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投稿者 スレッド
webadm
投稿日時: 2012-11-2 8:50
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3086
等価回路
次は分布定数回路の等価回路に関する問題

特性インピーダンスZ0、伝搬定数γ、長さlの一様な線路のT形、π形および格子形等価回路を求めよ。

というもの。

有限長の分布定数回路が四端子定数と同じ四端子定数を持つT形、π形および格子形等価回路の素子定数を導けば良いことになる。

二端子対回路の演習問題でT形、π形および格子形回路の四端子定数を導いた記憶があるが、詳細は定かではない。つまり忘れてしまったということである。

なのでそれを思い出すことから始めねばならない。

T形とπ形は3つの二端子対回路を縦続接続させたものとして考えれば簡単に導くことができる。



分布定数回路は対称回路なので、T形回路ではZ1t=Z3tとなり



ということになる。

同様にπ形回路は



ということになる。

これも同様に対称回路であるためにはZ1π=Z3πとなり



ということになる。

さて格子形回路の四端子定数はどうだっただろう。かなり苦労した覚えがある。

出力端を開放および短絡した場合のそれぞれの駆動点インピーダンスZo,Zsと四端子定数の関係を思い出そう





負荷に特性インピーダンスZ0を接続した場合、駆動点インピーダンスも特性インピーダンスと等しくなることから



ここで対称回路ではA=Dであるので



ということになる。Z0,Zs,Zoは一般に複素数なのでZ0は曖昧で±はそのままにしてある。無損失線路か無歪線路の場合Z0は正の実数になる。

ここで四端子定数の関係式から



よりA,B,Cを解くと



ということになる。

これに対称格子形回路の開放および短絡駆動点インピーダンスを求めて代入すると



ということになる。

Z1,Z2は一般に複素数であるので曖昧性があり、±はそのまま残してある。Z1,Z2が純抵抗の場合にはZ1>Z2の場合には-をとることになる。

さてここまでは準備段階に過ぎない。いよいよそれぞれの等価回路の四端子定数を導く段階にはいる。

分布定数回路と上の3つの等価回路は同値であるためには



を満たすZ1t,Z2t,Z1π,Z2π,それにZ1,Z2が存在することである。

すなわち



のいずれか2つの式をZ1t,Z2tに関する連立方程式として解くと。



と言う結果が得られる。Z1tについては最後に半数の双曲線関数の公式を使った。

同様にπ形回路に関しても



のいずれか2つの式をZ1π,Z2πに関する連立方程式として解くと。



などという結果が得られる。Z1πに関しては同様に半数の双曲線関数の公式を使った。

最後格子形回路についても



のいずれか2つの式をZ1,Z2に関する連立方程式として解くと。



などという結果が得られる。

実は上のZ1T,Z2T,Z1π,Z2π、それにZ1,Z2にはそれぞれ二次方程式のため2つの解が存在する。そのどちらでも元の方程式を満足するのだが、はてさてこれはどうしたものだろう。同値の2つの回路が存在するということになる。この疑問についての答えを出すのは読者の課題としよう( ´∀`)

P.S

もちろん受動素子だけで構成する場合には、インピーダンスの実数部は負とならないため、上の結果でよいことなる。しかし受動素子に限らないならば、インピーダンスの実数部が負になってもよいのである。
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