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webadm | 投稿日時: 2012-9-17 17:03 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3088 |
基礎方程式とその解 今日の分布定数回路の理論はThomsonのモデルを改良したHeavisideのモデルをベースに拡張したRLGCベースのモデルのみ扱う。RLGCでそれ以前の古いモデルがすべて包含されるからである。
RLGCのRは単位長当たりの線路抵抗値R[Ω/m]、単位長当たりの線路インダクタンスL[H/m]、単位長当たりの漏れコンダクタンスG[S/m]、単位長当たりの静電容量C[F/m]から成る。 IおよびVは定常電流と定常電圧である。交流回路であるのでベクトル記号法を使って回路方程式をたてると 著者はこれを分布定数回路の基礎方程式と呼んでいるが、著者の図(b)は大事なところで間違っていて、著者が示しているような式は導出できないのである。なので一般的な他のテキストでどこでも使われている本来意図された図をもってきた。他のテキストは偏微分方程式の形を分布定数回路の基礎微分方程式と読んでいるので、ベクトル記号法での式と間違え易いのでややこしい。 上の式を更に両辺をxで微分すると こっから先がさっぱりわがんね(´Д`;) tを補助変数としxを独立変数とする未知関数V(t,x)を上の微分方程式から解くと ということになる。 今度はこれを最初の基本方程式に代入してtを補助変数としxを独立変数とする未知関数I(t,x)を導くと ということになる。 こっからどうすんだこれ(´Д`;) ここで一服して、 ということになる。著者は簡単に結果だけ示しているが、実際には4次方程式を解かないと得られない結果だった。 2端子対回路で学んだ通り、γは単位長当たりの伝搬定数、αは単位長当たりの減衰定数[Np/m]、βは単位長当たりの位相定数[Np/m]である。 さてこっからが本題である。 最初に解いた電圧Vの解は と解釈することができる。ここでVrは入力端より距離が遠くなる程大きくなるので反射波の電圧、Viは入力端より距離が遠くなるほど小さくなるので入射波の電圧と見ることができる。 従って条件A',B'を色々与えることによって、様々な特解があることがわかる。 無限長線路 線路が無限に続く場合、終端が無いので反射波が発生せずVr=0となると考えられる。 従って ということになる。従って任意の位置のインピーダンスはすべてZ0と一致しそれを特性インピーダンスと呼ぶ。 無損失線路 線路内に電力を消費する抵抗や漏洩コンダクタンスが存在しない場合、伝送路内では電力が一切消費されない無損失線路になる。G=R=0を代入すれば伝達定数γは となり。減衰定数α=0となり、位相定数βのみとなる。位相定数は周波数に比例する。 この時の特性インピーダンスはR=G=0を代入すると ということになる。 無歪み線路 減衰定数αの式には角周波数ωが含まれており、周波数に依存することになる。減衰定数の式の中のωに依存する項が0になれば周波数特性がフラットになり、歪みが無くなる。 これもかなりトリッキーだ。 これにも歴史的にHeavisideのエピソードがあるが、ここでは触れない。 引き続き様々な境界条件を与えた場合の解のバリエーションを考える 送電端電圧Es,電流Isを与えた場合 上で求めた解の式で送電端(x=0)での初期値条件を以下の様に与えると ということになり、これを解に代入すると。 ということになる。 受電端電圧ER、電流IRを与えた場合 x=lに置ける境界条件を与えた場合 これをA,Bに関する連立方程式として解くと これを一般解に代入すると ということになる。これも結果だけ見ると簡単そうに見えるが、実際に手を動かすとなると連立方程式を解いたり、双曲線関数の和公式を使ったりと結構結果を得るまで手間がかかる。 送電端電圧Es,受電端電圧ERを与えた場合 これを一般解に代入すると ということになる。 送電端電流IS,受電端電流IRを与えた場合 これを一般解に代入すると ということになる。 P.S これらを暗記して試験に備えよというのは無理がある。 せめて導出のやり方とか程度は頭に入れておいて、あとは適宜必要な式を導き出せればよいのではないだろうか。 暗記するには、次に出てくる4端子回路定数として憶えておくのが良いかもしれない。 P.S 減衰定数と位相定数には曖昧な2つの解があって、実数と純虚数のうち実数を選んだが、もう片方の純虚数を選ぶと摩訶不思議な世界が現れてくる。入射波は遠くになるほど大きくなり、逆の反射波も真なり。現実の世界とはまったく天の邪鬼な世界である。もしかしたらそういう世界はどっか別の次元に本当にあって、その世界では同じ電荷は引き合い、異なる電荷は反発しあうのかもしれないし、物質は互いに重力で反発し、宇宙は反発しあう物質で膨張し続けているとか。こちらの世界の零はあちらでは無限大でこちらの無限大はあちらでは零、同様に極は零点で零点が極なのかもしれない。互いの空間はをひっくり返した関係にあるが、こちらの世界とあちらは同相で一対一の関係がある。 |
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