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webadm | 投稿日時: 2019-7-15 14:06 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3107 |
バロック期の楽曲の譜読み 4期のどの時代にしても譜読みには細心の注意を払う必要があると考えています。
現代の記譜法に近い時代のものであれば、譜面だけで事足りる場合が多いかもしれませんが、バロック期とそれに続く古典派の時代の曲については現代の楽器とは異なる古楽器が使用されている点もあり、ロマン派時代以降の現代とほぼ変わらない楽器と記譜法の場合とは区別して扱う必要がありそう。 もちろん先に紹介した曲集には奏法解説や装飾音の演奏譜が最低限書かれていますが、それで十分とは誰も思わないでしょう。 普通はちゃんとした教師の下で学ぶのを前提としています。 独学者はそれでは足らないのではないでしょうか? そんな不安を裏付けるように、バロック時代の楽曲の譜読みに関しては様々な研究が行われ、分厚い本もあったりします。 出版されている全部の本に読むというわけにもいかないので、バロック期の楽曲に取り組むのであれば、これは座右の書とすべきという本が一冊だけありますので紹介します。 「正しい楽譜の読み方 バッファからシューベルトまで 〜ウィーン音楽大学インゴマー・ライナー教授の講義ノート〜」 大島富士子 著 ウィーン文化芸術協会 後援 現代ギター社 出版 2009年初版で比較的近年出版された本で古い人は知らないかも。手元にあるものは2018年第10版とあるのでコンスタントに需要がある本のようです。 ページ数は85ページで厚くはないですが、内容はぎっしり詰まっていて濃く読み応えがあります。 アマゾンのコメント欄で知ったのですが、著者の大島富士子さんは2016年にお亡くなりになっているらしく大変惜しい人を亡くしたことになります。 本書の内容は著者の前書きにもあるように現代ギター社から出版されている「現代ギター」誌上で連載され、話題を呼び日本国内でインゴマー・ライナー教授と共に講演するなどして評価の高い内容を単行本化したもの。 内容は読むとすぐ判りますが、インゴマー・ライナー教授がウィーン音楽大学で教えている講義そのものを著者自身の言葉(日本語)で伝える形になっています。 なので良くある翻訳本のような訳注とかは一切なく、日本語ですべて違和感なく読めるというのはありがたい。 まえがき読むとインゴマー・ライナー教授と著者は同じ頃に共に専攻は異なるものの同じウィーン国立音楽大学で学んだ同志。 著者は数少ないウィーン国家公認日本語法廷通訳者の一人で翻訳はお手の物、まったくお見事です。 こうした方が居られたということを同じ日本人として誇りに思います。 さて時折この本を開いて読み返しながら、譜読みを始めることにします。 一曲の演奏時間が短いものが多いので、それらを複数まとめて同時並行進行することにします。 んじゃまた。 |
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