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投稿者 スレッド
webadm
投稿日時: 2009-10-15 19:22
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3088
複素角周波数
これまで交流回路の定常状態を解析するために用いてきたインピーダンスZ(jω)式中のjωを複素角周波数

s=σ+jω

で置き換えた複素関数Z(s)を新たにインピーダンス関数と呼ぶ。

従って

σ=0

と置くとそれは従来のインピーダンスZ(jω)の式と同じになるため、インピーダンス関数はインピーダンスをより一般化したものであると考えられる。

ωは角周波数でラジアン/秒の単位をもつ。従ってσも同様に時間当たりのなんらかの変化量を表すことになる。

複素角周波数の物理的な意味は、微分方程式の一般解が

Kn*exp(sn*t)

で表されることを考えると良く理解できる。

sn=σn+jωn

であるので、展開すると

Kn*exp(sn*t)=Kn*exp(σn)*exp(jωnt)
=Kn*exp(σn*t)*(cos(ωnt)+j*sin(ωnt))

ということになる。これは実数部、虚数部どちらをとっても角周波数ωnの振動とσnによる時間領域での減衰(もしくは増大)を表している。

σn=0

なら

Kn*(cos(ωnt)+j*sin(ωnt))

となり正弦波(虚数部)、もしくは余弦波(実数部)を表し

更に

ωn=0

なら

Kn

となって直流を表すことになる。

従ってσとωの値の取り方の組み合わせによって、あらゆる応答を表すことが可能になる。

σ=0 & ω=0 : 時間にかかわらず一定の直流
σ>0 & ω=0 : 時間と共に絶対値が増大する直流
σ<0 & ω=0 : 時間と共に絶対値が減少する直流
σ=0 & ω≠0 : 時間にかかわらず振幅が一定の交流
σ>0 & ω≠0 : 時間と共に振幅が増大する交流
σ<0 & ω≠0 : 時間と共に振幅が現象する交流

これをグラフにプロットしてみると

σ=0 & ω=0

wxplot2d([1], [x,0,100])$



σ>0 & ω=0

wxplot2d([exp(0.04*x)*1], [x,0,100])$



σ<0 & ω=0

wxplot2d([exp(-0.04*x)*1], [x,0,100])$



σ=0 & ω≠0

wxplot2d([cos(x)], [x,0,100])$



σ>0 & ω≠0

wxplot2d([exp(0.04*x)*cos(x)], [x,0,100])$



σ<0 & ω≠0

wxplot2d([exp(-0.04*x)*cos(x)], [x,0,100])$



σをネーパー周波数、ωをラジアン周波数と名付けたのはW. H. Huggins。

I=I0*exp(σt)

の自然対数を取ると

σ=(1/t)ln(I/I0)

ということになりσは毎秒当たりの比率の自然対数であることからネーパー(neper)周波数と名付けられた。
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題名 投稿者 日時
   1端子対回路 webadm 2009-10-15 7:06
   » 複素角周波数 webadm 2009-10-15 19:22
     インピーダンス関数 webadm 2009-10-15 21:47
     正実関数(Positive Real Function) webadm 2009-10-16 1:11
     リアクタンス関数 webadm 2009-10-22 7:47
     Foster展開(部分分数展開) webadm 2009-11-11 19:00
     Cauer展開(連分数展開) webadm 2009-11-12 1:04
       Re: Cauer展開(連分数展開) webadm 2009-12-20 2:36
     RL一端子対回路 webadm 2009-12-2 4:14
     RC一端子対回路 webadm 2009-12-24 19:18
     逆回路(Inverse Network) webadm 2009-12-25 18:57
     定抵抗回路(constant resistance network) webadm 2009-12-25 21:21

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