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webadm | 投稿日時: 2013-11-17 12:57 |
Webmaster ![]() ![]() 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3110 |
装荷回路 さてあと残るところ3問である。頑張らずに最後までやり遂げよう。
次の問題は前問と似ているが、今度は異なる特性インピーダンスの線路の接合点に線路に並列ではなく、直列にインピーダンスを挿入(装荷)する回路の問題。 下図に示すように特性インピーダンスZ1(s),Z2(s)の間にインピーダンスZ(s)を挿入したとき、入射波の電圧ei,電流iiに対する(1)反射波er,ir、および透過波et,itの関係を示せ。またZ(s)がRL並列回路である場合に(2)ei=E u(t) (3) ei=E e^-at u(t)の入射波電圧に対する反射波と透過波の電圧を求めよ。 というもの。 前問と違って問題文中には線路が無損失線路であるとは書いていない。なのでやり方としては ・前問と同様に無損失線路だけやる ・特性インピーダンスが実数となる無損失線路と無歪み線路についてやる ・一般の分布定数回路(特性インピーダンスが複素周波数sの関数)についてやる もちろん最後のが一番良いが、RC線路が含まれるのでやっかいとなる。ここはやはり特殊から一般へと順を追ってやっていくことにしよう。 前問と同様に以下の等価回路で考える 以下の関係が成り立つ これをer,ir,et,itについて解くと ということになる。 集中定数回路的に見ると間違っているように見えるが、左側の特性インピーダンスZ1の半無限長線路がインピーダンスZの集中定数回路とその先の半無限長線路の特性インピーダンスZ2の合成インピーダンスZ3の終端に到達すると、電圧反射係数αによって決まる反射電圧erと反射電流irが発生すると考えることができる。一方透過波は集中定数回路とその先の線路へ進むことになると考えればすっきりする。その他e_iとi_iの関係は定義した通りとする。 また等価回路をぐっと睨めば ということがたちどころにわかる。 この結果は特に無損失線路だけにとどまらず一般の分布定数回路でも成り立つと考えられる。 次に(2)のZがRL並列回路で構成されている場合を考えよう。 RL並列回路ともなると、Zは一般的な複素数値となる。従ってLaplace変換を使うかHeviside演算子を使って計算する必要がある。 RL並列回路のインピーダンスは複素周波数sを使ったLaplace変換では と表される。 Heviside演算子で表すと ということになる。 これがLaplace変換とHeviside演算子は同じものだと誤解される理由である。 著者はLaplace変換を使って解いているので、こちらは別解でHeviside演算子を使って解いてみよう。 ということになる。 これはZ1,Z2が実数となる無損失線路や無歪み線路の場合である。より一般的な分布定数回路ではZ1,Z2が演算子pの関数となるのでもっと複雑になる。それは読者の課題としよう( ´∀`) (3)の場合は時間と共に指数関数的に減衰していく入射波電圧のケースで同様にHeviside演算子で表すと 従ってer,etは ということになる。 これは著者の解と同値である。 Z1,Z2が複素数の場合については読者の課題としよう( ´∀`) P.S 高周波回路でRL並列回路というのを見たことがある。抵抗に並列にコイルを巻き付けたようなもので、送信機の終段のプレート回路にシリーズに挿入されているのを良く見かける。Lは小さくてよく終段で増幅されようとする高調波エネルギーをLでトラップし、エネルギーが開放される時には並列に接続された抵抗で熱に変えてしまうというもの。それをしないと高調波も大電力で増幅され、スプリアスの原因になったり、終段が寄生発振して増幅器として機能しなくなってしまう恐れがある。確か寄生発振防止だったような気がする。 それとは別に弱信号領域では線路にLだけを挿入し意図的に高域周波数領域の電力をトラップして周波数特性を持ち上げるのに使われることがある。ピーキングコイルといって昔は真空管とかでテレビのビデオ信号とか数MHzもの広帯域特性を持つ増幅回路を構成するのに必須だった。今でもアナログビデオ信号を扱う回路には需要があると思われる。 |
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