|
=(C1*cos(θ2)-B1*sin(θ2))/|A2|

分子と分母に|A2|をそれぞれかけると

C=(C1*|A2|*cos(θ2)-B1*|A2|*sin(θ2))/|A2|^2
=(C1*B2-B1*C2)/|A2|^2
=(C1*B2-B1*C2)/(B2^2+C2^2)

となる。



割り算は掛け算とちょうど逆方向に回転し絶対値を縮小する操作になる。

共役とは実軸に鏡を立てて反対側に移る像との関係を指す。すなわち虚数部の符号が反転しただけの複素数は共役であると言う。

互いに共役な複素数の和と差を図示すると



共役複素数は上に線を引いて表すがweb上では表しようがない。仕方ないので代わりに下線を引いて表すと

A=|A|*exp(-jθ)=B-jC

と表すことができる。

図からわかる通り

B=(A+A)/2
C=(A-A)/2j

ということになり

|A|=sqrt(B^2+C^2)=sqrt((B+jC)*(B-jC))
=sqrt(A*A[/u])

という関係が成立する。

共役複素数が何に役にたつかというと、複素数の逆数を考えてみよう

1/[b]A
=1/(|A|*exp(jθ))
=(1/|A|)*exp(-jθ)
=(|A|*exp(-jθ)/|A|^2)
=A/|A|^2
=B-jC/(B^2+C^2)
=B/(B^2+C^2)-jC/(B^2+C2^2)

と表すことができる。なんだか狐につままれた感じがしないでもない。普通に逆数は

1/A=1/(|A|*exp(jθ))
=exp(-jθ)/|A|
=(cos(θ)-jsin(θ))/|A|
=(|A|*cos(θ)-j|A|sin(θ))/|A|^2
=(B-jC)/(B^2+C^2)
=A/|A|^2

とも導くことができる。

たぶん後々役立つのだろう。




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題名 投稿者 日時
   ベクトル記号法 webadm 2007-12-11 20:30
     Re: ベクトル記号法 webadm 2007-12-13 13:38
     ベクトル記号法の意味 webadm 2007-12-13 18:16
       Re: ベクトル記号法の意味 webadm 2007-12-14 17:42
         Re: ベクトル記号法の意味 webadm 2007-12-14 19:10
         » 複素数の加減乗除と共役複素数 webadm 2007-12-15 21:27
             複素インピーダンス webadm 2007-12-16 13:14
               基本回路の合成複素インピーダンスとアドミッタンス webadm 2007-12-16 14:48
                 Re: 基本回路の合成複素インピーダンスとアドミッタンス webadm 2007-12-16 17:15
                   電力の複素数表示 webadm 2007-12-16 18:27

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