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webadm | 投稿日時: 2019-8-13 2:25 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3107 |
BWV anh. 114 G-dur Menuet Christian Petzold 作曲のクラヴィーア組曲中のメヌエット2曲の最初の曲がバッハ家で写譜されたもの。
Christian Petzold は大バッハより7歳年上で、作曲家でありオルガン奏者でもある点で大バッファと共通し、おそらくオルガン献納式の際に大バッハが招かれた際に意気投合し、親交が始まったのではないかと想像されます。 Christian Petzold を自宅に招いた際に、妻や子供たちにも弾ける易しい曲として披露した2曲が写譜されたと思われます。しかしChristian Petzold自身は自作品を出版していなかったので、名前は伏せて欲しいとかということになったのかも。 Christian Petzoldの死後は遺品が教会に寄付されて、人目に触れることもなく、20世紀になってからその存在が知られ、最終的に先に有名になっていた BWV anh. 114 と 115 が実はChristian Petzoldの残したクラヴィーア組曲の中の2曲だったことが判明した次第。 以前紹介したウィーン原典版には最後に付録として Christian Petzold のクラヴィーア組曲全曲が掲載されています(史上初の出版譜)。 さてうんちくはここまで。 とても聞きなれた曲で、普通は聞きなれた曲を弾くのは嫌いなのですが(その曲が大好きではない限り)、この曲は昔から縁あって聞き馴染んでいたこともあって拒否反応はありませんでした。 学校を卒業して就職してちょうど1年間日本各地の工場で実習で回っていた頃に、ルーテル派教会かどっかの提供でラジオの人生相談番組があって、それを毎晩聞いていましたが、そのオープニングとエンディングがこの曲でした。 その番組、人気もあっていろいろ人生相談が舞い込んでいたのですが、最後に現代のソドムとゴモラみたいな性虐待の相談が舞い込んだのを最後に放送が終了してしまいました。あれはやらせだったのか、放送を中止させるための仕組まれた罠だったのかは謎ですが、記憶に残っています。 さてなんの話だったっけ、ああ、譜読みね。 これも2部形式で、前半は足ならし、耳鳴らしみたいな感じですが装飾音であるモルデントが登場します。その点を除けば易しいですが、第二部が本気モードでかなり難しい部分もあります。 Christian Petzoldはオルガン奏者だけあって、冒頭オルガン曲かと思わせるバスの和音から始まります。 和音は最後のカデンツでも登場しますが、終止両手を合わせたオルゲルプンクトが頻繁に使われており、後半の聞かせどころで、25〜26小節目で左手で難しいオルゲルプンクトもしくはフィンガーペダルが使用されるところが肝かも。 これも先の BWV Anh. 113 と同様に、youtube には長前打音を短前打音と誤解して演奏している動画がいかに多いことか。 前打音の演奏は良くても、モルデント全部省略という簡易版演奏も残念ながらお勧めできません。 まがいものが多すぎ注意(´Д`;) 生演奏で模範演奏として挙げるなら、やはり以前にバイエルの時にも紹介した、アイオワ大学のチャネルから、 あと、後学のためにバッハの時代の演奏の再現(ノート・イネガル奏法や繰り返しの際の変奏や装飾音の付加)を試みた真似の出来ないハープシコード演奏をご覧ください。 これも後半の最後から部分練習開始。 |
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