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webadm | 投稿日時: 2019-8-13 3:16 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3107 |
BWV anh. 115 g-moll Menuet Christian Petzold のクラヴィーア組曲の中の2つ目のメヌエット。
先のBWV anh. 114 ほど有名ではないのは、短調で物悲しいからかな。 興味深いことに以前紹介した初級者向け(小児向け)のアンナ・マグダレーナ・バッハ音楽帖本に抜粋された曲はどれも長調ばかり。 小児にはどうもバロック曲は評判が悪いらしく(日本でもそうらしい)ので、いやいや仕方なくさらうというのが普通ぽい。 なのでそこに短調とか鬱になりそうな曲想の曲を入れたら致命的だということで外される運命にあるのかも。 でも良い曲だよね。 ト短調として知られるこの曲ですが、どの版の譜面を見ても調音記号はヘ長調で、E/eの音階にはほとんど臨時記号で♭がついていますので、実質的には変ロ長調と同じ、第一小節の和声がGm(GとB♭が短三度)で始まるので、変ロ長調(B-dur)の並行調であるト短調(g-moll)ということになります。 なんでこうなっているかというと、Christian Petzoldの自筆譜もそうだし、それを写譜したアンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帖も同様になっているだけ。 アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帖の楽譜は低音部は現在と同じヘ音記号で書かれていますが、高音部はハ音(ソプラノ)記号を使って書かれており、現在の標準であるト音記号(G clef)とは異なっているため、どの版もト音記号を使った形に書き直されています。 ベーレンライター版は、その経緯を説明すると共に、5線譜の最初にオリジナルの調音記号が以下の様に添え書きされています。 同じ2部構成で、今度は前打音は出てきませんが、トリルが沢山、モルデントが少しな感じ。 もうね、老眼になるとトリル(トリラー)とモルデントの見た目の区別がつかなくてのう(ノД`)シクシク やっとこさモルデントは真ん中に刺状のものが見える程度で区別できる感じ。 あと、版によっては左手の親指で黒鍵を弾く運指と、弾かない運指に分かれるんだけど、どっちがいいのかな。 昔は後者が普通だった気がするけど、最近は親指も特別扱いではなく、他の指と同様に黒鍵を弾くのが普通なのかも。 確かに親指を使わないと黒鍵でオクターブとか弾けなくなるのは確か。 全般的に両手のオルゲルプンクトが多くて、さすがオルガン演奏の名士の作曲だけあるよね。 youtube とかみると本当にオルガンで演奏している動画がいくつもあったりします。 アマチュアの演奏動画でちゃんとしているが少ない中、以下のチャネルは健闘しています。自分もこれぐらい弾けたら合格にしちゃうかも。 後学のために、ハープシコードでの模範演奏音源を紹介します。 二段鍵盤のハープシコードを使用して、繰り返しの際に上下のレジスタを使い分けて音色を変えているところがみそ。 繰り返しの際には同じように弾くのではなく、あれ?変わったな程度に気づく変奏をするのが良しとされます。 以下のハープシコード演奏音源では、繰り返し部の最初はオリジナル通りで、2回目は装飾音追加、ノート・イネガル奏法を駆使して真似の出来ない変奏を披露しています。 サムネイル画像が、以前紹介したCDのジャケットと同じ。 これも後半が難しいので後半から部分練習開始。 |
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