フラット表示 | 前のトピック | 次のトピック |
投稿者 | スレッド |
---|---|
webadm | 投稿日時: 2019-10-12 7:21 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3107 |
Re: BWV anh. 113 F-dur Menuet ふう、ご無沙汰でちゅ(;´Д`)
その後練習をサボっていたわけでもなく、むしろこの曲にだけ取り組んでいたのでした。 譜読み段階では、難しいところは無いように見えて、片手づつの運指確認の段階でいろいろ慣れていない運指が出てきて難儀しました。 ピアノの先生のブログとかで、この曲の紹介をしている文面を見ると 「どれも易しい曲ばかりで...」 と書いてあるのを読んで思わず、ほんまでっか? と突っ込みを入れたくなりました。 良く調べると、PTNAのステップという誰でも受けることが出来るPTNAの定めた難易度グレード(PTNAステップ)別の演奏審査制度があるのですが、この BWV anh.113 が PTNA 応用4の課題曲の一つになっています。 PTNA 応用4の他の課題曲はバッハのインベンションとかもあり、それ相応の難易度の曲に分類されているのがわかります。 ちなみに良く知られた BWV anh.114 は PTNA 基礎3〜5の課題曲になっているので、バイエルの74番以降と同じなのでずっと易しい分類になっています。 そうだよね、アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帖にある曲は写譜された時期が時間軸上に並んでいるというだけで、難易度順では決してないということ。 盲点ですた(´Д`;) インベンション前にいきなりインベンション級の曲に取り組んだわけですか、そうですか。 この2か月の間に遭遇した難所を列挙しておきます。 ・小さいポジション移動や跳躍があるため、指替えや指くぐり、指越え、跳躍など初見で弾けない部分を優先的に片手練習 - 右手 3小節目の3連符 10小節目の指越え 11小節目の4連符 14小節目の指くぐり 22小節目の指すぼめ? 23小節目の指越え 28小節目の指越え 31小節目のオクターブ跳躍 - 左手 2小節目の指替え(右に2度ポジション移動) 3小節目のオクターブ跳躍 9小節目のオクターブ跳躍 11小節目のオクターブ跳躍 13小節目のオクターブ跳躍 14小節目の指替え(右に2度ポジション移動) 15小節目の指越え 17小節目のオクターブ跳躍 21小節目の指替え(左に2度ポジション移動) 22小節目のオクターブ跳躍 22小節目の指越え 23小節目のオクターブ跳躍 24小節目のオクターブ跳躍 24小節目のフィンガーペダル(オルゲルプンクト) 24小節目のd(レ)の両手同時打鍵 どんだけあるんだと(´Д`;) ・両手併せた瞬間に両手とも動きが止まってしまい運指もすっかり忘れてしまうポリフォニーショック(´Д`;) ・上記を克服するために、比較的安定している左手をデジタルピアノの録音機能で録音して、それを再生しながら右手を併せる二手連弾練習 ・右手が安定してきたら、右手を録音してそれに左手を併せる二手連弾練習 ・左手も右手互いにつられず独立して旋律が弾けるようになったら、両手でゆっくり合わせていく練習 ・両手で弾けるようになったが、トリルが遅くて入れられないので、トリルの部分練習とトリルを入れない両手練習 ・山崎版のアーティキュレーションを入れてみるテスト(簡単にはいかないので部分練習からやり直し) ・アーティキュレーションで一小節の前半をレガート気味で後半をスタッカート気味に弾き分ける練習 ・トリルは速く弾けるようになったらトリルを入れて練習、繰り返しの時にトリルを変奏する練習 いやはっきり言ってバイエル終了程度では到底弾けません罠(´Д`;) それで易しいアンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帖からの抜粋曲集にはこれが載ってないのね。 まず盲点だったのが、 ・バイエルでは比較的易しい対位法の曲があるものの、ポリフォニーの曲は出てこない(ユニゾンが良くでてくるけど、両手とも旋律が独立しているのは小さい子供には無理だと意図的に入れていないと思われ) ・バロック期の曲は微妙なポジション移動(Micro adjust)が多いので指替え、指くぐり、指越えは必修 ・バロック期の曲はオクターブ跳躍が多いので、オクターブに正確に指が届かないと難しい ・バロック期の曲は2段チェンバロとかを前提として作曲されていると、両手の交差や同じ音域を両手で弾くとか普通に出てくる(これが嫌いでバロック弾かないピアニストも多い) ・バロック期の曲は装飾音(特にトリル)が良く出てくるので、軽やかにかつ早く弾けないと入れられない(弾けないなら入れないほうがまし) 今や有名なピアニストでも、子供の頃はトリルがうまく弾けなくてコンクールで見事にブービー賞をとった人も居るよね。 トリルが弾けないという相談もよく検索で出てきます。 意識しすぎると固くなるので、無意識だけど意図的に指先を鍵盤から終止離さず足踏みする感じ弾くと軽やかに早く弾けます。指を持ち上げるのではなくて、力を抜いて鍵盤が戻ってくる力に委ねて鍵盤に指先をのっけたままにすると無駄な動きをしなくて済みます。 よく同音連打とかはシングルアクションのアップライトピアノでは早く弾けないというのが言われるけど、それは同じ鍵盤を弾く際にシングルアクションだと鍵盤が完全に戻ってからでないとハンマーが戻らないのが原因で、トリルの場合には、片方を弾いている時にもう片方は完全に戻っているのでその問題は無いのでした(まあダブルアクションの方が完全に戻る前にハンマーが復帰するので、更に早く弾けるというのがあるけどね)。 感覚的にトリルはトリルというよりcharpに近い感じで、鳥が囀るような感じに弾くのが理想的だよね。 もちろんテンポがゆったりだったら、ゆっくり弾いていいわけだけど。 さて、そんなこんなでだいぶ仕上がりつつあるのはうれしいことです。 2か月前は全く弾けないじゃないかとか、ポリフォニー苦手なんじゃないのかとか悩んだけど、地道に部分練習を重ねて自信を積み重ねていったら今は弾けるようになり、一歩理想へ向けて前進した感じ。というより一皮むけた? 正直に言うと、「だからブルクミュラー25に進んどけばよかったのに」という内なる声が聞こえたりして迷いました。 ピアノ教室でも、小さい頃からバロック期を勧めるところと、無難にブルクミュラーを選択してバロック期は回避する方針のところがあるみたいで、PTNAのコンクールとかも課題曲はその2ルートのどちらでも選択できるように用意されています。 ポリフォニーが苦手じゃなくなって、変わったことは、バロック曲を聴いていると、上声部以外のパートがはっきり聞き取れるようになったということかも。 10代の頃にピアノを遊びで弾き始めたきっかけを思い出した。 通っていたバプテスト教会で副牧師だったT先生が北米のメイヨークリニックの仕事に就くため送別会があり、それが終わった空き時間の時に教会幼稚園のK先生がアップライトピアノで有名なショパンの別れの曲(Op10-3)を弾いていたのを傍で耳にして大変魅了されたのがきっかけ。 翌日からピアノでその曲が弾きたくなってたまらなくなり、学び舎の普段使われていない大講義室の一角に古いアップライトピアノ(もしかしてスピネット?)が置いてあったのを思い出し、沈んだまま戻らない鍵盤がいくつかあったりするけど、音はちゃんと鳴るので、それで譜面なし(譜面の存在を知らなかったし、誰の曲かもその時は知らなかったので)前日に聞いた演奏の記憶を思い出し、上声部は確かこうだったよね、bassはこうだったよねと音を探しながら両手合わせて弾けるようになっていました。 休み時間にバカの一つ覚えで同じ曲練習していたのですが、ある日背中に人の気配を感じて振り向くと、入り口に立って聞いている子がいるではないですか。 恥ずかしくなって、その日を最後に練習をやめました。そんだけ。 小学生の頃に合唱部に入っていたのはどっかで書いたよね。でも小学生の時は声域が同じなのでユニゾンだけど、学生になって地元のバプテスト教会に通いだして土曜日に集まる高校生の会というのにも参加して、同じ教会に通う他の高校生とかと内輪で聖書の勉強とかしていましたが、牧師不在で教えてくれる先生が居なかった時期にある日同級生で学校ではブラスバンドでトロンボーンを吹いていたH.W君が下のLPを持って現れて、「今日からはこれをやるよ」と言い出しました。 当時リリースされたばかりの無伴奏コーラスユニット The Singers Unlimited がジャズ風の大人のアレンジで聞かせるクリスマスキャロル集(Christmas)でした。 当時はまだマイクロプロセッサーもCDも発明されてなかったので、アルバムはLPレコードです。 礼拝堂備え付けのオーディオセット(何故か地元の有名なオーディオセットショップオリジナルの大型バスレススピーカーが備え付けられていたのは謎)で聞いた後、みんな静まり返って「まじでこれを目指すの?」と目を白黒させていました。 今もCDで同じアルバムが入手可能で不屈の名作だよね。聞き直す度に鳥肌が立ちます。 そんなわけで、その日を境に10代の4人で混声コーラスグループが出来て、讃美歌の練習をすることに。当時は教会の若い人がコーラスグループを立ち上げるのは珍しくなく有名なグループも存在しました。 讃美歌集は教会で日曜日の礼拝に参加する際に新旧の聖書と併せて必携書、たまに聖歌も歌うことがあるので聖歌集もみんな持っていたし、4声体で編曲されているので、それぞれのパートを各自練習できるし。 特に苦労することなく、全員自分のパートを讃美歌集の譜面を見て練習できました(頻繁に歌う曲だけだけどね)。 土曜日に4人合わせる練習も、ソプラノの子に出だしの音を出してもらって、他のパートはそれを聞いて自分のピッチを合せる感じ。そうしないとソプラノ(男性)がつらいので。 その後クリスマスの頃には地元の信徒の家族の家々を回って讃美歌を歌う念願のキャロリングの機会も訪れました。夜中まで歌って回ったので、翌日は声がかすれてたけどね、楽しかった、いい思い出。 何十年ぶりで手元の讃美歌集を開いてみた、レパートリーには鉛筆で丸印が付けられていた。 もう老眼で裸眼ではとても読めない(ノД`)シクシク 讃美歌は原曲に歌詞をつけて編曲したもので、原曲の原題や作曲者の名前がちゃんと右上に書かれています(老眼で読めないけど)。讃美歌は題名がついていないので、歌詞の出だしの部分が題名代わりで、知っている曲なら讃美歌集を開かなくても歌えるように。114番は「あめなる神には」、115番は「ああベツレヘム」という感じ、「もろびとこぞりて」は誰でも知っているよね何番かは知らなくても( ´∀`) 卒業して社会人になった後も、マルチトラック録音ができるAIWAの小型のラジカセを購入して、右と左に上声部とbassを自分一人で讃美歌を多重録音してひとり悦に入っていました。 ピアノが買える給料でもなく、エレピはあったかもしれないけどプロ用だし、4bit のマイクロコンピュータの時代デジタルピアノはまだなかったし、初期の電子オルガン(エレクトーン)は何十万もするし、仕方なく数万円のギターを買って練習し始めたのもその頃でした。 なんの話だったけ、ああピアノとの出会いだよね。 最初にピアノに出会ったのは小学校で音楽室と理科実験室が新しいビルでできたので、音楽の授業で初めてグランドピアノを目にした時に授業が終わった後も音楽室に残ってピアノをいたずらしたのを覚えています。 3つあるペダルを順番に踏んでいったら最後にウナコルダペダルを踏むと鍵盤が一斉に横にシフトしたのを見てびっくりして、蜘蛛の子を散らすみたいに音楽室から逃げ出したのも昨日のように覚えています。あれがピアノとの最初の出会いだったのね。 なんの話だったっけ? ああ、ポリフォニーね、10代の頃はちゃんと各声部を聞き分けて一回で耳コピーできたのは驚き。 バイエルの時代はどうだっか謎だけど、確かなことは年齢が低いほうがポリフォニーショックは軽くて済むということ。なので今日のピアノ教授法では5歳ぐらいから易しいポリフォニーの曲を習うのが普通ぽい。「子供のバイエル」とかで BWV anh.114 の易しいバージョン(トリルが無い版)が挿入されているのがあるのはそのため。バイエルの後半の後半から弾けるからね。 でもピアノを始めた三年前に、初めて別れの曲の譜面をみたら、実は内声が入っていたというのを知って驚愕(´Д`;) 内声はさすがに聞き取れてなかったみたい、残念。でも上声部とbassだけだとこれじゃ無い感がずっとしていたのも確かだけどね。 まあ、10代とはいえ、ピアノの導入がショパンのエチュードだったというのは恐れ知らずだよね、今は触れることもできないと認識していますが。 仕上がったら、録音して公開します。 今度は以前買った PIANOTEQの古楽器(クラヴィコードやハープシコード)の音源でどんな感じか紹介します。 かなりいい感じで練習の時に音源をそちらに切り替えて試しているけど、弾けるようになると楽しいです。 んじゃまた。 |
フラット表示 | 前のトピック | 次のトピック |