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投稿者 スレッド
webadm
投稿日時: 2012-10-1 7:06
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3087
減衰定数、位相定数の近似式
次は減衰定数と位相定数に関する問題。

なにげに近似式を求める古くて新しい問題。ちょっと頭を使う。

その昔電卓も電子計算機も無かった頃に関数の値を計算するのは並大抵の苦労ではなかった。なので少ない労力で有る程度近い値を得る近似式というのを考えるのに時間を費やす価値があった。

今でも代数的に解けない(既存の解析関数で解が表せない)微分方程式の問題に関しては数値解法が必須であり、その近似計算が重要課題である。

伝搬定数γ、減衰定数α、位相定数βは線路の単位長さ当たりの直列インピーダンスZと並列アドミッタンスYによって



ということになる。

問題文では(1)R≪ωL,G≪ωCと(2)ωL≪R,ωC≪Gの2つのケースについて減衰定数、位相定数の近似式を示せというもの。

当然ながら著者とは別解でやることになる。

直列インピーダンスZ,並列アドミッタンスYそれにそれらの積のベクトルZYおよびその平方根ベクトル√ZYの関係を図で表すと



ということになる。

ベクトルZとベクトルYを乗じれば、ZはYの偏角分時計回りに回転するので、ベクトルZYの偏角はベクトルZとベクトルYの和になる。一方その平方根のベクトル√ZYは、二乗するとベクトルZYになるのだから、偏角はベクトルZYの1/2ということになる。ベクトルの長さはベクトルZYの長さの平方根とということになる。つまりγの偏角はZとYの偏角の平均値ということになる。これらを式で表すと



ということになる。あとはこれをうまく題意の条件を利用して近似式を求めればよいことになる。

(1)R≪ωL,G≪ωCの場合

θ1,θ2ともにπ/2に近いことから



ということになる。著者の解とは異なりβに二次の項を含んでいないが十分小さい値の差の二次式であることから無視できる。

手元にあるドイツの理論電気学の教科書にこの近似が成り立つ理由が判りやすくグラフで説明されている。併せて提示されている近似式は上の結果と同じである。



(2)ωL≪R,ωC≪Gの場合

θ1,θ2ともに0に近いから



ということになる。これも著者の解とはαに二次の項が含まれていない点が異なるが十分小さい値の差の二乗であるので無視できる。

P.S

Google先生にお伺いしても近似式に関してはなかなかこれというのが無かったので著者とは違うアプローチを色々試しながら三角関数の公式を使う近似法に辿りついた。他の近似法を見つけるのは読者の課題としよう( ´∀`)
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