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投稿者 スレッド
webadm
投稿日時: 2012-8-26 17:46
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3088
指数関数、三角関数
次もLaplace変換の問題

次の関係が成立することを証明せよ

(1)
(2)
(3)
(4)

というもの。

厳密には右から左へのLaplace変換が存在することを証明しなければならない。しかし既に学んでいる存在条件は十分条件であって必要条件ではないので、あまり役立ちそうもない。

例えば(1)の指数関数は指数a位であることは明らかなので、Re s > aの場合にLaplace変換が存在する。

これはどういう意味だろう?



つまりs-aの実数部が負になると第一項の分子が無限大になってしまい収束しないし、そのままではLapalce逆変換も成り立たないということだった。

依然として変換されたs関数はs=aに極を持つが、留数定理を用いてBromwich積分を計算する際に意味を持つ。

次に(2)は(1)のaを±jωに置き換えたものと考えるのが一番簡単だが、へそまがりなやり方でやってみよう



最初の(1)では実数変数の指数関数だったが、(2)は複素数を変数とする指数関数になるので厳密には級数の収束の議論が必要だ。(ω/sの絶対値が1より小さければ(sの絶対値がωより大きければ)
級数は収束するので問題ない。

変換されたs関数は依然としてs=±jωに極を持つ。Bromwich積分する際に複素積分の留数e^±jωtとして元の時間領域関数が現れることに注意。

(3)も(2)を利用して三角関数の指数関数形式に書き換えてLaplace変換すれば簡単だがへそまがりな別の方法でやると



ということになる。

変換されたs関数はjωと-jωの複素共役な極を持つ。従って分母はそれぞれの極を根とする因数に分解でき、部分分数展開すると



ということになり。これをBromwich積分すれば留数はe^jωt/2j,e^-jωt/2jとなり、2つ合わせるとsinωtの指数関数表記となることが判る。

(4)も同様の方法で



ということになる。

これも複素共役な極を持ち、部分分数展開すると



となり、Bromwich積分すると留数がe^jωt/2,e^-jωt/2となり、合わせるとcosωtの指数関数表示となることが判る。

P.S

良く考えたら(1),(2)は推移定理を使った方が簡単だった。学んだ順番とは違うけど、使えるものは使ったほうが楽になる。



ということになる。(2)も同様に簡単に証明できる。

P.S

Heavisideの演算子法と同様に一般2項定理を適用して演算子法と同様の変換公式が得られる。皮肉なことにHeavisideの演算子法ではLaplace変換の複素変数sが微分演算子pになるだけだが、微分演算子pはそれを変数とした級数の収束を議論が出来ないが、複素変数sならば問題なく出来てしまう。Heavisideはそれを予見したのだが、自らはそれを証明するつもりは無かったし、自分でも出来るとは信じていなかったのだろう。Heavisideは晩年、Cambridgeで学ぶことが出来ていたらという趣旨の事を述懐している。Cambridgeの数学者を批判していたが、それはCambridgeの数学者への羨望から来ていたのだと今は理解できる。

当時のCambridgeの数学科の最高峰に居た純粋数学者のHardyは純粋数学とは役にたたない数学であると豪語してはばからなかった。その半面で他の科学者が数学的な問題で躓いているのを知るとここぞとばかりに問題を解決してみせたりもしていた。数学は科学をバックアップしていると信じているからこそ出来たわけで、純粋数学は役にたたないという言明とは矛盾する。とはいえ、その後20世紀には数学はほとんど抽象的な学問になってしまってその言明は的を得てしまったわけである。

19世紀から20世紀にかけて数学を抽象化へと向かわせた明確な意図を理解すれば、それを科学に応用することはHardyが生きていても支援したかもしれない。しかし応用するには抽象的すぎて難解過ぎる。しかし19世紀までの数学と20世紀以降のTopologyを理解すれば、近代の数学で語られている言葉がなんとなく理解できるようになる。そういう意味では電気回路理論とそれに必要な数学の理解は早道かもしれない。
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